- Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582454345
作品紹介・あらすじ
いまの日本はどうやってつくられたのか?現代日本のルーツを知り、明日を考えるための戦後史。
感想・レビュー・書評
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上巻1926~1945は終戦までの昭和史であり、ほうほう なるほど そんな次第で暴走迷走の道を歩んでしまったのか と概略を掴むことができたけど、下巻1945~1989では私に身近な時代の総括なので、より興味深かった。著者いわく、歴史とは人間がいかに動かされるか動かされたか を思考することだろう と言うがまさに然りだろう。この国の戦後の歩みはドン底から始まって遂にやっと幸運にも恵まれて胸張れる位置まで来れたけど、やはり一人で歩むことは叶わない現実を歴史は物語る。この国は誇らしい面と情けない面とを併せ持つ国であることを再認識しました。終盤はかなりの駆け足だけど、上巻よりこちらの方が馴染み易い内容でした。
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図書館で借りた。
昭和史の戦後編。戦前は主に政治史かつ戦争史であったが、こちらは文化史の側面が強い。
というのも、ほぼ著者の原体験からの描写が多いから。戦後の食糧難といった側面は非常にリアル。
また、戦後を語るには高度経済成長が欠かせないが、肝心の経済は著者が「さっぱり分からない」と正直に述べているので、結果として「なぜ高度経済成長したのか」「どのようにしたのか」といった面が欠落しており、「戦後を生きたおじいさんの思い出話」のよう。
ただ、時系列で文化史が詳細に語られるので、「○○のあとに□□だったのか~」「○○と□□って同時期なのか」といった発見はあった。
尚、1960年代までで本の9割を終えており、昭和の最後の20年は、ほぼ記述が無いと言ってもいいくらい。 -
戦前編に比べると内容がやわらかくなってる。
とくに新憲法制定のところと東京裁判のところがおもしろくて
分かりやすい。
とくに東京裁判。この東京裁判が法的に見ていかにずさんだったかということが分かる。 -
上巻同様、軽妙な描写で昭和史を語られる。
上巻はどうしても戦争の話で多くが占められていたが、下巻では文化や一般庶民の暮らしの話が多くなるのでとっつきやすくて面白い。
GHQとのやり取りや憲法が結構場当たり的に決まったり、ゴタゴタしながら物事が進んでいく所など、何とも言えない気持ちになる。 -
名著。教科書のようにただ事実を羅列するのではなく、同時代を生きた庶民の目線で語られるため、臨場感がある。
終戦からGHQができて、天皇制、憲法、東京裁判にいたる経緯が中でもやはり戦後の日本を決定づけるうえで重要かつスリリングな展開だし、多くのページを割くことになるのも理解できる。著者は故人となってしまったが、これからも多くの人に読んでもらいたい作品。 -
"1945年から1989年にかけて昭和の時代、太平洋戦争が終わってからの日本を学ぶ書。
最後に著者が昭和を振り返り、節目をつけるとしたらとある。
1.1945年(昭和20年)~1951年(昭和26年) 占領の時代
2.1952年(昭和27年)~1960年(昭和35年) 政治闘争の時代
3.1961年(昭和36年)~1965年(昭和40年) 経済第一の時代
4.1966年(昭和41年)~1972年(昭和47年) 自信回復の時代
5.1973年(昭和48年)~1982年(昭和57年) 価値観見直しの時代
6.1983年(昭和58年)~1989年(昭和64年) 国際化の時代
現代史の難しいところは、機密文書などはある程度の時を経過しないと公開されず、事実とされたことが後々覆ることもあることだそうだ。平成26年の今、まだ昭和を語るのには少々早いのかもしれないらしい。
過去をあらゆる角度から見つめなおす良書の一つだと思う。" -
政権を握り、政治の世界で活躍した人物達に焦点をあてながら軽妙にかたる。政治記者として活躍した著者なので、もっと面白おかしくも書けたのだろうが、むしろ軸をぶらさない様に、しっかりと王道を見極めながら、歴史を語る努力をされていることに好印象をもった。一方で、著者自ら認める通り、経済方面での記載は弱いと感じた。
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講演の書きおこしのようで、非常に読み易い。いかに自分が昭和という時代のことを知らなかったかを知らされる。しかし、なんとなく戦争に突入する時代と現代がシンクロしているような気がして、空恐ろしい。
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分厚い。でも、講談を読むみたいにするする読める。
膨大な知識を、ここまで平易に語れるほど消化できる知性がすばらしい。