大衆食堂の人々 (双葉文庫 く 6-4)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575710786

感想・レビュー・書評

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  • 呉智英らしい良質なエッセイ集。
    最近DQNネームがマイブームな自分としては、「易しさからの逃走」の話がちょっと気になった。


    250円。

  • 何度目かの通読。
    何回読んでも面白い。大衆への冷ややかでありながらも暖かさのある目線。これは知識人として諦念を持ちながらの観察記なのか。
    漢字を使った易しさへの強制とそれへの屈折した反乱。それは知に対する大衆の反感と憧憬か。
    最後のシラカバ派は知識人と大衆の関係論。
    今読むと70、80年代は今よりずっとわかりやすい時代だった。
    現代はそもそも知識人が尊ばれず、金銭による価値基準がすべて。
    知をこれほどまでに尊重しない時代があったのか?

  • 大衆インテリ賢者の本。
    絶対的に町の御隠居の立場に立たないのは本人の意思なのか無自覚なのか。
    それでいて大衆的なのが許せるのは人徳なのであろう

  • やはりこの著者おもしろすぎる。
    メガネっ子萌えなところとか、、、

    特になにより視点がいい。斜にかまえているというか、普段気にしないような点や気づかないような点から物事を見ていて、それがとにかくおもしろい。

    でも理知的だし理論的だしただ感情的に他者を批判している訳ではないところがすごいところ。

    2011/09/07 読了

  • 知識人と大衆という、古典的な主題についてのエッセイ。1980年前後の時代風潮の記録として意味があるでしょう。

  • 大衆社会への深い絶望を、ユーモアで包み込んだエッセイを収めています。

    巻末に収められた「シラカバ派の知識人たち」は、犯罪者同盟の設立者である平岡正明が、不器用なほど真面目で一途で善良であることを的確に言い表わした「シラカバ派」という言葉を軸にした、大衆論・知識人論になっています。無頼を掲げる知識人が、いくら大衆のたくましさを称揚しようと、そうした知識人たちの理解が大衆を理想化している以上、現実の大衆によって裏切られることになるはずであり、そこに「新しい村」の挫折に代表されるような白樺派の理想主義に通じるものが見られています。

    また、進歩的知識人の代表だった丸山真男が、全共闘の学生たちに取り囲まれてファシズムだと叫んだエピソードに触れて、彼はむしろ大衆の現実の姿を理解していたからそうした行動を取ったのだという、皮肉な見解が示されています。

    ペシミズムの方向に振り切ったところにある白々とした明るさのような光景が示されているような気がします。

  • 息抜きに書いたんでしょうかね。
    こちらも、肩の力を抜いて読めます。

  • ブックオフでピックアップ。
    さまざまな雑誌に掲載された
    呉氏のエッセイごった煮集。

    相変わらず有益かつ難解だけど、
    これは時事批評とか堅苦しいものじゃなくて
    呉さんの書きっぱなし雑文集って感じです。

    大衆をこき下ろし、差別主義者を自認し、
    エセ知識人たちを切り捨て智の頂を目指す呉氏。

    野球が嫌いって点を除けば
    かなり共感できるんだがなあ。笑

  •  おもしろーい、辛口エッセイ集。

  • 著者のほかの本と比べると軽いエッセイ集という感じだが、面白い。

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著者プロフィール

評論家。1946年生まれ。愛知県出身。早稲田大学法学部卒業。評論の対象は、社会、文化、言葉、マンガなど。日本マンガ学会発足時から十四年間理事を務めた(そのうち会長を四期)。東京理科大学、愛知県立大学などで非常勤講師を務めた。著作に『封建主義 その論理と情熱』『読書家の新技術』『大衆食堂の人々』『現代マンガの全体像』『マンガ狂につける薬』『危険な思想家』『犬儒派だもの』『現代人の論語』『吉本隆明という共同幻想』『つぎはぎ仏教入門』『真実の名古屋論』『日本衆愚社会』ほか他数。

「2021年 『死と向き合う言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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