慈悲深い死 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ブ 1-6 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房
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本棚登録 : 88
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576900988

感想・レビュー・書評

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  • 流行りの伝染病のおかげで、せっかくの休日もひきこもって本ばかり読む生活が続いている。と言ってもハードボイルドやSF、エンターテイメントしか読まないのでなんの肥やしにもならないのだが。

    マットスカダーシリーズの魅力は聞き込みのシーンとバーのシーンの書き込みの多さだ。人探しというオーソドックスな題材の本作はそれが顕著かもしれない。シリーズ中本作ばかり読み返してしまうのはそこなのかも。
    謎解きや犯人探しは私にとってはオマケみたいなもので、実際聞き込みでの会話の大半は大筋のストーリーには全く関係ない。グローガンの店でのダーツにまつわるやりとりや、パリスグリーンのマネージャーの「こんな市だから」というセリフ、それからミッキーバルーとの会話での奇妙な結束。なんだかそんなシーンばかりが印象に残ってしまう。

    初対面の人間と僅かでもうちとけたと感じる瞬間。心に灯がともる感覚。
    あまつさえ世の中が人にも会えず店にも行けないこんな状況だから特にそう感じてしまうのかもしれない。
    極私的オールタイムベストのうちの1冊。

  • 終盤の畳み掛けと、合間合間のゆったりとしたスカダーの心象が大変好きでした。ニューヨークのやるせなさ、というか、このクソッタレな世界の描き方が本当に上手い。救いなど何もなく、ただただ現実が横たわっているだけにすぎない。

  • オチは好きだが、スローテンポ

  • スカダーシリーズ第七作。
    原題、”out on the cutting edge”。
    刃の切っ先に立つというフレーズがカッコいい。

    アルコールをやめても、
    飲んだら死ぬのだからアル中という解説は、
    変だけれども納得した。

  • このシリーズは、本当に引用したくなる文がいっぱい出てくる。
    まじめに引用していたら、数ページごとに出てくるに違いない。

    とりあえず主人公の禁酒が続いていて良かった。
    行方不明の女性探しに、禁酒仲間の事故死と、
    同時並行していた事件が両方解き明かされるとは思っていなかったし、
    女性探しの解明された方法と事故死の結末が意外で、
    少し驚きつつも満足。

  • アル中探偵マット・スカダーシリーズ。ここから、マットは酒を断ち、断酒会(AA)の集会に行く日々が続く。アル中とは、酒を飲んでいる時を差すのではなく、酒を断つことも、アル中なのだ。辛いな。でも、この作もまた素晴らしい出来です!とても良かったです。私の贔屓は、実は、ミッキー・バルー。というか、バルーとマットの相容れない友情みたいなものが好き。酒を断ったスカダーは、安ホテルとアル中自主治療協会の集会とを往復する日々を送っていた。ある日スカダーは、女優を志してニューヨークへやってきた娘の行方を捜すように依頼される。

  • 高校の頃読んだ。探偵はアル中なんだモノ、今一度読んだ方が面白いと思う。

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著者プロフィール

ローレンス・ブロック Lawrence Block
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、100冊を超える書籍を出版している。
『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、
第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。
1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している。

「2020年 『石を放つとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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