狂王

  • 平凡社
4.20
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本棚登録 : 18
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (30ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582286069

感想・レビュー・書評

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  • 童貞王という単語の破壊力。


    ワーグナーに傾倒し、幻想を追い求めて城を作り続けた「狂王」ルドヴィヒ2世に関するエッセイ。


    高丘親王航海記に登場する、合わせ鏡の間の元ネタらしき城が出てくる。

    自分が浸るための幻想を追い求めて作られた、美術的には悪趣味だとかボロクソに言われてるお城が素敵。そこはかとなく狂気の香り。

  • 傲慢ひとりよがり狂王の事は置いといて、野中ユリのコラージュに心奪われる。

    顔が無い、不安になる何かが寄生している人体。
    思い掛けず絵の中に入り込むと、貝の割れ目に吸い込まれ、蛾の鱗粉に噎せ返り、芋虫にはキャベツかのようにガジガジ食まれ、イソギンチャク女の孵化をまざまざ見せつけられる。
    挙句の果てには、貝頭の巨人に踏み潰されてしまうのだ。
    旅に出ると良き事にだけ出会うとは限らない。
    迂闊であった。

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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