モリのアサガオ 6: 新人刑務官と或る死刑囚の物語 (アクションコミックス)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575833133

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  • 冤罪の死刑囚が出てくる。冤罪は最悪の事態である。

  • 第51〜60話収録。満は直樹に、娘の存在を知らずに斬ったこと、証言を覆したのは弁護士の村雨久郎の名誉を失墜させたかったからと語る。そんな満に嫌気をさした直樹は、満から離れることに。その直樹の元に、冤罪死刑囚の赤石英一郎の話、そして堀越圭造の処刑日が決まったことが舞い込む──。
    冤罪により人間不信になる一方、そこから立ち直るのもやはり他者との触れ合い。甘い考えかもしれませんが、こういうオチは好きです。また、「なにわ谷事件」の終わり方がなんとも言えない。でも彼は処刑されなければいけない人物だと思う。それにしても、元カノの麻美は登場しないのか?以前から直樹に迫っていた庶務課勤務の望月加奈が、本格的に動いてきてうっとおしい。でも望月を降る理由が満の方がどうのこうのと考える直樹が1番おかしい。そこは麻美を思い出したれよ(ー ー;)他の方もおっしゃっていますが、巻末の山田ユギさんの登場、本作のBL同人誌の話題には驚きました。まあ、直樹の満に対する憧れは、BLにしやすいだろうけれど。それを公式が認めてしまうとは。

  •  本巻では、冤罪死刑囚が生まれる構造的な説明がなされます。
     社会的に阻害された者や社会的弱者が、ある日突然逮捕され冤罪をかけられて死刑囚となる。警察・検察の捜査の杜撰さ(特に取調べの酷さ)については、最近ではPC乗っ取り殺人予告冤罪事件が記憶に新しいところでしょう。一度こうだと事件の「ストーリー」を決め打ちすれば、2秒間に300字を書き込んだというおよそあり得ない状況ですら疑問を抱かない捜査機関の実態を見ると、取調べの可視化は死刑を存置する立場からしても最低条件として導入すべきものだと思います。

     後半では横柄な死刑囚・深堀と主人公・及川、そして及川の出生の秘密の全てに決着がつきます。
     最後の最後に深堀が反省して死刑に処されたのは、何ら反省をせずに処刑されるより良かったように思います。が、深堀の元妻が言うように、死刑を意識したからこそ反省できたという逆説について考えると、死刑制度の肯否について更に悩んでしまいます。

     本巻の冒頭で渡瀬満が自分の犯罪について及川に告白しますが、まだ渡瀬は真相を語っていません。全ての謎が明らかになるのは、次の最終巻に持ち越しです。

  • 図書館の本

    自分に折り合いをつけた及川。
    冤罪で35年ぶりに釈放される元死刑囚。
    彼を支えたものが人として生きるときの支えとなりえるのだとあらためて人のつながりを思う。
    逃げずに最後を見届ける。その後の女性の立ち位置もまたしかり。
    渡瀬とのつながりもみえてきた巻でした。

  • ユギてんていがあとがきに…。

  • つながったと思ったとたん切れてしまった渡瀬との絆。渡瀬の残酷な一面。勝手に憧れていただけの直樹が幻滅するのはとっても勝手なことだとは思う。

  • 死刑は存置か廃止か?

    世界の趨勢は廃止に傾いている。
    それはキリスト教的価値観に基づいた廃止論であることが多い。

    ではキリスト教を信仰しない日本人は日本という国は?

    いまだ死刑の存置か廃止かは日本では結論が出ない。

    ただ厳罰化を求める感情からの存置論へと傾いてきているというのが

    私の印象である。

    さて、本書の主人公は死刑囚房に配属され、何人もの死刑囚と交流し、

    その中で主人公(あるいは作者)なりの死刑廃止か存置かの結論に

    たどり着いている。

    たどり着いた答えは今現在「とりあえず」の結論である。

    現在の日本の刑事制度のなかで導き出されるとりあえずのものである。

    批判は可能だ。

    しかし、今とりあえずの落としどころはここなのだろう。

  • 内容に反して決してシリアスではない絵柄と
    緻密すぎる書きこみが怖さを誘う。。。。全巻あり。

  • 最終巻だと思って読んでたら、違ってびっくり。
    続きが気になる!

  • 全7巻。死刑制度の是非については簡単に答えの出るものではないけど、悩みぬいた末に自分なりの答えを出した主人公の姿は感動的。

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