しあわせにできる (8) (シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房
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本棚登録 : 108
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576051338

感想・レビュー・書評

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  • 昴からホテルに呼び出された本田は一服盛られて意識を失い危うく強姦されそうになっている所を映と森田に助けられ映の自宅で介抱される。翌日、昴と皇の因縁を教えられて自宅へ戻ると出張から久遠寺が帰ってきていた。それまでの緊張から久遠寺にあり得ないほどすがる本田は心の底から久遠寺を欲しいと告げる。

    ああ、やっと心を通い合わせることが出来ました。昴の横やりといろいろな策略が図らずも本田の気持ちを素直させました。
    二人の心を通わせた後でのHがいいです。素直になった本田は身も心も蕩けてます。

    書き下ろしは映や久遠寺の実父・徳永信義視線で本田の母・静香と父・楠との関わり、白金の家のこと、映が徳永へ養子に入るまでのことが書かれています。だいぶ謎が解明した感じですね。

  • 【あらすじ:君を皇から奪おうと思っている・・・久遠寺の兄・昴にそう宣言され、キス写真を撮られた本田は、誘われるまま昴の待つホテルに一人で向かう。罠と知りながら、言葉巧みな昴にからめとられ薬を盛られたうえ、ベッドルームで服を脱がされ絶体絶命のピンチに陥るが・・・。兄弟の確執を知った本田は、認められずにいた久遠寺への想いと素直に向き合い、ついに二人はお互いの気持ちを通じ合わせることができた。しかし昴の策略は終わらず、始まったばかりの白金での同居生活も風前の灯火。姑息な手口に、ついには怒り心頭に発した久遠寺が公衆の面前で昴を殴りつけるという事態に!? 番外編は本田の出生の秘密『しあわせの色彩』】

     「・・・欲しい。お前が欲しいよ・・・久遠時」
    ああもう、読み続けててよかった。

  • 雪が!雪がもう可哀相!でもそのおかげといっちゃあなんですが、素直になれて、久遠寺とも折り合いがついたところは…まぁよかった。雪が久遠寺の手を握って離さなかったカットが可愛くて(寝ぼけてる雪ちゃん…!!)もうぎゃー!でしたね。なのでこの巻は星5つ!!憂いを帯びたところが可愛らしいです。

  • ●あらすじ●</br></br>
    君を皇から奪おうと思っている・・・久遠寺の兄・昴にそう宣言され、キス写真を撮られた本田は、誘われるまま昴の待つホテルに一人で向かう。罠と知りながら、言葉巧みな昴にからめとられ薬を盛られたうえ、ベッドルームで服を脱がされ絶体絶命のピンチに陥るが・・・。兄弟の確執を知った本田は、認められずにいた久遠寺への想いと素直に向き合い、ついに二人はお互いの気持ちを通じ合わせることができた。しかし昴の策略は終わらず、始まったばかりの白金での同居生活も風前の灯火。姑息な手口に、ついには怒り心頭に発した久遠寺が公衆の面前で昴を殴りつけるという事態に!? 波乱の第一部クライマックス! 書き下ろしは本田の出生の秘密編。</br></br>

    ●感想●</br></br>
    8巻まできましたかぁ〜。第1部ラストだそうで・・・目指せフジミ!までは行かずとも出来ればずっと続いて欲しいシリーズです。今のところマンネリ感は感じてないので、もう暫く飽きずにおつき合いできそうです。2話とも雑誌掲載時に読んでいるのでおさらいみたいな感じでした。
    <blockquote>
    欲しい、と初めて自ら告げた本田に、わけを尋ねる余裕は久遠寺の中で消え失せる。肩に触れている手を掴み、自分の腕の中へ引き寄せて抱きしめた。頑なな態度をとり続けていた本田の変化には相当の理由があるはずだとわかっていたが、今は理由を聞き出すよりも、抱きしめたかった。</br>
    「・・・っ・・・・・・ん・・・っ」</br>
    自然と激しくなってしまう口づけを止められない。欲しいと自ら口にした通り、求めてくる本田に翻弄される。舌を絡めて、互いの口内を舐めつくすように、深く咬み合って快楽の底へと落ちて行く。</br>
    「っ・・・・・・ふ・・・ぅ・・・」</br>
    鼻先から濡れる音はせつなげなものだったけれど、甘い色を帯びていた。本田の上着を脱がせ、ネクタイを緩める。シャツを引き出して背中から手を忍ばせ、素肌に触れると身体が小さく震えて反応する。急くような仕草を恥ずかしく思う心も浮かばなくて、久遠寺はいかに自分が本田に溺れているのか思い知る気分になった。</br>
    本当は追いつめられた顔で不安に揺れている理由を聞き出すことの方が重要だと分かっているのに。ぶつけられた欲望に応えることしか見えなくなる。そんな子供じみた行動を後で愚かだったと後悔するのは簡単に予想できたけれど、止められなかった。
    </blockquote>
    前巻から登場の長兄・昴・・・・・・不気味です、怖いですねぇ〜。ちょっと呆気なく解決しすぎた気もしますが、個人的に昴の雪彦に対するチョッカイ位はあるのでは?</br>
    雪彦と久遠寺の感情が入り交じってるんで、時々コレはどっちの感情?と何度か目を留めた所がありました。読みづらいって程でもないのでいいのですが。それだけ二人の気持ちが一致したって事なんでしょうね、二人の感情が区別できないほどに。</br>
    初めて自分の感情を認めて素直になった雪彦。その告白を聞いても暴走しなかった久遠寺も大人になったわねぇ〜と感心。読み始めた頃、久遠寺が嫌いで嫌いで・・・・・・雪彦の気持ち無視して強引で傲慢で大ッ嫌い!と思ってたハズなんだけど。雪彦の気持ちの変化と共に”なんだかイイ奴だ”と思っちゃってる私。</br>
    個人的には映に正座で叱られちゃってる雪彦がツボでしたねぇ〜畳に浴衣姿で・・・。色っぽい話でも、何でもないのだけど。3兄弟の中で映が異質なのって徳永の影響が強いみたいだけれど、何となく映と雪彦のほうが兄弟みたいだな〜って思ってしまったんです。「しあわせの色彩」を読んだ後の感想だけど。</br>
    久遠寺を思う気持ちを認めた後の雪彦はどう変わっていくのでしょうか。メロメロ〜とはならないのは目に見えてますが、少しは積極的になったりするのでしょうか・・・楽しみです。そしてやっと訪れた春に久遠寺は舞い上がったりするんでしょうかねぇ。</br>
    相変わらず3課の大騒ぎオチで終了の第1部。2部での再会を首を長〜くして待ってます!</br></br>

    ☆しあわせの色彩

    本当に本田雪彦と徳永映いう人間が生まれる前からの物語がこんなに精巧に作られていることにお見事!と。私にとって雪彦の母・静はどことなく掴めずにいた人でして、今回この話によって彼女の静かな強さや雪彦に感じている後ろめたさみたいなものが少しわかった気がします。そして雪彦は静香似なんだなってことも。
    <blockquote>
    嬉しそうに白金に徳永を迎え入れた楠は興奮を隠せない様子だった。楠にとっては初めての子供ではなかったのだが、自分の子供だという実感を得たのは初めてだったのだ。</br>
    「雪彦にしようと思います。雪は空から降ってくる雪です」</br>
    「・・・春なのにかい?」</br>
    生まれが雛祭りなのにそれでは冬生まれみたいじゃないかという徳永に、静香も床の上から頷いてみせる。</br>
    「私もそう言ったんですが・・・」</br>
    「確かに生まれは春ですが、僕が静香を見つけた日は雪が降っていたんです。真っ白な雪でした。きっとこの子は静香そっくりになるだろうから、雪彦という名前が似合うはずです」</br>
    「そっくりって・・・まあ、似てるけれど・・・」</br>
    「なりますよ。骨格でわかります」</br>
    そうかね・・・と頷きながら、徳永は眠っている赤子の顔を見る。今は静香に似ているように見えても大きくなったらわからないと思いつつ、嬉しそうに名前の由来を語る楠は悪くないと思った。自分の婿のように、いきなり命名と書かれた紙を突きつけてくるような男よりもずっとましだ。</br>
    「雪彦・・・か」</br>
    いいんじゃないかという徳永に、楠は嬉しそうに笑った。それにつられて静香が微笑むのを見て、いろいろ不安は抱いたが静香は楠を選んでよかったのだと徳永には思えた。
    </blockquote>
    久遠寺の祖父・徳永信義がここまで雪彦の過去を知っているとは思いませんでしたし、人の縁ってのは不思議だなって思いましたね。徳永はスイスの別荘で偶然雪彦に会う以前に雪彦に会おうとは思わなかったのかな、とも思ったのですが・・・・・・静香が再婚した時点で、雪彦と静香に関わるのは止めたのでしょうね、きっと。</br>
    私は映が好きでして、彼の幼少時代が垣間見れたことが嬉しかったです。やはり彼は小さい頃から映だったのねと、不遜のようで思慮深い。映と徳永の暮らし振りも覗いてみたかったな〜。</br>
    静香とまゆりは似てたんですね。やっぱり雪彦はマザコンの気があったのね〜。</br>
    殆ど出てこなかった皇ですが、この家・この親にしてこうなった!って感じです。短編ながら1部のラストを飾るに相応しいお話でした。

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著者プロフィール

1月9日生まれ子供の頃からずっと犬のいる生活を送っています。今は黒柴とキジトラ猫と共に暮らしています。

「2023年 『老舗酒蔵のまかないさん 三 門出の春酒と桜舞い散るお花見弁当』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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