御前試合ー大富豪同心(4) (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575664775

感想・レビュー・書評

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  • 大富豪同心シリーズ第四弾。吉原でお大名の御三男梅本源之丞と落ち合う途中目撃した紅蓮の炎・剣術道場の火事に、放蕩息子姿から同心に着替えた卯之吉は源之丞と火事場見物に飛び出していくが集まる野次馬に阻まれる、源之丞の大喝で火消しを案内できたのだが道場は燃え尽きてしまう。どうやら押し込み強盗に入られ、家宝の名刀「豊後行平」を奪われ火を付けられたらしい。凄腕同心と知った道場主に、刀を取り戻して欲しいと頼まれ困惑する卯之吉…。鬼娘と恐れられる道場主の娘・美鈴は卯之吉の剣術の力量を見破るのだが…。紅一点登場!

    読書メーター読友うさこさんの感想に上乗せして、
    続妄想配役、お大名の御三男梅本源之丞=佐藤健・・・荒海ノ三右衛門の親分=泉谷しげる(シンガーソングライター)もしくは、竹中直人(『酔いどれ小籐次留書』NHKドラマで赤目小籐次役)

  • 5月19日~20日

    吉原で放蕩三昧しようとしていたとき、剣術道場の火事に出くわした見習い同心の八巻卯之吉。どうやら、押し込み強盗に家宝の名刀「豊後行平」を奪われ、火を付けられたらしい。凄腕同心と知った道場主に、刀を取り戻してほしいと頼まれ困惑する卯之吉だったが…。大好評シリーズ第四弾。

  • 笑った笑った面白かった

  • 吉原の近く、下谷通新町の町道場が火事になった。「三国屋の若旦那」として馴染みの茶屋に登楼しようとしていた卯之吉は、遊び仲間の梅本源之丞と一緒に火事場見物に駆けつける。現場に着いたら、お供の銀八が用意している三ッ紋付きの黒羽織の裾を巻き上げ、大小の刀を腰に差した同心スタイルになる。そして、野次馬の整理にあたるが、声が小さい卯之吉では埒があかない。しびれを切らした源之丞の鶴の一声が効果を発揮するのだが、火消しも野次馬も卯之吉がやったことと勘違いしてしまう。

    南町奉行所の見習い同心八巻卯之吉は、江戸一番の札差三国屋徳右衛門最愛の孫である。「三座のお役者にも、あれぼど綺麗なお方はいない」と言われるほどの美男子で、祖父からもらうお小遣いで相も変わらぬ遊蕩三昧を続けている。もちろん、「同心八巻卯之吉」としてではなく、「三国屋の若旦那」としてである。同心になるまで刀はおろか武道とは無縁の生活をしてきた卯之吉だが、世間の評判は「南北町奉行所きっての剣客同心で、不逞浪人たちを次々と切り倒してきた」ことになっている。卯之吉の回りの人が行ったことが、なぜだか卯之吉がやったことになり、凄腕同心の評判だけが一人歩きしている。

    翌朝、先輩同心の尾上伸平から「火事場に立ち会ったら、調べ書きをあげてもらわなくちゃならねえ」と言われ、道場に出かけていく。道場主の溝口左門には生気がない。

    押し掛けで岡っ引きの真似事をする荒海ノ三右衛門と源之丞の助けにより、溝口は家宝の豊後行平という銘刀を盗まれてしまったことがわかる。間近に迫っている御前試合には豊後行平を持参しなければならない。卯之吉は溝口から行平を取り戻すように頼まれてしまう。御前試合に間に合うように卯之吉が講じた策は、いかにも卯之吉らしいものだった。そして、源之丞と三右衛門の働きにより盗まれた行平の隠し場所も判明し、いつものごとくの勘違いやら思いこみやら、絶妙のタイミングが続く中で、事件は一件落着を向かえることになる。

    『八巻卯之吉放蕩記(第1巻)』と『一万両の長屋(第3巻)』にちょこっとだけ登場した越後山村藩の三男、遊蕩大好きな梅本源之丞が大活躍する。源之丞と荒海ノ三右衛門との絡みは面白味に溢れていて、話の流れをより魅力的にしている。そして、溝口の一人娘でありながら、溝口道場一の剣の使い手である美鈴の胸がすくような活躍。シリーズ最初の2巻は、荒唐無稽さにどことなく違和感を感じながら読んだが、この『御前試合』では荒唐無稽さに引き込まれてしまった。荒唐無稽さこそがこのシリーズの醍醐味なのだ。そして、卯之吉がぼんくらな若旦那だったのではなく、かなり頭がいい人で推理力があるんだと思う場面がいくつかあった。続編の発行がが楽しみになった巻である。

  • やっとヒロイン(?)美鈴が登場する4巻。
    美鈴の家の一大事だけでなく、大名家の問題まで解決して方々にファンを増やす卯之吉。
    今回は、源之丞がイイ感じだった。
    放蕩好きで大名のボンボンならではの図々しさがあるけど、潔いし男気があって頭も悪くない。
    三右衛門とコンビで動いてた時のやり取りも面白かった。
    美鈴は銀八に冷やかされた時の反応が普段とえらく違って急に女の子女の子する所が笑える。
    自分より強い男じゃないとと常々言っていて、あんなにアッサリ卯之吉の本当の姿を見抜いたのに、心の広さに惚れるとは。
    いつか卯之吉が振り向いてくれるといいねぇ…。

    最後の、手に大きな鯉を吊るして涙に咽び、女はいかん!とわめく弥五郎の過去が本当に気になる。

  • このシリーズの中で一番気に入っている1冊。

    初めて美鈴さまが登場するのも、この巻から。『道を曲がるときも、その性格を表すように直角に曲がりながら・・』という下りが、美鈴さまの性格をよく表している場面だと思います。

    剣の道に優れ、曲がったことが大っきらい、己の伴侶は自分より強いもの・・と決めていたが、いかんせ、美鈴より強い男児はなかなか現れず、そんな彼女の前に、ひょんなことから現れた卯之吉。

    箸より重いものを持ったことのない卯之吉に、まさかの美鈴さまの初恋。美鈴さまの『キュンキュン』姿はほんと楽しい。

  • 退院後の自宅療養中に読了。
    入院中の読書用にと、本好きの叔母から全巻揃いで供与。

    シリーズ4作目。
    吉原で放蕩三昧しょうとしていたとき、剣術道場の火事に出くわした見習い同心の八巻卯之吉。どうやら、押し込み強盗に入られ、家宝の名刀「豊後行平」を奪われ、火を付けられたらしい。凄腕同心と知った道場主に、刀を取り戻して欲しいと頼まれ困惑する卯之吉だったが……。
    (↑手抜き)

  • 4作目にてドラマでは早めに登場していた美鈴さんが登場。この話はテレビドラマでは第2作だった。今回は源之丞が活躍

  • 今巻もつっこみどころ満載で。火事場に行って「あったかいね~」って和んでる場合ですか!見立てを言えって言われて、何で医工としての見立てを言うの!「凄腕の剣客同心」という卯之さんの噂、このままどこまで続くんだろう。今巻でもまたまたその噂に箔がついてしまって。当の本人にとっては、まったくもってどうでもいいことなんですけどね(^_^;)このおとぼけ男の卯之さんに美鈴さんの想いはかなり空振りそうだけど…気になる。

  • おっ、いい感じの女性が出てきましたね。

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著者プロフィール

一九六八年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員を経た後、CM製作会社勤務。イラストレーターとして広告に挿絵などを描いていたが、一九九五年、フリーライターに転じ、実録物など、数多くの媒体で活躍。二〇〇八年「天下御免の信十郎」シリーズで、時代小説作家として文壇デビュー。人気を博す。

「2021年 『騎虎の将 太田道灌下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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