主を失ったジャケット-神戸栄町アンティーク堂の修理屋さん(2) (双葉文庫)
- 双葉社 (2016年9月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575519280
感想・レビュー・書評
-
お互いがお互いを思いやる優しい気持ち。
伝え方も人それぞれ違う中、相手ならもっとうまく話をすることができただろう…自分はどうしてこんなに不器用なのだろう…。
自分らしさに気づき、真っ直ぐ気持ちを伝えることの難しさを考えさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
913
寄贈図書 -
内容(「BOOK」データベースより)
亡き祖父・万のアンティーク堂を継ぐために神戸に移り住んで5カ月。寒さも厳しくなるころ、寛人は店で使い込まれたいくつもの携帯灰皿を見つけた。店に間借りをしている修理職人の茉莉に聞いても、万が煙草を吸っていた記憶はないという。やがてその灰皿は売れたが、数日後、お客から「蓋が開かないものがある」と言われる―古いモノに込められた“想い”を解き明かす、大人気キャラクター小説、第二弾。
令和4年1月12日~14日 -
亡くなった人に対してどのように向き合うか。
人とどう向き合うのか。
物だけでなく、
人に対する向き合い方についての
考え方が心に残った一冊。 -
21.05.10読了
読みやすかった。
ひとつのお店に関わる人たちが、色んなところで抱えるものをほぐしあったり、温めあったりするお話。
亡くなった人をいつまでも大事にしつつ、新しい歴史を積み重ねていくことがお店を作っているのだとも言えるんだなと。 -
アンティーク堂の物語の続編。読みやすくあっという間に読了。寛人と茉莉さんの絶妙な距離感がいい。続編は出ないのだろうか。
-
蓋が開かず出戻って来た携帯灰皿、ドア前に撒かれたバラバラの玩具、壊されたメトロノームと天馬の後輩少女、依頼品でない品に普段以上に集中し倒れる茉莉。一巻の記憶にない文章の若い青さに驚いた。年齢は馴染んだ。一口に関西弁と言っても地域性か作者によるのか印象が違い面白い。本書の神戸弁ももこもこして温もった。
-
この前読んだ本の続編です^^
前に読んで気に入ったので、続編を読みたくなりまた。
とはいうものの前のわくわく感ではなくて、この本はなんとなく休み時間にコーヒーを飲みながら時間がゆったりと流れるような感覚で読めるので気に入ってます(⌒▽⌒)
相変わらず茉莉のもとに想いのある修理の依頼があるのですが、今回はアンティーク堂の元の主人の万さんや茉莉さんの事が少し知れる話しになっていて、人はどうやって勇気を貰うんだろうとか、どうやって勇気を与えられるのかなー そしてどう乗り越えていくのかなぁて考える話しでした。
この本を読んでると悲しさや辛さをを知ることで、人に優しく時には厳しくなれるんだなって思わせてくれてます。 -
短話のミステリーもの。主人公とヒロインがアンティーク堂に持ち込まれる色々な物の謎を解き明かす内容。「主を失ったジャケット」という副題に惹かれて購入。
話によっては馴染みの無いもの(携帯灰皿とか)が題材に選ばれていることもあったが、説明が分かりやすく、頭にすっと入ってきた。全体的に丁寧なのは良いのだが、作品としての味が薄めなためか印象に残りづらい。もう少し何か特徴を出しても良かったのではと思った。 -
【最終レビュー】
図書館貸出予約著書の一冊。約、5ヶ月弱待ち・シリーズ続編。
*前作・既読レビュー:16.8.9
http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4575518832
◇目次
○修理file.0:アンティーク堂に紫煙ゆれた過去
○修理file.1:バラバラのおもちゃで測られた技術
○修理file.2:修理を重ねて強くなるもの、修理を重ねて強くなるこころ
○修理file.3:光の中の吐露。主を失ったジャケット
既読したタイミングが、ちょうどよかったと言っても過言ではないこと。
既読直後、率直に感じました。
[3.11]を迎えるにあたり
最近ニュースで取り上げられた
『日常に直結するテーマの数々』
〈上記の修理file全て〉
描写された内容と『ピースが絡まるようにリンク』していました。
経年変化
個性
オルゴール
植物園
散歩
命の重さ
手作りのパッチワーク
丁寧につくられたもの
人の心の深いところ
独特の音
マイノリティ
何かを伝えることの難しさ
これらを軸に
言葉では決して言い切れない
〈不器用でやりきれない、奥底で抱える心情〉から
『ほんの一歩』を踏み出していくまでの〈過程〉
一人一人が抱えている〈ささやかな想い〉
丁寧に包み込むかのように綴られている雰囲気、自然と溶け込んでいました。
[温故知新の魂から投げかけられる『作風』を通して伝わってくるもの]
このシリーズを通して、自分はそう思っています。