本能寺六夜物語 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575666304

作品紹介・あらすじ

天下統一を目前にしながら、京都・本能寺で明智光秀の謀反に斃れた織田信長。それから30年有余。とある山寺に「本能寺の変」に関わった武士や僧侶、尼ら6人が集まり、政変の裏で起きていたこと語り合う。彼らはいったい何を見、何を聞き、何を思ったのか。いまなお謎に包まれる「本能寺の変」の真相を解き明かす怪作。「おすすめ文庫王国」第1位に輝いた衝撃作『太閤暗殺』を凌駕する驚きを、あなたに。

感想・レビュー・書評

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  • 本能寺の変から三十年余り。とある山寺に六人の男女が集まり、彼らが見た本能寺の変を語り合う。

    その当時同朋(茶坊主)として信長に仕えていた男は、本能寺の変後、ある酷い形で信長は生きていたのではないかとの疑いを抱えていた。
    その当時穴山信君(梅雪)の家臣だった男は、本能寺の変後に共に逃げることになった徳川家康のしたたかな面を知った。
    その当時酒屋の手代だった男は、信長の死を知るや逃げ出す家臣が続出する中で最後まで信長に殉じ闘う者がいたことを知った。
    その当時京都所司代・村井貞勝の配下だった男は、信長にある幻影を重ねて見つめる狂気の男の所業を見た。
    本能寺の変直前まで信長の側室に仕える局付きの女中だった女は、森蘭丸に恋い焦がれるあまりその思いがエスカレートしていく。

    …と本能寺の変を多面的な視点で描いていく。試みは面白いが、この時点では本能寺の変に関する真新しい考察は出てこない。女の話は別の意味で怖かったが。
    ところが最後の第六夜の話でついに明智光秀側からの話が語られ、伝聞されてきた本能寺の変とは違う物語が見えてくる。

    この新たな見方は信憑性のあるなし、現実的かどうかは置いておいて、今年終了した大河ドラマのイメージの光秀像があった。
    なぜ本能寺の変から三十年余りも経って当時を知る人あるいは関わりのある人を探しだし集めてまで語らせたのかという点についても、ある伝承を元にしたオチがあった。

    個人的には謎があるからロマンがあり、様々な妄想の余地があるおかげで数えきれないほど小説化映像化されてきたのだから、このまま真実が分からないままの方が良いなと思うのだけど。でも一方で、やはり歴史の謎に迫る作品があると読んでしまうのだが。

  • 終始ワクワクの一冊。

    麒麟がくるロスに陥っていたせいか、興味深く面白く読めた。

    あの本能寺の変に関わった六人がその裏で起きていたことを六夜に渡って語り合う物語。

    語られていく思いもよらぬ、あの日あの前後に起きた数々のエピソード…もしかして?これが真実だったら?と、終始ワクワクさせられっぱなしの至福の時間を味わえた。

    誰にも認められなく死んでいく人…歴史の裏側にはそういう人が幾人もいたのかと思うと感慨深いな。

    タイムトラベルで本能寺の変やその他諸々を確認したくなる。

    それにしてもあの五夜の尼さんには絶句。ゲロゲロ。

  • 本能寺の変から30余年。 
    ある山寺に6人の老人たちが集められた。 
    様々な形で「本能寺の変」に関わっていた彼らの口から語られたものとは・・・。 
    森蘭丸に恋慕する女のストーカーぽさが非常に恐い、「近くで見ていた女」が好きだな。今までとはひと味違う「本能寺の変」が堪能できます。 

  • 2020.4.14読了

  • 現在までも数多くの人に書かれた「本能寺の変」の謎。
    なかなか変わった視点から描き、6人の人間の関わり方から語られる明智光秀の謀反の真相。面白い。

  • おもしろかった。
    でも結局、信長はどうなったかは気になる。

  • あの「本能寺の変」に関わった6人が語る、
    バラバラな本能寺の変。
    6人合わさると、あんな真相が。
    時代物、ってよりパズルを読むように。

  • 「本能寺の変」にまつわる謎と薮の中の真相。この第6話は今までにない斬新な展開だった。こんな展開もあるのかと正直驚いた。第1話と第5話にも驚くが、最後の話が一番面白かった。

  • 歴史の謎・本能寺の変の新事実を大胆にも。。。
    今までそんなことは考えたこともなかったのですごく楽しかった。
    とはいえフィクションです。

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