天命の剣ー八州廻り浪人奉行(1) (双葉文庫) (双葉文庫 い 40-8 八州廻り浪人奉行)
- 双葉社 (2010年5月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575664447
感想・レビュー・書評
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春斎が、愛刀・五郎入道正宗で悪党を成敗する姿が爽快です。
浪人であった小室春斎(しゅんさい)は、八州廻りを拝命した。春斎は、小野派一刀流の流れをくむ中西派一刀流三代宗家・中西子啓(たねひろ)の妾腹であった。この物語は、春斎が八州廻りとして悪を裁く痛快時代劇です。
義父・中西子啓の病床に呼ばれた春斎は、中西から
「最後に……わしの頼みを聞いてくれぬか」
「なんなりと」
「人のために生きよ。おまえの生きる道がそれだ……」
「人のために……」
「そうだ、人のために強く生きよ……頼みを聞いてくれるか」
春斎は唇を万一文字に引き結んで強くうなずいた。
享和元年(1801)春のことであった。
関東取締出役が二人殺され欠員が出た取締役掛の榊原小兵衛は、腕っぷしが強く、剣の遣いて春斎を、関東取締出役に推挙する。春斎は、父の遺言を思い人のために尽くす仕事として引き受ける。
関東取締出役とは、通常「八州廻り」と呼ばれる。
文化二年(1805)六月に公事方勘定奉行・石川左近将監忠房が提案し、下役に留役・木村孫之助、そして、その下に四人の関東代官がおり、その代表として取締役掛・榊原小兵衛が任じられた。
そして代官の下に関東取締出役(代官所の手代)が置かれた。春斎は、代官所の手代でなかったが剣の腕を見込まれて関東取締出役に抜擢される。春斎の上役は、榊原小兵衛。その上は、木村孫之助です。
早々に春斎は、元同僚の八州廻り二人殺された調べを始めると凶悪な盗賊「仏の喜十郎」が炙り出されてくる。その盗み方は、十数人で押込み、女は犯したのちに殺し、証拠を残さないために去るときにはすべての者を殺して、金蔵の金を全て奪っていく。
あまりにも悪辣で巧妙なために、いまだ捕縛されていない。そんななかで、春斎は、遊女たちに金を使って手掛かりを求めていくと、体に烏の刺青をしているのが分かり。それを手掛かりに上州高崎まで探索をひろげていき。とうとう仏の喜十郎の住まいを見つけて。帰りを待ち斬り殺す。
【読後】
稲葉稔さんの新シリーズを読み始めました。1作目のために小室春斎の生い立ち、八州廻りになった経緯から始まっています。春斎が、父の遺言を思い、人のためになる仕事を選び。八州廻りを天職と考えて、義父から譲り受けた愛刀・五郎入道正宗で悪党を成敗していく姿が爽快です。展開が早く、春斎の強さがひかり、先を読むのが楽しみです。
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天命の剣 ー 八州廻り浪人奉行シリーズの1作目
2010.05発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
2022.07.22~23読了。★★★☆☆
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L 八洲廻り浪人奉行1
善と悪がはっきりしている昔ながらの時代劇。
悪人はばったばったと人殺し。善人も悪を滅多殺し。首やら諸々飛びすぎ。もっと刀を大事にね。 -
第一弾
中西派一刀流宗家の妾腹・小室春斎が八州回りとして活躍、
最初の敵が少し残虐非道すぎるか、
まあ、どのようにシリーズ化していくのか、乞うご期待