なぜデザインなのか。

  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582620412

感想・レビュー・書評

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  • デザインを上辺だけでなく、その本質を理解していく過程こそが豊かな生活に繋がっていく。
    豊かな感受性を養い自分の生活に対する哲学を確立する。感受性とは教養であり、言葉の力、経験、コミュニケーションなどを総動員して養っていくもの。
    デザインの力はそれに大きく寄与する。そんなバランス感覚を身につけた人が、今後、世界には求められている。日本文化を再発見し、発信していくことも。

  • アーキテクトデザイナー阿部雅世氏とグラフィックデザイナー原研哉氏の東京とベルリンでの対談を纏めた書、デザインから生活文化、そしてコミュニケーションに至る欧州と日本の比較文化論になっているものの必ずしも脱亜入欧ではなく、少ないながらも日本文化の優位性なども触れておりとても興味深く読めた。脈拍や体温、血圧や発汗とインタラクティブな関係を持つ衣服、自動運転の車、そして所有からシェアの流れなどについて言及していたので驚いた。ちなみに2007年と9年前の発行、デザイナーの先進的感性は凄い!

  • ドローイングとは頭の中を出すこと。恥ずかしい。
    クロッキー教室で裸婦を書くトレーニングがよかった。
    デッサンは物を見る、フォルムを見る目の訓練。

    デザイナーは職業柄、誰も思いついたことのないような説明しにくいことを思いついてしまう。説明のプロでなければならない。

    マテリアル・ワールド・プロジェクト。世界一家財道具を持っているのは日本人。

    都市の建物はストック。

    一家に一台の安物ではなく、高いものをシェア。

    靴を脱いでくつろぐ。

    シャボン玉デザインワーク建築ショップ。完成予想図を書かないデザイン。装置やシャボン液のデザイン。

    デザインは生活文化をつくる仕事。

    イタリアでは、建築も美術も子供のころからの一般教養。スペシャリスト向けに大学で始めるのではおそい

    > 世界有数の技術大国でありながら、「技術は、何もハピネスを生み出していないのではないか」と、対談の中で原さんが、ふと漏らされたような現実は、戦後の日本が、半世紀以上にも渡って教養や哲学に時間を割く余裕のない、即戦力としての優秀な技術者ばかりを育ててきたことに帰するのかもしれない。確かに、ハピネスは、技術からではなく、教養や哲学から生まれてくるものだ。

    > このような時代に必要とされるのは、ないがしろにしてきた日常生活を一つ一つ根気よく解いていくという、過去と未来の間のお百度参りのようなおそろしく地味な仕事を、嬉々としてこなせるだけの創造力を持った若者であろう。

  • デザインとは、マーケティングやブランディングのためのものではなくて、生活の中にあるもの。デザイン=生活を楽しむための技術=生活哲学。
    表面的デザインではなくて、本質的、内面的なデザイン。
    何度も読み返したい本。

  • 古本市で安価で買ったのに、定価以上の価値があってなんだか申し訳ないと思ったくらい、デザインに関する知に溢れていた。良書は読みながら何か別のアイデアを膨らませてくれるものだと思うのだけど、読みながらたくさんのことを考えて、読むのにとても時間がかかった。折に触れて読み返したい。

  • デザインに関する対談の本。
    基礎的な知識が無い自分にも面白く読むことが出来た。自分が面白いと思ったのは、
    ・生物が生きているからこその仕組みであったり、それから来る心地よさという話。
    ・イタリアでは「美しい」という言葉を貧民街の子供でも使うという話。美しいというのが一つの基準になっているという事。
    他にも付箋を貼った所はあるものの、うまくまとめられないので割愛。
    原研哉と阿部雅世という二人の人間の、性別や年齢、バックグラウンドなどの違いからくる、言葉や話し方の違いも興味深く読んだ。

  • ものを作る人、買う人、ゼッタイ読んでほしい。
    デザインってデザインとしか言いようがないけれど、デザインはすべてを含んでいるものと気づくきっかけのために。
    かっこいいもの=デザインという意味では決してありませんよ!

  • あなたのやりたいことなんて誰も興味ない。
    でも、あなたができることには興味があるし、そこが仕事になる。

    紛争や侵略で逃げた先の新しい住まいで、
    もう会えないかもしれない家族の写真を飾ったとき、そこが自分の家になる。
    ヨーロッパ人が壁いっぱいに家族の写真を飾るのは、そのため。
    家族の写真を財布に入れるのも、何かあったとき、家族を探す手がかりにするため。

    デザインは、広告で紹介されるものでも、買ってくるものでもなくて、
    人が毎日の生活をいかに大切に慈しむか。
    繊細でシンセンな目で毎日の生活を観察し、覚醒し、自らの生活文化を耕すこと。(阿部)

    デザインは一般教養の一部であって、美術の一ジャンルじゃない。(原)

     PENTAX I-10
     肩が低く、思いのほか、ちいさい。
     鏡筒を黒にして、おでこのストロボをポップアップ式にして目立たせなくすれば、
     バランスが取れたはず。ISもちゃんと付いているまじめな商品なのに。
     コスト制約からの中途半端な取り組みではブランド資産が台無しになる見本。
     これがデザインと言うものなのか?
     真面目なパロディ。

  • 昔からデザインという言葉に苦手意識が尽きない身ですが、面白いと何度か聞くので読みました。とてもよかった。

    終始2人の対談が続くだけなのに、むしろ対談だからこそ、言いたいことがストレートに伝わったくる感じです。デザインとは何で、何のためにあるのかということだけでなく、日本やヨーロッパの歴史・文化を教えてくれるので、退屈せずに読めます。

    おかげで少しデザインに親しみがわきました。

  • 図書館 再度借りる

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