図書館から借りました
悪党「西門慶」の物語
さんざ悪人が出てきましたが、ラストになってくると「応伯爵(無夜の一番キライなキャラ)」は死んだ(どんな死に様か聞きたいもんだが)とか、横領したりした悪い使用人は破滅したりしてゆき、因果応報になっていく。
しかし、なぜ陳経済(西門慶の娘の旦那)はもてる? こいつは本当に、屑なのに。頭悪いし、ゆすりたかりをするし、義理とか人情とか、羞恥心とかまったくない人で、舅(西門の旦那)の妻(金蓮)に手を出してしまうし、財産を食いつぶして、嫁を虐待して自殺に追い込むし、落ちぶれると、乞食や道士の男妾になるし(わりとノリノリなとこが余計イヤだな。。)、顔だけはよいのだろうが・・・・・・・。いっそ、旦那にも手を出されていれば面白かったのに。(ぁ
殺されてくれて、すっきりです♪ なのに、この男のために後家を通す美女がいるのがなんかもう・・・・だまされてるよー、姉さん。
そして岱安(漢字ちと違う)、この子調子よくて、下品だったのでキライだったのだが。旦那の遊び相手(人妻・夫はきっちり存命)にも手を出していたり、旦那の稚児(小姓あがりの美少年)に無理やりキスしたりとかしてたから。(発情期だった、としか思えない、妙に興奮した一時期があるのだよな、こいつには)
でもずーっと見てくると、確かに一番、旦那に近くて、西門の家に対して誠実だったのかもなー、と思った。没落していく西門家に最後までいるのは彼で、あちこちから貰う駄賃も、ちゃんと報告しているのも彼で、確かにこずるかったりもしたけれど、やもめを通すことにした西門の正妻月娘が寺で襲われたりしたときも、助けるに来るのは彼と月娘の兄弟だから。
最後には彼を月娘は養子にとって、西門家を継がせて、岱安は月娘の老後をきっちりと見ておしまい。
うまいつくりだなー。
もうちょっと薄くて、手ごろな大きさで安ければ、そろえてもいい本なのだが。
ままならんな。こんだけでかくて、厚くて、だと。