君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575519945

感想・レビュー・書評

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  • 「私もキミも、1日の価値は一緒だよ。」
    この作品で一番印象に残ったのが桜良が春樹に対して言ったこの言葉でした。今の時代であっても余命宣告は行われます。少し前に身内が長くてあと一年の宣告を受け、そして亡くなるという経験をしました。本人もそのことは告げられていたのですが、このことを知って以降、何だか会っても微妙な空気感に苛まれたのを覚えています。この人は間もなく死んでしまうんだ、と。もう駄目だ、と嘆いていたこともありました。とてもいたたまれなかったです。その時は、ただただ可哀想だとしか思えなかったのですが、この桜良の言葉にある通り、生きている限りその一日一日の価値というのは、本当は余命宣告を受けた人も自分も全く変わらないんだという客観的事実。これは衝撃的でした。今までそんな風に考えたことが全くなかったからです。この本を読んで以降、自分の中で日々生きることへの考え方が少し変わりました。日々、瞬間瞬間のあのこと、このことについて一つづつ悔いなきように捉え生きていきたい、日々そう意識するようになりました。私生活においても、仕事においても。

    私にとって、とても大きな気づきを与えてくれた一冊でした。

  • わたしのお姉ちゃんが大好きで、おすすめしてもらって読んだら面白くてわたしも好きになりました。

  • 超今更だけど、「キミスイ」読んでみました(笑)。
    実写版の映画もアニメ版映画も見ず、漫画も読んだことなくて、余命1年の女子高校生・桜良が最後に死んでしまうというくらいの前知識しかなかったけど、40をとうに過ぎたこんなおじさんでも号泣しましたね。

    こういう余命わずかな若い女の子の話って「世界の中心で、愛を叫ぶ」とか世の中にたくさんあるのだろうけど、今まで完全スルーしていたので、こういう物語を読んで、非常にショックで、ある意味、新鮮でした。
    ヒロインが病気で普通に体が弱って亡くなるものだとばかり思っていたので、この終わり方はかなりショックでしたね。

    また、主人公の男の子のことを名前を書かず、「秘密を知ってるクラスメイト君」とか「仲良し君」という相手目線にたった書き方をする手法っていうの初めて読んだけど、これも新鮮でした。桜良の気持ちの変化の流れをこういう書き方で表現するっていうのすごく面白い。

    それからヒロインと主人公との会話がすごくセンスを感じましたね。
    なんというか漫画的っていうのかな、質の良いギャグ漫画?(←なんだそりゃ)。
    純文学だと「こんな会話、邪道だ」「文学じゃない、ラノベだ」っていう批判もあるんだろうけど、それはそれとしてすごく読んでいて楽しかった。
    ホント、このヒロインの桜良、いい娘だし、大好きですね。
    自分の中では文学に出てくる女性キャラクターでは1、2位を争う大好きなキャラクター(あくまでも映画とかアニメとかのキャラクターじゃなくて、あくまでも活字上のイメージでね)になりました。

    悲劇的な物語の終わり方なんだけど、ラストシーンでの桜良の「遺書」を読んで、非常に前向きになれるっていうか、青空に咲き誇る桜の花を愛でた時のようなさわやかな読後感を与えてくれる1冊ですね。大ヒットする意味が分かりました。
    作者の他の著書も読んでみたいと思います。

  • む?なんだこのタイトルは?と手に取りました。 夢中になり読み進めるうちに本のタイトルの意味をしりました。 衝撃の結末に言葉を失い、本をいったん閉じて、泣きました。 映画化され、観たい気持ちもありますが、本で十分満足で、自身に本書の世界があるので映画は見ることはないと思います。
    このお話は、もう一度活字で読みたいと思います。

    • ゆんちゃんさん
      コメントありがとうございました。
      私も映画は拝見しておりません。
      活字から連想される言葉の想いと重み…
      私も再読したい気持ちにさせて頂きまし...
      コメントありがとうございました。
      私も映画は拝見しておりません。
      活字から連想される言葉の想いと重み…
      私も再読したい気持ちにさせて頂きました。
      2022/05/03
  • 映画にもアニメにもなって…そんなにいい話なのぉ?と変に勘繰って読むことを敬遠してた。バカでした。

    久しぶりに読みながら涙してしまった。
    名前のない僕と桜良の距離感だからこそ、お互いのことを深く考えられる。「好き」なんて言葉が軽く感じてしまうほど必要としあった二人。生きるって事は…

    読みながら涙しながら本当色々考えた。
    読んで良かった。

    • 和風よちゆきさん
      私は小説を先に読み、崩れるくらい泣きました。
      なぜが映画は見る気がしないのですが、私の中で忘れられない作品です。
      私は小説を先に読み、崩れるくらい泣きました。
      なぜが映画は見る気がしないのですが、私の中で忘れられない作品です。
      2022/04/21
  • 私がこの作品のタイトルを聞いた時、「え、膵臓」「ちょっと怖い」という印象だった。しかし、この本を読み終えた時、「なんて素敵な言葉なんだろう」と印象が180度変わった。人間関係、出会い、生き方について考えさせられ、最後には胸がいっぱいになる作品だ。
    最初に桜良が僕に「君の膵臓をたべたい」と言ったのは、昔の人は自分の体のどこかが悪くなると他の動物のその部分を食べれば治ると信じられていたという話から。それが最後には、僕から桜良へのメールで「僕は、本当君になりたかった。」という比喩で「君の膵臓を食べたい」という言葉が使われている。この最後にメールを送るシーンは何度も読み返したくなる。性格も、クラスでに立ち位置も、正反対の2人だけにわかるこの言葉の真意は本を読んだ人にしかわからない。
    メディアでは、ラブストーリーと紹介されていたが、私はそんなに単純に恋愛の話だとは思えなかった。僕と桜良はクラスメイト、友達、親友、恋人。どの言葉にも当てはまって当てはまらないような関係だ。2人の関係にそんな名称はいらないと思った。単純なラブストーリーとも、少女が病気と立ち向かい生きる命の物語とも違う。私はこの作品を、人間関係に悩む人、
    選択に悩んでいる人に読んでほしい。

  • 泣ける話だろうなって予感はあったけど、ちょっとだけ予想外の展開で面白かった。なんだろうな、この友達なのか、恋人なのか、微妙な感じ。イマドキのテイストも散りばめられてて良かった。

  • 「君の膵臓をたべたい」これは私が小説好きになったきっかけの一冊。ある日主人公は病院で一冊の文庫本を拾う。それはクラスメイトの山内桜良が綴った「共病文庫」だった。この本の設定はよくあるけれどとても良いセリフがたくさんある。映画も有名だけど私は断然小説は映画にはない面白さがあり、文字としてセリフを読むととでより感情移入ができる。1日があることは当たり前ではない。今日はもう戻ってこない。だから大切にしなければならない。

  • 映画から原作に。

    桜良の「生きる、とは」に心を動かされた。

  • 住野さん初本
    読むのが遅い自分が1日もかからずに読み終わった。
    それほど面白くて泣ける本です(久しぶりに本を読んで泣いた)

    病院で見つけた1冊の手書きの日記、それはクラスメイトの咲良が書いた日記だった。内容は余命が短いと
    そこから咲良と主人公の男の子は急速に仲良くなっていく。
    主人公と咲良のたった4ヶ月の物語。
    咲良の死に方はあれでいいの?そこだけは微妙な感じでした。

    凄く気弱な主人公にクラスでも人気の女の子がくっついていく。2ちゃんねるの住人が凄く喜びそうな話だと思った。
    ボキャブラリーの多さと感情移入がしやすい文面はすごい
    本を読み初めてまだ日が浅いので住野さんがどんな人物か(男なのか、女なのか、何歳くらいなのか)すごく興味がわきました。
    次の本も読んでみよう

    ミッフィーの口、そうだったのか!一つお利口になりました(^^)

著者プロフィール

高校時代より執筆活動を開始。デビュー作『君の膵臓をたべたい』がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第二位にランクイン。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』『この気持ちもいつか忘れる』『腹を割ったら血が出るだけさ』がある。カニカマが好き。

「2023年 『麦本三歩の好きなもの 第二集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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