犬儒派だもの (双葉文庫 く 6-11)

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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575713107

感想・レビュー・書評

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  • 色んな所に書いたエッセイをまとめたもの。散漫というよりはバラエティに富んでいると捉えたい。
    毎日新聞に連載していたというコラムは、本当にこれが毎日に載ったのかと思える程ラディカルな内容。まぁ氏にしてはちょっと遠慮してる(手直しさせられた?)感は否めないけど。


    350円。

  • 著者は評論家。本書は雑誌に掲載されていた歯に衣着せぬ論評をまとめたもの。第三章 自我と毒薬に書かれてある自殺論は考えされられる。完全自殺マニュアルがベストセラーとなった当時、自殺をポジティブな行為として捉えていた一派を「辟易する。肥大した自我のポジティブぶりにである。」と一蹴。
    その後に続く円谷幸吉の遺書や、遺書を書くために文字を学んだ昭和30年に自死した農婦の遺書を読むと、自殺を軽々しく捉えがちな世の中に異を唱える著者の考えに個人的には同意する。

  • 各論点で皮肉が効いてて面白く読ませていただきました。

    ちなみに、手元の電子辞書(現代新国語辞典)によれば、犬儒(学)派とは「ギリシアの哲学の一派。克己・禁欲による簡素な生活様式をむねとし、文明社会の制度・慣習を無視する生活態度をとった。キニク学派。」だそうです。

    2011/09/15 読了

  • 読んでおいて損はない

  • 円谷幸吉を論じる著者の自殺論が一等著者の思想を代表する文章であると言えよう。犬儒派と「だもの」を引っ付ける、このおっさんは、やはり愛嬌とど根性の好男児である。

  • 作品以上に本人が魅力的なマンガ家・水木しげるのエピソードを紹介した文章や、半端な知識人たちの蒙昧さを舌鋒鋭く批判した論考、さらに、今は禁煙しているという著者のタバコに対する深い思い入れをユーモアを交えながら語ったエッセイなどを収録しています。

    『別冊宝島』などに寄稿された文章が多いのですが、どれも読み応えがあります。とくに、鶴見斉の『完全自殺マニュアル』のブームを受けて、幾人かの遺書についての考察をおこなっている「虚無に向きあう言葉」と題されたエッセイが、心に残りました。

  • やはり呉智英は小谷野敦とよく似てる。小谷野のほうが真面目で呉のほうがふざけている。

  • 現代日本の智の賢者、呉智英のエッセイ集。
    新聞のコラムや週刊誌の雑文などをアラカルト。

    呉先生の本を読んでいると
    思考がものすごい勢いで回転するのがわかります。
    この人は本物。まさに賢者。

    近代の価値観に対して猜疑心のある方は、
    ぜひとも彼の著作を一読して下さい。
    (どれでも内容はあまり変わらないという説アリ)

  • 論旨明快で読みやすい、バラエティに富む知的エッセイ集。常識とされているものを無批判に受け入れることの愚かさ、危うさを、身体を張って主張している闘う知識人の姿勢に共感。批判する相手を徹底的に叩いたり罵ったりしているところは、ちょっとおっかなくて近寄りがたい気もするけれど。

    ものを書く人は人を敵にまわすことを恐れてはいけない、ましてや、人にどう思われるかなど気にしていたらいけない。思ったことを正直に書こうと思った。

  • 「言葉の煎じ薬」がよかったので、未読のこの本を書棚から探し出してまいりました。何かと話題の水木しげる氏との交流、「四十台の青春」「父と飲む」などのエッセイが特に面白かったです。

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著者プロフィール

評論家。1946年生まれ。愛知県出身。早稲田大学法学部卒業。評論の対象は、社会、文化、言葉、マンガなど。日本マンガ学会発足時から十四年間理事を務めた(そのうち会長を四期)。東京理科大学、愛知県立大学などで非常勤講師を務めた。著作に『封建主義 その論理と情熱』『読書家の新技術』『大衆食堂の人々』『現代マンガの全体像』『マンガ狂につける薬』『危険な思想家』『犬儒派だもの』『現代人の論語』『吉本隆明という共同幻想』『つぎはぎ仏教入門』『真実の名古屋論』『日本衆愚社会』ほか他数。

「2021年 『死と向き合う言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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