澁澤龍彥 ドラコニアの地平

制作 : 世田谷文学館 
  • 平凡社
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本棚登録 : 69
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582286120

感想・レビュー・書評

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  • 世田谷文学館で開催中(~12/17)の展示会
    『澁澤龍彦 ドラコニアの地平』の図録を観覧後に購入。
    2008年の生誕80年回顧展(神奈川近代文学館)では
    北鎌倉の澁澤邸を「ここちよいサロン」と名付けて
    交友関係などを詳しく紹介していたが、
    今般は数々の業績を生み出した奇蹟の《書斎》=
    「驚異の部屋(Wunderkammer)」が再現されたかのようだった。
    浴びるほど本を読んで、原書も辞書を片手に自ら訳して読み込んで、
    仕事して仕事して、
    その向こうに初めて見えてきたものがあったのだろうな
    ……と、想像。
    生まれながらに特殊な才能を授けられた人かと思い込んでいたが、
    実は汗水垂らさない天才ではなく、
    必死に努力しながら、そこを他人に覗かせず、
    態度は超人然として「成果物を見てくれ」と言わんばかりのポーズを
    取っていたようで、すこぶるクール。
    また、恐らく育ちのよさから来る朗らかさ、天真爛漫さが、
    残されたメモや龍子夫人ら周囲の証言から浮かび上がってきて、
    「惚れてまうやろー(笑)!」と叫びたくなった。
    ついでながら、生原稿の文字が予想外に端正なのにも感動した。
    下書きでも日記でも、
    いつか他者の目に触れるはずだという前提に立っていたらしい。
    素敵。
    いくつか手許にある著作を読み返したいと思う。

  • 澁澤の経歴と文学を直結させた、すなわち彼の人生を円環と見なした。
    その結果、「高丘親王航海記」からさかのぼるようにして人生を概観することになった。
    この構成はきっと世田谷文学館の没後30年展示会『澁澤龍彦ドラコニアの地平』を成功に導いたことだろう。
    なぜなら澁澤は(上から見れば一見、)進んでは戻ってを繰り返すように見える螺旋階段のような文筆業(、横から見れば実は確実に上昇している)を生きていたからだ。
    それを「スタイル」とはっきり言い切っているのも、よかった。
    また澁澤の「陽性」が今後打ち出されていくのだろう。
    すでに検索結果が映画「文豪ストレイドッグスDEAD APPLE」により汚染されつつある澁澤を、戯れつつ守りつつ、さらに増殖する軽みを楽しんでいこう。

  • 絢爛というよりは、さまざまのものの集まるべくして集まったところという印象を受ける。素敵な図録。

  • 行けるかなぁ、、、
    【世田谷文学館】澁澤龍彦 ドラコニアの地平 | 世田谷区
    http://www.city.setagaya.lg.jp/event/1991/d00155432.html

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  • 世田谷文学館で開催された「ドラコニアの地平」の図録。

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