ランチのアッコちゃん (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 7982
感想 : 732
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517569

感想・レビュー・書評

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  • 妻から、「新幹線の中で読むのにちょうど良さそうな本を借りてきて欲しい」というオーダーを貰い、女性作家の連作短編集が良いだろうと、適当に手に取った本。妻からは、「まずまず」というフィードバックだったので、一応読んでみた。

    気負わず、さらっと読めた。

    4篇の中ではラストの「ゆとりのビアガーデン」が一番よかった。古い世代とはまるで価値観が違う、ということは非難には当たらず、むしろ称賛されるべきこと、という点がよく分かるお話だった。

  • 仕事ができるかっこいい上司、アッコさん。
    ひょんなことから主人公とお昼を取り替えることになって、ちょっと怖いと思っていた上司の意外な一面を少しずつ知ることになっていきます。
    お昼を通して悩める後輩のために何かを伝えようとする姿、不器用だけれども温かみを感じました。

    後半のビアガーデンを開く話も良かったです。
    世代間ギャップはどうしても付き纏うものですが、少しずつ受け入れていく様はどこの業種にも当てはまるのではないかと思えました。

  • 4つのお話の短編集。はじめの2つはアッコちゃんこと黒川敦子部長と派遣社員三智子のお話。
    あとの2つはそれぞれ主人公は異なるけど、アッコさんたちと繋がっている。

    意外にもお仕事小説だった。
    三智子のお弁当とアッコさん自身のランチを一週間交換する提案から、いろいろ吸収して新しい企画を考えたり、工夫を凝らして問題解決したりする三智子に感情移入していってだんだん楽しくなってくる。

    そしてなにより料理の描写がほんとに美味しそう。ピカピカのお寿司。織田作之助で有名な『自由軒』のを模したドライカレーは作ってみたい。

    なんでもヒントは周りにたくさんあるんだよ、と
    「食べることは生きること」。
    なんだか涙が出て、そして元気になる小説だった。

  • 薄い文庫本なのに、ワクワクと感動と美味しいが混ざってとっても面白かった

    アッコちゃんの存在はインパクトがありながら、1週間のランチは次なんだろうとワクワクしたし

    最後の話のゆとりのビアガーデンは最高でした!
    今私に必要な事がギュッと詰まった本でした!

  • 一週間アッコさんと仕事をするために、ろくに睡眠もとらず昼も夜も働いて生まれた、ランナーズハイのような奇妙な高揚。
    やりたいこと、やるべきことがあって体が動く感覚、寝る間も惜しいあの感覚を思い出した。
    憧れの人、目標の人がいるのは強い。どんな人になりたいか、どんなふうに生きたいか、描いて動き出す背中を押してくれる本。

  • 祝・文庫化☆
    快作です!
    働く女達の憂さや迷いを晴らす楽しい展開で、元気が出ますよ~。

    第1話 ランチのアッコちゃん
    派遣社員の三智子は、雲と木社という小さな出版社に勤めている。
    4年付き合った恋人に振られた翌日、上司のアッコから意外な申し出を受ける。
    お弁当とランチを一週間交換しようというのだ。
    アッコちゃんこと黒川部長は、長身で独身の45歳。営業部唯一の女子正社員で、一人だけセレブ感を漂わせている。
    曜日ごとに行く店とランチが決まっているというアッコ部長。
    知らない世界をのぞき見ることになった三智子は?
    軽快で、現実的ではないが~ありえないほどでもない予想外な面白さ。
    だんだん元気になる三智子が嬉しい。

    第2話 夜食のアッコちゃん
    雲と木社は倒産、別な会社で働いている三智子。
    正社員と派遣社員の間に立って困っていたとき、「東京ポトフ」のワゴンをやっているアッコちゃんに再会する。
    一週間、仕事を手伝うと申し出て、問題解決のヒントを得ることに。

    第3話 夜の大捜査先生
    30歳になる野百合は合コンに精を出していた。
    3年以内には結婚したいから。
    中高一貫の出身校の名を出すと、好印象をもたれるのだが、実は在学中スカートを改造し遊びまわっている不良だった。
    当時の先生、前園が今も繁華街で生徒を追っているところに出くわし、生徒を探すことに。

    第4話 ゆとりのビアガーデン
    総合商社に入ってきた新入社員の玲実。
    ゆとり世代の典型でまったく使えない女の子。3ヶ月で辞めたのだが、社長の雅之は今思い出しても苦笑するほど。
    ところが、その玲実がビルの屋上でビアガーデンを始めるという‥?

    アッコちゃんの話が2話で終わってしまうのはちょっと残念だけど、後の話にも少しずつ出てきます。
    のほほんと明るい玲実の個性がまったく違っていて、社長にも育てられたとは言いがたいが、これはこれで視点の変わる面白さ。
    なかなか秀逸でした。
    ちょっとだけど現実に参考になるような言葉もちゃんとあり、夢のあるエピソードが楽しい☆

    • まみさん
      以前見かけて気になっていた本です。レビューを読ませていただいて、ますます興味がわきました(´▽`*)ぜひ読んでみたいと思います。
      以前見かけて気になっていた本です。レビューを読ませていただいて、ますます興味がわきました(´▽`*)ぜひ読んでみたいと思います。
      2015/10/04
    • sanaさん
      まみさん、
      こんばんは☆
      コメントありがとうございます!
      「ランチのアッコちゃん」気になっていた本ですか~。面白いですよ!
      オススメ...
      まみさん、
      こんばんは☆
      コメントありがとうございます!
      「ランチのアッコちゃん」気になっていた本ですか~。面白いですよ!
      オススメできます♪
      続編も最近読みました。もっとアッコちゃんに活躍して欲しいです。
      まみさんの本棚にも面白い本が紹介されていますね。楽しみに、行かせていただきます^^
      2015/10/05
  • アッコ女史こと黒川敦子部長、45歳独身。
    エグゼクティブなオーラを纏い周囲から恐れられているアッコさんと、とあることから1週間のランチ交換をすることになった派遣OLの澤田三智子。
    1週間、指定されたさまざまなアッコ女史の行き着け場所に行くにつれ、彼女の知られざる魅力に魅せられる。
    食と仕事がこんなにキラキラ描かれていて、元気が出る作品だった。アッコさんのような上司になれたらなー。
    このシリーズ、また読みたい。

  • 4つの短編集です。どのお話も女性が主人公です。仕事にプライベートに悩みを持ち、心の中は、いつもモヤモヤしているけれど、それを吹き飛ばすほどの、強い気持ちを持って、前へ前へと進んでいく人たちのお話です。

    この本は、現実には、こんなにうまくいくわけないよ、という部分もあり、うまくまとまりすぎている感じがします。しかし、それを上回る、女性達のバイタリティあふれる行動の数々に、ついつい、笑顔になり、読み終わった後、明るい気持ちになりました。

    ちょっと落ち込んでいる時、新しいことにチャレンジしたいなぁと思う時に読むと、元気が出て、前向きな気持ちになれる一冊だと思います。

  • 上司とランチをかえっこしたことで、美味しいご飯と、上司に繋がる素敵な出会いがたくさんある。
    社会から 少しはみだして辛い思いをしている主人公を助けてくれる素敵な人たち。今、辛い思いしているみんなの周りにも、あなたを助けてくれる人が必ずいるのかもしれない。

  • 4篇からなる短編集。
    後2篇はそれぞれ違う人が主人公。
    みんな自信を無くしたり現状に落ち込んでる。

    全部好きだけど、表題作が1番好きです。
    誰もが恐れている営業部長アッコさんのランチとお弁当を一週間取り替える!という提案を受ける地味派遣社員の三智子。
    アッコさんとの絡みはほとんどないのに、ランチを通じてアッコさんを身近に感じる書き方はいいなと思いました。

    食べることは生きること。
    すごく元気をもらえるし、ちょっと周りをよく見てごらんというメッセージが暖かいです。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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