ケモノの城 (双葉文庫)

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著者 : 誉田哲也
  • 双葉社 (2017年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575519952

ケモノの城 (双葉文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 誉田哲也『ケモノの城』双葉文庫。

    文庫化されたので再読。

    これまでの誉田哲也の作品とは全く風合いの異なる恐ろしい内容の小説。2002年に発覚した日本犯罪史上稀に見る凶悪事件である北九州・連続監禁殺人事件に触発されて描いた小説らしい。

    再読してもなお、とてつもない恐ろさと不安を感じる物語だった。少しづつ明らかになる凄惨な事件の全容、期せずして事件に巻き込まれてしまう辰吾…

    具合が悪くなるようなグロく、恐ろしい描写が続き、これが本当に誉田哲也の作品なのかと疑いたくなる作品だった。ここまで徹底的にサイコパスを描いたフィクションというのは、なかなか思い浮かばない。冨樫倫太郎の『SRO』で描かれる近藤房子も、新堂冬樹の一連の吐き気をもよおすような作品も全てぶっ飛ぶほどの恐ろしい作品であった。

    そして、不安な余韻を残すラスト…

  • 好きな作家の新刊が本屋に並んでいたら、なんの躊躇もなく手に取ってレジへ。
    これも、特にあらすじとかも見ずに読み始めたら微妙な既視感が。
    最初は「ん? また間違えて既読本を買っちゃったか?」と思った。半年くらい前にも誉田哲也さんの文庫で出版社が変わって発売されたのを買ってしまったから。
    でも、今回は違うなぁと考えていたら思い出したのが、数年前に実際にあったそっくりな状況の事件のルポルタージュを読んだ事があったからだった。
    豊田正義さんの『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件』。
    巻末の参考文献にも一番最初に記載されているから、この事件がベースになっているのだろう。
    残酷で残虐な描写が続く、けっこうヘビーな内容の作品だけれど、残念ながら先に「お話」ではなく「現実」の方を読んでしまっていたから、読んでいる時の臨場感が「現実」の作品の方が勝っていて残念だった。
    まあ、創作だとはいえあれ以上の表現をしたら嘘臭くなっちゃうんだろうけれど。
    読む順番が逆だったら二度楽しめたのかも(実際の事件の被害者の方が居らっしゃるのだから「楽しむ」という言葉に語弊があるかもしれないが、あくまでも読書をするという意味で)。
    ルポと違うのは、警察目線がふんだんにあること。
    しかもいろんな立場の刑事の目線が積み重なって緊迫感がずっと続く。
    良い意味で、読んでいて疲れる作品。
    こういう創作の本もあるんだなと新しい発見でもあった。

    解説はいまいちだったなぁ。
    あらすじ羅列の合間にいろいろと書いてあるけれど、なんか小論文読んでるみたい。
    さすが評論家の解説と思った。
    途中に「小説だからこそできた表現」とあるが、どこのことだろう?
    しかも最後に「奇跡」とか「傑作」とか書き連ねてよく分からない持ち上げ方をして、せっかくの作品が安っぽい評価になっちゃったなぁ。

  • 何が怖いって、この話の大筋は「実話」だってところです。
    つい最近この事件のことをテレビでもやっていたし、参考文献にもある「消された一家」を読んだこともあるので、虐待の方法や死体の処理の仕方など、「嘘みたいだけど、ほんとにあったんだよね……」と不快な気分になりながら読みました。
    実際にこんなことができる(させられる)人間が、少数ではあるだろうけど確実にいる。その事実がすごく怖い。
    読まなければよかった、と思う気持ちと、いや、でもこういう人間もいるんだってことを知るためには読んどいた方がよかったのかもと思う気持ちとが、私の中でかなり戦っていました。
    おもしろかったけど、読み返したくはないかな……。
    しかし誉田さんは「武士道」シリーズからこんな本まで、本当に振り幅がすごい。

  • あのおぞましい北九州監禁・殺人事件がモデル。途中まではまるでホラーのごとき展開。実際にあったとされる残虐行為のグロい描写は、耐性のない人には辛いかも。長期にわたる虐待によって、いつの間にかそれを受け入れるようになってしまうという人間心理が、一番怖いと感じた。

  • 闇金ウシジマくんの洗脳くんのミステリー版みたいな感じ。洗脳された女(被害女性)の証言を元に、捜査を進め、洗脳した男(加害男性)を探し出す話。女の証言に、刑事も私も振り回された。関係のない2つの話が途中で結びつき、徐々に伏線が回収された。最後の方は何回も騙され、ミステリーとしてとても面白かった。

    誉田哲也さんの本は描写がグロテスクというか、こわくて苦手。やっぱり、この本も他に違わずグロテスク。暴力シーンは本当に怖くて少し読み飛ばした。多分、情景描写が細かくて丁寧でわかりやすいから、容易に想像できてしまうのでグロテスクと感じるのだろう。

  • 確かに、人間は慣れる。楽しいことにも、苦しいことにも、優しさにも、憎しみにも。人を傷つけることにすら、人間は慣れていくのだ。

  • 2002年に起きた「北九州監禁殺人事件」という実話をベースに作られた作品。当の事件は内容があまりに凄惨で、途中から報道規制が入ったため、意外に事件の詳細は一般には知られてなかったらしい。僕も事件の概要ぐらいしか記憶になかったが、本書はその詳細を描いていて、非常にグロテスク。結末に一抹の救いはあるものの、こういうサイコパス的な犯罪者というのは実在するし、そういう人間にいいように操られてしまう人間も実際に存在するという事を考えると、人間ってほんと怖いなって思いますね。ってこの本読み終えた直後に座間市の遺体バラバラ事件が発覚してちょっと既視感食らったのが印象的です。座間市の事件はこれとは少し違いますが、おそらくミステリーかノンフィクションのジャンルでいずれ題材として扱われるのでしょうね・・・

  • 人間としての愛情や理性をもって生まれてこなかった、サイコパス。自分の近くにも生息している可能性があるのかと思うと怖くなった。残虐する場面などは想像すると震えたが、それ以上に伝わるものが多い、考えさせられる作品だった。

  • 実際にあった事件をベースにしたミステリー。
    とにかくグロい表現が随所に散りばめられてて、そんな小説に慣れてても読むのが少し辛くなった。でも読むことを止めることができない。奇妙な読書体験だった。
    人を支配することに長けた、こんな人間はたしかに存在するのだろう。周りで巻き込まれる人もいるかもしれない。そう思わせる迫力があった。
    この事件のノンフィクションも読んでみたくなる。

  • どんな酷い殺人だって、理由があれば安心できるということに気付かされた。理由なき残虐性は、後引く怖さ。

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