ふたりきりの花園で (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576120041

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  • 裕福な実業家の娘グレースは、知的で聡明でありながら婚期を逃がし、もうこのまま一生独身の身でいいと思っていた。そんなある日、書店で容姿端麗な貴族ジャックと出逢う。気さくで家柄もよい彼は社交界の人気者、自分など相手にするはずもないのに、なぜか行く先々でジャックに再会し、求愛されてしまう。グレースは戸惑いながらも華やかな外見とは異なる彼の知的な一面にも触れ、次第に心を許すように…だが結婚式の直前、ジャックがグレースの父親とある取引をしていたことが発覚して!?―。

    ロマンスといえばホット、ではあるけれど、実はあんまりホットシーンは好きじゃない。なんか意味なくヤッてるだけ……なときがあって、そーいうのを読むならもっとそーいうのを買いますって思ってしまうわけです。
    そんなわけでホット重視な作家さんのは買わないし読まないようにしてたんですが。トレイシー・アン・ウォレンはホット系な作家さんでしたっけ?
    そうじゃないと思ってたんですが、なんか勘違いがあったかも。

    物語はけっこう典型的な契約結婚もの。親族の負債の形に嫁入りというのと同じパターンで、違うのは負債を負ったのがヒーローのほうだということ。つまりヒーローは自分の負債を払って貰うために望んでいない花嫁を押しつけられたっていう。
    ただ肝心なのは、そのことをヒロインは知らないし、悟られてもいけない、というのが条件。
    そんなわけで嫌々ヒロインを誘惑することになったヒーローに、わけわからないうちに誘惑されているヒロイン。そんな二人が真実の愛に気がついて……。うわーうわーありきたり。でも大好物です!!ごっつあんです!になるはずだったんですけど。
    そうはならなかった、残念。

    まずヒーロー。公爵家の三男坊でこれまでの実績がほぼない。自慢できるのが賭博に負けないことと、放蕩者であること、って。しかも今回の発端はその賭博に負けた結果だし。で、放蕩者らしく魅力的な外見の持ち主。愛人アリ。
    ヒロインのほうは、中産階級のお嬢様。挿絵画家として少しは収入があるけれど、自立できるほどじゃない。漠然と自立に憧れながらも、特にこれといって手は打ってなく、母亡きあとの家の切り盛りをして暮らしている。若き日に破れた恋があって自分に自信がないし、恋愛に拒否反応。
    嫌々ながらこんなヒロインを誘惑することになったヒーロー。そりゃ誘惑はお手の物で、けっこうあっさり誘惑成功。なんかこのあたりでちょっとアレ?と。
    確かにヒロインの父親からお墨付きもらっての誘惑だけど、ヒロインはちょっとした触れあいにも顔を赤らめる初心さの持ち主、もちろんバージン。それなのに心の隙につけ込んでのベッドインは、紳士としてどうよ?偽りの関係だからこそ、そこは自重して欲しかった。それくらいの敬意はヒロインに払ってくれてもいいんじゃないかと。
    ヒロインのほうもいままでもてなかったというなら、少しはヒーローを疑えと。だいたい25歳にもなっての純情ぶりはいただけない。もう少し世間ズレしてていいんじゃないの?なんかちょっと優しくされてコロッといっちゃったって感じで、ヒロインにももにょる。

    そして肝心のバレですよ。ヒーローが自分に近づいたのは、父親に賭けで負けたからだと知ったヒロイン。はてさてどうなる!?です。
    このヒロインが選んだのは、条件付きでの結婚。このあたり確かにそーいう考え方はあるかな、と。婚約破棄してもこのままバージンではないオールドミスとして生きていかなくてはならないわけで、それならヒーローと結婚するという選択は確かに一考の価値はありそう。
    ただね、こうなった以上、ヒロインは二度とヒーローに体は許して欲しくなかった。最初は「さわるな!」と抵抗していたのに、ずるずるとヒーローの手管にって感じで、なんかそんなにセックスが好きかと。
    ヒーローのほうも、なんとなくヒロインがいなくては生きていけないとか思いながら、やってることは誘惑のみ。拒んでいたヒロインを口説き落としてベッドを許されてからは、なんかそれだけでいいみたいな。もちろんこのまま二人で暮らしていきたいと考えてはいるんだけど、現状で満足してるようで。
    ヒーローの愛人の登場がなかったら、そのままずっと同じ状態が続いてそうな二人だったし、ヒロインが田舎に移ってからも、ヒーローの煮え切らなさにはイライラ。ヒロインもなんだかんだ言いながら、いままでヒーローを許しちゃってるから仕方がないんだろうけど。

    ヒロインの妊娠が発覚してヒーローが一緒に住むようになってから、お互いに愛しあっていることを確認するまでの流れは、さすがに読ませる。庭のくだりは表題になるくらいで、とてもいい場面……だけど、ヒーローがヒロインの家を整えているときにはそんな描写はなかったよね?読者にまでヒーローの行動や気持ちを隠さなくても良さそうなものだったのに。それにお互いの気持ちを理解しあってから、せっかく部屋でデザートをってヒーローが言ってるのに、ヒロインのほうが寝室に行きたがる。そりゃそういう気持ちもわかるけど、なんかこの二人にとっては、結局は欲望がメインかとちょっとガックリ。最後の最後、妊娠後期だっていうのにやっぱり同じ展開だし。

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    裕福な実業家の娘グレースは、知的で聡明でありながら婚期を逃がし、もうこのまま一生独身の身でいいと思っていた。そんなある日、書店で容姿端麗な貴族ジャックと出逢う。気さくで家柄もよい彼は社交界の人気者、自分など相手にするはずもないのに、なぜか行く先々でジャックに再会し、求愛されてしまう。グレースは戸惑いながらも華やかな外見とは異なる彼の知的な一面にも触れ、次第に心を許すように…だが結婚式の直前、ジャックがグレースの父親とある取引をしていたことが発覚して!?―。

    バイロン家のシリーズ後追いでジャックのロマンス。グレースはもうすでに知っているけれど、どうやってジャックとしりあったの?が書かれてて、おい、こんなにこじらせる子だったっけ?って思う。
    でもこじらせる割にはあっさり許したよね、ともおもうけど、ジャックのめろめろさ加減がかわいい。
    好きじゃなきゃ興味のない花なんて覚えませんよね。

    Seduced by his touch by Tracy Anne Warren

  • シリーズ二作目です。

  • 裕福な実業家に賭博で負けた放蕩者のジャックが、借金をチャラにするという条件で娘のグレースを誘惑しろという取引を持ちかけられる。

    中盤からタイミングの悪さですれ違っていくことが多かった二人。ほんとにタイミングが悪すぎる。
    ヒーローの愛人だった女性が出てくる場面は「ヒーロー何やってるんだ?」と読みながらツッコミ入れましたよ。
    ラストの庭のシーンは良かった。
    そしてそして、テレンスのことが激しく気になりました。
    彼の話がもしあるなら是非とも読みたい(笑)

  • バイロン家の兄妹のシリーズ第二話。
    シリーズものですが、この話は単品でも楽しめます。
    展開はオーソドックスですが、繊細な心理描写とホットなシーンでラストまですれ違う二人に、ジレジレロマ

    罪悪感で葛藤していた彼の胸の内にキュンな前半と、彼の気持ちを信じるべきか葛藤する彼女の胸の内にキュンな後半。

    ラストの庭のシーンも素敵だったが、彼がカウントする迷路のシーンの葛藤も大好き。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3312.html

  • バイロンシリーズ2作品目。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    裕福な実業家の娘グレースは、知的で聡明でありながら婚期を逃がし、もうこのまま一生独身の身でいいと思っていた。そんなある日、書店で容姿端麗な貴族ジャックと出逢う。気さくで家柄もよい彼は社交界の人気者、自分など相手にするはずもないのに、なぜか行く先々でジャックに再会し、求愛されてしまう。グレースは戸惑いながらも華やかな外見とは異なる彼の知的な一面にも触れ、次第に心を許すように…だが結婚式の直前、ジャックがグレースの父親とある取引をしていたことが発覚して!?―。

  • テレンスの話が読んでみたい…←腐っている。

  • シリーズ2作目。クレイボーン公爵家3男のジャックと25歳で結婚あきらめ気味のグレイス。劇的な事件が起こるわけでなく、すれ違いのロマンスなだけだが、これが読ませる物語で、充分楽しめました。

  • 実業家の娘ヒロインの父と賭博の借金で人生握られたヒーローの策略はバレなきゃ皆幸せだったろうけど あれはヒロインにとっては侮辱だったろうな。ただヒーローが出逢った時から彼女に惹かれてたのは好感もてるけど なんともタイミング悪く感情のすれ違いばかりの二人で読んでてモヤモヤした。気持ちに素直になってても信頼を取り戻すのは なかなか難しいけれど。次回作も読もうかな。

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