あなたの人生、片づけます (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • / ISBN・EAN: 9784575519457

作品紹介・あらすじ

社内不倫に疲れた30代OL、妻に先立たれた老人、子供に見捨てられた資産家老女、ある一部屋だけを掃除する汚部屋主婦……。『部屋を片づけられない人間は、心に問題がある』と考えている片づけ屋・大庭十萬里は、原因を探りながら手助けをしていく。この本を読んだら、きっとあなたも断捨離したくなる!

感想・レビュー・書評

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  • 単に部屋を片付けるだけでなく、その人の人生にまで関わって解決へ導くアドバイザーの話です。不倫で悩むOL、妻に先立たれた老人、資産家の老女……etc。それぞれ使わないものを溜め込んでいます。そして片付かない人には人生に片付いてないことがあるとの見方を示します。
    「いつかなんていう日は来ない。」
    げげっ!これ思いがちです。
    「使えるかどうかでなく、使わないものは捨てた方がよい。」
    た、確かに……。これもあれも、いらないかも。
    「値段がいくらであっても着ないものはもう着ない。」
    結構いい値段したんだけどなぁ。デザイン古いですよね……。
    「もとはどんなに高価であっても要らないものは要らない。」
    ご指摘ごもっとも!心に刺さる言葉だらけです。
    断捨離したくなってきました。

    「暇は人間をだめにする。精神を病むことも少なくない。」
    そうですよね。下手にお金があると歯をくいしばって働こうとか、自分をもっと高めたいなんておもわないもんね。猜疑心も強くなりそうですし。

    最終章はまさにクライマックスです。究極の人生の片付けです。
    片付け、整理整頓の哲学のみならず、自分の知らない人生の数々の場面を見ることが出来ました。
    人生経験としても良い読書体験でした。

    • みたらし娘さん
      ちゃたさんこんにちは!
      面白そうな本ですね!
      本棚登録しました♪
      また読書の楽しみが増えました\( ´ω` )/
      ありがとうございます☆
      ちゃたさんこんにちは!
      面白そうな本ですね!
      本棚登録しました♪
      また読書の楽しみが増えました\( ´ω` )/
      ありがとうございます☆
      2023/02/21
    • ちゃたさん
      みたらし娘さん、こんにちは。

      楽しく読み進めていたら、最終章で感涙しました(T_T)
      レビュー楽しみにしていますね(^o^)
      みたらし娘さん、こんにちは。

      楽しく読み進めていたら、最終章で感涙しました(T_T)
      レビュー楽しみにしていますね(^o^)
      2023/02/21
  • オーディブルで聴く。
    展開が小気味良く、すっきりと読了。

    片付け(させ)屋・十萬里に僕の人生も片付けてほしい、と思った。


    どうも、片付けは苦手なんですよね。
    でも、家の中の整理を無性にしたくなった。

    まずは、家の中にためこんだいらないものをばんばん捨てていこう。
    でも、本を捨てようとすると…読書が始まってしまって…笑
    皆さんもそうではないですか?

    • たけさん
      naonaoさん
      おはようございます!

      片付けが大嫌いな人、発見!笑
      仲間だとわかってうれしいですねぇ笑

      無限地獄、わかります。
      僕は5...
      naonaoさん
      おはようございます!

      片付けが大嫌いな人、発見!笑
      仲間だとわかってうれしいですねぇ笑

      無限地獄、わかります。
      僕は5分格闘して諦めます笑
      2022/11/14
    • たけさん
      土瓶さん、コメントありがとうございます!

      本捨てる時あるある、ですよねー
      再読し始めて日が暮れる、確かに、そういう時あります笑
      ほんとに読...
      土瓶さん、コメントありがとうございます!

      本捨てる時あるある、ですよねー
      再読し始めて日が暮れる、確かに、そういう時あります笑
      ほんとに読みたかったのかわからない、ただの現実逃避なんじゃないかっていう…笑
      困ったものです…
      2022/11/14
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      おはようございます

      家事は基本できないこともないんですが、風呂掃除は「嫌い」、片付けは「めんどい」ってので、まあ、やりたくない...
      たけさん

      おはようございます

      家事は基本できないこともないんですが、風呂掃除は「嫌い」、片付けは「めんどい」ってので、まあ、やりたくないんですよね笑
      2022/11/14
  • 凄く良本

    この本を読んで
    気持ちが救われる読者も結構いると思う
    特番でドラマシリーズ化しても良いかも(°▽°)

    読み終わって
    自分も部屋を掃除しました。

  • 今まで、すごく気になるタイトルの本ばかりたくさん出されているなあと思っていましたが、何だか、こわくて読めずじまいだったこの作品が、初読みの作家さんです。

    『あなたの片づけ手伝います』という本を出している大庭十萬里(とまり)という50代のアドバイザーの女性が、片づけられない人の家を依頼人から依頼されて片づけ方の指導をする、連作短編集。

    餅は餅屋ということばがあります。まさにこの作者には、この小説を描くのにぴったりの資質があったのだと思います。読んでいてこわくなりました。
    片づけが苦手な私は、途中で何度も「わーっ」これはホラーだ!!!と、背筋が寒くなる場面がありました。
    今までの生活を変えなければ。
    このままではいけない。
    まさに今読まなければならなかった本。
    片づけられなくなったら人間おしまい。
    もういらないものは何も買いたくない。
    物よりお金が大切。
    悔い改めよ。
    とか色々思いました。
    春になって、暖かくなったら、すぐに片づけていらないものを捨てよう。掃除をしようと思いました。
    本ばかり読んでいる場合ではない。

    この作家さん、他も読みたいけれど、こわいタイトルばっかりです。

    • 5552さん
      まことさん、こんにちは♪
      うわー、この本めっちゃ気になります!
      片付けられない人(私です、、、。)にとってはいい薬になりそうですね。
      ...
      まことさん、こんにちは♪
      うわー、この本めっちゃ気になります!
      片付けられない人(私です、、、。)にとってはいい薬になりそうですね。
      この本、タイトルは知っていましたが、まことさんのレビューでぐんと読みたいランキングが上がってきました。
      図書館で探してみます!
      2019/12/13
    • まことさん
      5552さん♪こんにちは!
      このレビュー書くのちょっと恥ずかしかったのですが、思い切って本音を書きました。
      来年の春は私も片づけようと思...
      5552さん♪こんにちは!
      このレビュー書くのちょっと恥ずかしかったのですが、思い切って本音を書きました。
      来年の春は私も片づけようと思っています。
      皆さん、本とかどうしているのかと、思っていますが、なかな愛着があるものは捨てられないですよね~(^^♪
      2019/12/13
    • kuma0504さん
      そうか、この本に手をつけたんだ。絶賛が多い人の中で、私は珍しく辛口です(私は今年1月読了)。題名の勝利の典型ですよね。作者本人の発想か、編集...
      そうか、この本に手をつけたんだ。絶賛が多い人の中で、私は珍しく辛口です(私は今年1月読了)。題名の勝利の典型ですよね。作者本人の発想か、編集者の発想かが気になります。因みに、この本を読んで典型的な「片付けられない人」の私は、片付けるきにはなったのですが、結局1週間も続きませんでした( T_T)\(^-^ )
      2019/12/13
  • 2023.9.27 読了 ☆8.2/10.0


    社内不倫に疲れた30代OL、妻に先立たれた老人、子供に見捨てられた資産家老女、一部屋だけ片づいた部屋がある主婦……

    片付け屋である主人公・大庭十萬里が、人生に大小それぞれの様々な悩み、葛藤、不安、苦しみを抱えた人たちと部屋の片付けを通してそれらに向き合うきっかけを与えて、彼ら彼女らの「人生の片づけ」「心の整理整頓」をしていく物語。

    そう、十萬里さんが片付けるのは、家や部屋ばかりではない。その状態を作り出した人の心を片づける。
    どうしてそうなってしまったのかを丁寧に突き詰め、その状況を当人に理解させ、どうすればその状態から抜け出せるかを考えるように、巧みに誘導するのだ。
    そして彼らは気づく。これは、自分が招いたことなのだ、と。

    自分の弱さの表れ ー NOと言えない自分だったり、身の回りのことを人任せにしてきたツケが回ってきたり、老後も一人で生きていく覚悟がなかったり、喪ってしまった息子への執着だったり ー が、この状態を作り出してしまったのだ、と。


    私たちは、鏡を通してでしか自分の顔を見ることができない。それと同じように、自分の弱さは、自分には見えない。もし見えていたとしても、それを直視できない。直視できるほど、強くない。でも、だから十萬里さんに指摘して欲しい。背中を押して欲しくなる。



    〜〜〜〜〜〜〜〜心に響いた言葉〜〜〜〜〜〜〜〜


    "最もまずいのは、見るたびに、『あぁ、無駄遣いしてしまった』と後悔して落ち込むことです。見ると辛くなるものは、処分した方が精神的にも良いんです"


    "最近は、面と向かって言ってくれる人がいなくなりました。いつの間にか、みんな相手の機嫌を損ねないことしか言わなくなった。誰だって悪者にはなりたくないですからね。でも、恨まれても良いから本当のことを言ってあげるのが本当の親切ではないでしょうか"


    "老後の安心のために残すべきは、物ではなくお金ではないですか?例えば、気に入らない洋服を残しておくより、洋服を買う楽しさを残しておいた方がいいとは思いませんか"


    "人はみんな裸で生まれて裸で死んでゆく。人生の店じまいとはこういうことなんだと。あの世には何ひとつ持っていけない

  • 感動。全部の章に涙。

    『女も五十歳を過ぎたら死ぬ用意をすべきだと思います』

    散らかっていたり物が溢れてしまうのは、何か心に問題を抱えているから?ま、病んでしまうと、散らかっていることにすら注意が向かなくなる。関心無い。現実逃避。いつも不満で面白くない。
    問題解決の糸口が見え、元気になってきて初めて、
    「じゃ、片付けるかな」とかなる。

    十萬里さんは、お掃除大好きだが、見事に心の問題も解決?自分の問題気付かせ、時には耳の痛い事も。
    思っている事を言って、言わせて、導いてくださる。
    4つのケースは形を変えてはいるが、世代、環境、男女、どれかに自分を当てはめる事ができるようにしてある。

    垣谷さんは家族や人との繋がりが一番大切だと言いたいんだな、と。人によって病み、人によって元気になる。
    一人で悶々と考えてたって、解決しないなぁと改めて思う。あとは行動力ですか。
    そう、私も断捨離!物を減らさねば!
    スッキリとした部屋を想像して、決意を新たに(笑

    でも、現実はこんなに上手くいかないからね‼︎
    私の問題は山積みなのよ!!
    という感想。

    • bmakiさん
      涙されましたか。。。
      私は未読ですが、垣谷先生の物語って、時に救われたりしますよね。。。

      それぞれの人生、そう簡単に答えが出るもので...
      涙されましたか。。。
      私は未読ですが、垣谷先生の物語って、時に救われたりしますよね。。。

      それぞれの人生、そう簡単に答えが出るものではないですものね。。。
      物語のように、ハッピーエンドならどれほど良いか。。。
      2024/03/10
    • しなこさん
      bmakiさん

      コメントありがとうございます!
      歳のせいか悩み事のせいか、涙腺が弱くなる一方で(汗
      物語ですから、これはこれでいいのですが...
      bmakiさん

      コメントありがとうございます!
      歳のせいか悩み事のせいか、涙腺が弱くなる一方で(汗
      物語ですから、これはこれでいいのですが、実際のところ、こうはいかんだろ…と…ま、根がネガティブなんでしょうね(笑
      2024/03/10
  • 日本の社会病理を扱う垣谷さん。ゴミ屋敷をイメージしたが違う。部屋はその人の心の写し鏡。大庭十萬里はテレビでも活躍する片づけ屋。ゴミ屋敷の女性、妻に先立たれた男性、自分の過去を清算できない高齢女性、亡き息子を忘れられない母親。全ての登場人物に大庭十萬里が解決策を見つけ、それとなく促す。いつの間にか自分と向き合い、カタルシスによってモノも片付く。最後の息子の事故死、人生が絶望した母と家族の病理には考えさせられた。事故により子どもを亡くした家族は少なくない。どう自分と向き合うべきか?家族と一緒に向き合うべき。⑤

  • 「部屋を片付けられない人間には、心に問題がある」
    片付け屋 大庭十萬里が、片付かない部屋の原因を探りながら綺麗な部屋に甦らせる物語。

    ケース1 精算
     主人公 アラサー独身OL

    ケース2 木魚堂
     主人公 妻に先立たれ男寡になった職人

    ケース3 豪商の館
     主人公 資産家で一人暮らしの老女

    ケース4 きれいすぎる部屋
     主人公 一部屋しか片付けられない主婦

    どのケースでも、その人の生きてきた証が背景にあるので、とてもリアリティがあった。

    十萬里さんは単に部屋を片付けるのではない。
    彼女のお仕事は片付けることではなく、
    な、なんと片付けの方法を指導することなのだ!
    えっ!そうだったの?
    片付けてくれないの??

    彼女は主人公達が何故その状態になっているのか自ら気付かせ、時には家族を巻き込んで、そこから抜け出せるように導いていく。

    この設定が面白く、また依頼者が本人ではないため、毎回主人公たちは面食らうことになる。
    また十萬里さんのキャラがなかなか良い。言いたい事は殆ど口にせず、主人公に同調しない。ため息と刺さる一言を必殺技にしているようだ。

    「もしも明日が人生最後のゴミの日だとしたら、どうします?」
    この言葉には流石にドキッとした。
    そして十萬里さんは言う。
    「今やゴミ処理場はどこも満杯だから、そういう日が来てもおかしくないと私は思っている」と・・・
    なんですと?
    これは大変だ!!
    呑気に読後レビューしている場合じゃない笑

    でも、確かにお家が片付いている度合いと、心の状態って比例していると思う。
    豪商の館の老女ほどではないが、私も時々、勿体無い症候群が捨てられない原因になっていることがある。
    まずい・・・
    何だか家中パトロールして片付けたい心理状態になってきたぞ。でも深夜だから明日にしよう♪

    それにしてもすごい影響力だ!
    流石は垣谷美雨さん。
    巧妙な構成と登場人物のリアルな心理描写で、主人公が時折、自分の合わせ鏡のように感じられた。心の隙間に響く作品で誰しも何処かしら思い当たる節があると思う。読後はじんわり温かく爽快な気持ちになれる作品だった。

  • 断舎離を通じて人生を変えていく大庭十萬里さんと依頼者のはなし。
    やましたひでこさんが書く断捨離を垣谷美雨さんが書くと、こんなふうに変わる。
    物語を通じて断捨離を学べる。
    十萬里さんが、いたらいいのに。
    人生の課題を整理してくれて、解決方法を導いてくれる。
    使わないものは捨てる
    結局、これにつきる。

  • 片付けられないのには理由がある。
    お部屋の片付け屋さんが片付けられない人たちの心の問題の原因を探り、解決へと導いていく。
    片付け屋さんが悩みを解決していくところが斬新な切り口でおもしろい。
    一見すると何の問題もなさそうな家でも、箱を開けてみると実は大きな心の闇を抱えていたなんてこともあるんだなぁ。
    私は思い出のものが捨てられない。子どもの写真や制作物など。でも、捨てられないでいるとこうなっちゃうのか…そのうち捨てよう…そのうち…ね(笑)
    ともかく、自分にとって本当に大切なものって実はそんなに多くないのかもしれないと思った。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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