ニュートリノで探る宇宙と素粒子

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582503050

感想・レビュー・書評

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  • ノーベル物理学賞を受賞した梶田先生ご本人が、ニュートリノの物理の歴史とスーパーカミオカンデでのニュートリノ振動の観測に至るまでの道筋を多くの写真、観測グラフを用いて鮮明に描く1冊。特に、カミオカンデ建設の様子や実験を行うまでの苦労、そして超新星爆発という幸運なイベントに立ち会う当時の興奮をこの本で感じとることができる。

    梶田隆章『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』
    所在 中央館3F : 図書
    請求記号 429.6//Ka23
    https://opac.lib.niigata-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB20094879?hit=2&caller=xc-search

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/65352

  • 【電子ブックへのリンク先】
    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hokudai/bookdetail/p/KP00009519
    ※学外から利用する場合は、以下のアドレスからご覧ください。(要ログイン)
    https://www.lib.hokudai.ac.jp/remote-access/?url=https://kinoden.kinokuniya.co.jp/hokudai/bookdetail/p/KP00009519

  • 地球の内部から飛来するニュートリノを調べることで、地球の核を溶融状態に保っている熱の半分は放射性物質に由来することが分かったという話が目新しかった。残りの半分は、昔、できたばかりの地球全体が溶融していたときの余熱。45億年たってもまだ冷めない。2016年1月24日付け読売新聞書評欄。

  • 素粒子がいっぱいあってややこしい
    ニュートリノは衝突しないので検出が難しいからでっかい観測装置作ってひたすら待つというのは面白い
    ニュートリノ軸で天文学や地球物理学など様々な研究があるのは重要性が分かる

  • 梶田先生直筆。内容はカミオカンデ以降のニュートリノ研究の最先端の話だが、ライブ感もあるし、非常にわかりやすいのに、データも適切に掲載されていて、説明のための誤魔化しが一切ない。科学書籍のありかたとしても、素晴らしい書物である。

  • 資料ID:21504010
    請求記号:429.6||K
    配架場所:普通図書室

  • 物理学は理論と実験の両輪が必要なわけだが、梶田先生は実験寄りの立場なのでカミオカンデに水を張るのに研究者や院生が総出でゴムボート出して作業したとか、南アフリカの元金鉱が地下1000メートルまで掘り下げられた(この金欲のものすごさ)壮大な跡地をカミオカンデと似た実験場にしているとか純粋な物理理論の解説よりは身近で具体的な説明が多くてわかりやすい。
    とはいっても理論の部分は相当に難しくて別に解説署を先に読んでおいた方がいいかもしれない。

  • 梶田教授がノーベル賞受賞直後に書いたニュートリノの本、とあれば、とてつもない専門書であろうが、一般人を念頭に分かり易いよう、丁寧に言葉を砕く。それでも理解できないところが散見されたが、読み手の能力不足でありやむを得ない。
    ニュートリノの説明にとどまらず、科学が試行錯誤の歴史であり、そこから人類の知見が広がったことがよくわかる。

  • 専門的な用語も噛み砕いて、一般読者に届く内容にしてくれている。非常に冷静で沈着な筆致。

    ニュートリノ振動を理解するための肝である「混合角」は量子力学になじんでいないと辛いかも。

    ・太陽の寿命は100億年と長いのは、最初の核融合に反応しにくいニュートリノが関わっているため。
    ・ニュートリノが姿を変える → ニュートリノの時間は進む → ニュートリノは光よりもゆっくり進んでいる → ニュートリノには重さがある:特殊相対性理論から。
    ・一番重いニュートリノの質量は電子の1000万分の1。
    ・シーソー機構。非常に重い未知の粒子の仮定。大統一理論との関連。ニュートリノがマヨナラ型(粒子と反粒子は同じ粒子。違う粒子はディラック型)であることが前提になっている。

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著者プロフィール

梶田隆章(かじた・たかあき)1959年生まれ。宇宙物理学者。東京大学宇宙線研究所所長。史上初めて、銀河系外から飛来した「超新星ニュートリノ」を観測した「カミオカンデ実験」、それまで質量ゼロと考えられてきたニュートリノに「質量がある」ことを明らかにした「スーパーカミオカンデ実験」に参加。1998年、ニュートリノ質量の発見を、研究グループを代表して国際会議で発表した。1999年、仁科記念賞、2010年、第1回戸塚洋二賞、2012年、日本学士院賞受賞。2015年、文化勲章受章。2015年、「ニュートリノ質量の存在を示すニュートリノ振動の発見」により、アーサー・B・マクドナルド(SNO実験)とともに、ノーベル物理学賞受賞。

「2015年 『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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