子どもの遊びとおもちゃ: 知能・創造力を育てる

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  • フレーベル館
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784577700372

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  • 頭の体操で有名な多湖氏、紙芝居作家の加太氏、
    童具作家の和久氏による対談本。
    かなーり古い。

    だいたいタイトルから想像がつく話が展開される。
    発行が1985年なのだが
    「昨今のおもちゃは子どもの能力発達に効果があるのか?
     害悪も考えられるのでは?」
    という。

    文系的で、自然科学の知見がないから教育参考書としてはダメ、
    と言い切ってしまうこともできるといえばできるけれど、
    そうではなくて、子ども向けのコンテンツやプロダクトを
    作ってきた人々が経験的に到達する境地はどういうものか、
    ということを知るための文化研究書だととらえると面白い。

    p.188
    和久
    「万物の中にかくされた法則を発見しようという欲求は、
     おそらく人間のさまざまの欲求の中で、もっとも重要な
     ものなのです。これこそが、人間を人間たらしめていると
     申し上げても、けっして過言ではないでしょう。」

    これは至言だと思う。
    まぁ、このあとで著者は「その理由は人間は調和を求めるから」
    と書いていて、それはエモーショナルで賛同しかねるが(笑)、
    少なくとも、私たちがなんらかの発見を起こしたときに
    生じる感動については、まったくもって不思議であり、
    すばらしいものだと思う。

    ただ種としての生存に効果があるかどうか、ということならば、
    ここまで発見で感動を得られなくても困らないような気もする。

    無論、これには生得的個人差も大きいと思っていて、
    スティーブン・ピンカーが「キュリアス・マインド」で語ったように
    その資質の発揮が生きてくると、たとえば科学者などの
    人生を歩んでいくことも往々にしてあるのだろう
    (だから、そういう感動を得づらい人に、いくら科学の素晴らしさを
     説いたところで、同じ感動を持ってもらえると思うのは
     間違い、というか骨折り損にはなりそうだと感じるなぁ…)

    子どもとおもちゃ、というテーマに戻って考えるならば、
    少なくとも親は、子どもの「発見の感動」が生まれるような
    機会提供はなんだろう、ということを主軸にすえてみると、
    いろいろ上手くいくこともあるかも。

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著者プロフィール

心理学者。東京大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業、同大学院修了。東京未来大学学長を経て東京未来大学名誉学長。千葉大学名誉教授。東京都「心の東京革命」推進協議会会長。大ベストセラー「頭の体操」シリーズの著者。フジテレビ「IQエンジン」や日本テレビ「マジカル頭脳パワー」、ニンテンドーDSソフト「レイトン教授と不思議な町」等で出題監修にも携わった。2006年、瑞宝中綬章受勲

「2020年 『お金の心理術 上手にお金とつきあう81のテクニック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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