ヘンな浮世絵 (コロナ・ブックス)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582635096

感想・レビュー・書評

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  • 広重ってこんなヘンテコな名所絵を描がいてたんだ。へぇ〜って思いながら眺めてたのだが、途中で歌川広重じゃなくて、歌川広景なる絵師の作品と気付く。シリーズ名は「江戸名所道戯尽(どうけづくし)」。
    ベースとなる図案は、広重の名所江戸百景や北斎漫画から流用したものが多いのだが、このシリーズの主題は、登場している人物や動物の滑稽な姿。描画の出来はイマイチっぽく感じるのだけど、ユーモラスな構図に思わずニタニタ。
    広重の人気シリーズに肖って、二匹目のドショウを狙った的な作品らしいが、今で言うパロディモノ。
    作者の歌川広景なる絵師は、広重の弟子ではあるものの活動期間も短く、作品数も少ない。そして自出も不明な点があるそうで。まるで写楽のようなナゾな絵師だが作風がソフトなせいかミステリアスに感じない。

  • 「浮世絵」という単語は見たことある程度の知識(=ほぼノー知識)で読んでみました。当然、歌川広景という浮世絵師も初めて聞いたのですが、彼の代表作である『江戸名所道戯尽(えどめいしょどうけづくし)』は、師匠とされる歌川広重や、葛飾北斎が描いた作品をかなり模倣していることに驚きます。(模倣している考察もなかなか興味深い)
    そして人物のシュールさよw 西洋絵画の本を読んだ後にこちらを読むと、表情豊かで浮世絵のハードルが下がります。
    とは言え、一枚絵だけ見てもイマイチどこがヘンなのかが分かりにくく、著者の簡潔で軽快な説明文でやっと分かります(笑) おかげで楽しく読めました。
    彼の浮世絵を見ていくと、だんだん一コマ漫画に見えてきて、表情の雰囲気も長谷川町子のサザエさん(アニメではなく原作の方)に似てるんじゃね?と思うとますます親近感が湧いてきました(笑)
    浮世絵専門の美術館であるという太田記念美術館も、機会があったら行ってみたいと思いました。

  • 浮世絵の本見ても、さーっと流し見しかしてこなかったけど、これは説明が簡単でわかりやすくてよい。
    北斎や広重のパロディっていうかオマージュっていうか本歌取りっていうか…絵は素人目には文句なしだし、クスッと笑えて軽く読めて面白かったです。

  • 笑って、転んで、化かされて。江戸の人々のハプニングに満ちたユーモラスな日常。(アマゾン紹介文)

    風景画を得意とした歌川広重、の弟子と思われる、歌川広景の連作『江戸名所道戯尽』を収録、解説している。
    いや、ちょいと待って、広景って誰だ。有名どころしか知らないとはいえ、そこそこ浮世絵の本も読んでたってのに、初耳だった。
    それもそのはず、活動時期がえらく短く、(写楽と違い)、肝心の浮世絵もどこかチープなような。色刷りの問題もあるんだろうけど、師匠連と比べるとやはり見劣りがする。
    ただ、「笑い」としてはそのチープさが良い味を出しているようにも思える。

  • ふむ

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00260646

  • 広重の弟子らしき浮世絵師のユーモラスな浮世絵集。解説もわかりやすい。江戸時代の面白い画集として楽しめて、浮世絵にも興味がわいた。

  • えどちほーのちょうにん「たーのしー!」
    お笑い系の浮世絵を集めたもの。歌川広重や葛飾北斎のパロ作品として出したものだと思われる。下ネタ有り、ブラックジョーク有り。

  • 広重の弟子と言われている歌川広景(ヒロカゲ)が描いた有名な浮世絵のパロディ集。転んだり、引っかかったり、それを見て大笑いしたり。描かれている人たちの表情が面白い。

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著者プロフィール

日野原健司(ひのはら・けんじ)
慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。太田記念美術館主席学芸員、慶應義塾大学非常勤講師。江戸から明治にかけての浮世絵史、ならびに出版文化史を研究。太田記念美術館にて、「北斎と暁斎―奇想の漫画」、「北斎漫画―森羅万象のスケッチ」、「葛飾北斎 冨嶽三十六景―奇想のカラクリ」、「没後170 年記念 北斎―富士への道」などの展覧会を担当。著書に『ようこそ浮世絵の世界へ 英訳付』(東京美術、2015 年)、『かわいい浮世絵』(東京美術、2016 年)、『北斎 富嶽三十六景』( 岩波文庫、2019年 )など多数。

「2020年 『ようこそ北斎の世界へ 英訳付』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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