バオバブの記憶

著者 :
  • 平凡社
3.78
  • (3)
  • (1)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 26
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582277739

作品紹介・あらすじ

バオバブおじさん、百年前、ぼくたちはどんな暮らしをしていたの?五百年前、ぼくたちはどんな暮らしをしていたの?千年前、ぼくたちはどんな暮らしをしていたの?西アフリカ・セネガルの村でバオバブと生きる人たちの暮らしを、『ナージャの村』『アレクセイと泉』の本橋成一が映し出す。私たち人間と自然の歩みを見つめなおす写真集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 本じゃないけど、映画@ポレポレ東中野。

    「バオバブ」は幹の凸凹が乳房みたいだから、母なる木、そして聖なる木なんだって。
    ストーリーは、日々の生活を単調に映し出す映像で、日々の生活とバオバブの木の結びつきが描かれていた。
    ちょっと映像が単調だったけど、(途中でうとうとしてしまったけれども・・・)
    セネガルの人々の生活を身近に感じられた。

    印象的な一節。
    「バオバブの記憶をひもといてみたら、
     いつから人間だけが
     地球上の生きものたちの時間を追い越し、
     走り出してしまったのか、
     わかるかも知れない。」

    人間の営みなんて、自然の前ではほんのちっぽけで、
    私自身が今持っている価値観も、この日本社会でしか通用しないものなのかもしれない。

    人から「すごい」と言われたいと思っている私の価値観。
    社会的ステータスを求めたいと思っている私の人生観。
    でも、この社会がひとたび崩れれば、
    私は何を拠り所に生きていくのだろう。

    価値観の基準を社会に求めるのではなくて、
    自分自身に求めていかなければいけない。
    でも、どうやってその価値観を形成していったらいいのだろう。

    そんなことを考えた。
    映画や小説は本当にその時の自分の心理状態で、見え方が変わってくる。

  • 18年前、
    ケニアのナイロビからモンバサに向かう道の途中で
    いくつものバオバブに出逢った。
    ナイロビ辺りでは、まったく葉がなかったけれど
    モンバサに近付くにつれて葉が茂り、
    幹も太く、大きくなっていくバオバブを見た。
    その時に、
    運転手件ガイドをしてくださった
    アンドリューさんが
    バオバブの葉の効用から、採れる実、木陰で休息、また倒れてしまった時の材の利用まで、丸ごと大切な大切な樹であることを話してくださった。
    とても特別な樹であることをしっかり伝えて下さった。

    どの国でも、どの時代でも
    樹はいつも人の隣にいる、
    いや、
    人はいつも樹のそばにいる
    と言った方がいいだろう
    私たち人間は
    この樹たちと同じ
    この地球の自然の一員にすぎない
    ということを
    しっかり思っておきたい

  • アフカのバオバブの木にまつわる写真集。

    写真:本橋成一
    1963年自由学園卒業

    2009年3月10日 初版第1刷

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

東京生まれ。1968年「炭鉱〈ヤマ〉」で第5回太陽賞受賞。1995年 写真集「無限抱擁」で日本写真協会賞年度賞、写真の会賞を受賞。1998年「ナージャの村」で第17回土門拳賞受賞。同名の初監督ドキュメンタリー映画作品は文化庁優秀映画作品賞を受賞したのをはじめ、海外でも高い評価を受ける。2002年映画2作目の「アレクセイと泉」で第52回ベルリン国際映画祭ベルリナー新聞賞及び国際シネクラブ賞ほか受賞。2013年写真集「屠場〈とば〉」「上野駅の幕間(新装改訂版)」で日本写真協会賞年度賞を受賞。主な写真集に「サーカスの時間」(河出書房新社)、「上野駅の幕間」(平凡社)「無限抱擁」(リトル・モア)、「ナージャの村」(冬青社)、「アレクセイと泉」(小学館)、「バオバブの記憶」(平凡社)、「昭和藝能東西」(オフィスエム)、「屠場〈とば〉」(平凡社)などがある。

「2015年 『炭鉱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本橋成一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×