毛沢東語録 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 181
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582761276

作品紹介・あらすじ

仕事場で、学校で、公園で、人びとが幾度も唱えた毛主席の言葉、言葉、言葉。天安門広場をうめつくす紅衛兵が手にしていた、あの赤い冊子はなんだったのか。世界を揺るがした「文化大革命」とは、いったい、なんだったのか。

感想・レビュー・書評

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  • 本のタイトル通り、毛沢東の語録集です。

    ほとんど役に立ちません。

    人民のため、という趣旨の発言もありますが、今の中国共産党を見ると、本気でこんな発言をしたのか甚だ疑問です。

    まともな発言もありますが、どうしても中国共産党というバイアスがかかって読んでしまします。

    その点、自分の読書のスタイルを考え直す機会にはなりました。

  • 間違いなくひとつの時代を創った毛沢東の、その思想とは何ぞや?と思って読んでみた。
    が、思ったより普通。
    普通の、社会主義思想とか行動規範とかが書かれてる。
    これが何故、あの大革命の熱狂に結び付いたのだろう?
    不思議だ。

    社会主義思想については、ちゃんとマルクス社会主義を知らないと理解し切らん感じ。
    やっぱり「資本論」読まないと駄目かなあ。
    でも全9冊、読み切る自信ナシ。
    誰か簡潔に説明してはくれまいか。

  • 中国に大きな傷跡を残した文化大革命において、紅衛兵が掲げていた本。興味本位で読んでみたが、中身は真面目なマルクス主義の本で、ゲバラのゲリラ戦争に通じるところもあるように感じた。

    この本が虐殺を引き起こしたというより、当時の時代背景の中で利用されたのだと思う。多少強引な決めつけもあるし、共産党の宣伝もあるが、ヨーロッパの理論であるマルクス主義と儒教の考え方をつなげて見たりして、意外とためになるというか、いいことも言っているように感じた。(だからこそ利用されたのだろうが。)

  • 微妙かな

  • 革命や階級闘争など、時代がかった感は否めないけれど、個人のメンタリティなどについては結構良いことも書いてあるように思う。
    林彪の言うように、「活学活用」次第?

  • 教えに従えば死んだときに天国に行けるのと、共産主義社会を実現すれば未来は明るく理想の実現になるというのは何が違うんだろう。
    マルクス主義が唯物論的であったとしても、その実現を夢見るものは文字通り、夢や観念に取り憑かれているのでは。
    と、歴史が証明してしまったからそう思えるけどそうではない時代はまだ希望があったのかな、


    ーーーーーーーーー

    "共産党は正義のための戦争は反対しない"→過激派イスラム原理主義者と同じだな

    "社会主義革命の目的は生産力の解放である。農業都市工業が個人所有性から社会主義的集団所有制にかわり、4回行上行が資本主義生結生から社会主義生結生に変わることによって生産力は必然的に大きく解放される。このようにして、工業農業生産を大きく発展させる社会的条件を創造するのである。"
    →論理の飛躍したいしてなぜ?と思うけど信者になると受け入れてしまうものなのかなあ

    "「あなたがたは国家権力を廃止するのではなかったのか」われわれは廃止する。しかし、今はまだ、廃止しない"→DAO化と権力者の固執?

    権威者が述べた事を、その精神を深くも理解せず、杓子定規(しゃくしじょうぎ)に振りまわす態度。独断論。
    →権威者は否定されずその誤った解釈自体が否定されるという点において「鶴の一声」とは異なるな

    「毛沢東思想は、中国人民革命と社会主義建設の指針であり、帝国主義に反対する兄弟の思想的武器であり、修正主義及び教条主義に反対する強大な思想的武器である」

    武器を支給すると同時に「毛沢東著作選読」と「毛主席語録」を全軍の全兵士に支給する。
    →思想の配布、大事やな

    共産主義化は当時、"富裕で、強大で高い文化の国家の建設"の手段として考えられていたんだな

    "一部の階級が勝利し、一部の階級が消滅する。これが歴史であり、これが数千年の文明史である。この観点を持って歴史を説明するのを史的唯物論という"

    してき‐ゆいぶつろん【史的唯物論】
    〘名〙 (historischer Materialismus の訳語) マルクス主義の歴史観。 歴史を発展させる原動力は、物質的生産諸力と生産諸関係とからなる経済的構造にあり、それが矛盾や対立を介して発展する諸段階に応じて政治や文化の上部構造が形成されると考える。

    "民族闘争は、結局のところ、階級闘争の問題である"

    唯物論(ゆいぶつろん、英: materialism[1]、独: Materialismus[2])は、観念や精神、心などの根底には物質があると考え、それを重視する考え方[3]。物質主義とも言う

    "政治は血を流さない戦争であり、戦争は血を流す政治

    "戦略的にはすべての敵を軽視し、戦術的にはすべての敵を重視せよと言うことである。"


  • 『そうだったのか!中国』(集英社文庫)で池上お父さん"彰が指摘している通り、孔子の『論語』や孟子・老子など、中国の古典的思想書からの引用や、明らかにそれらを下敷きにしたと思しき記述が多い。中国古典思想書のイイトコどりな趣きがあり、イデオロギーを抜きにして、うまく活用すれば日常生活およびビジネスシーンに役立つ、示唆に富んだ内容ではなかろうか。無論、これを妙な方向にこじらせると「文化大革命」のようなおぞましい事態を招いてしまう、という教訓を常に頭に入れておく必要はあるが。"

  • 何十年ぶりかに読み直してみました。文化大革命の中国と現在の中国は表面状では別の国ですが、その根底には毛沢東思想が、脈々と流れているのが読み直すと良くわかります。尖閣諸島の問題だでの中国の考え方や態度も理解できます。政治だけでなく、組織や体制を運営する観点から読み替えれば、ビジネスの世界でも使えます。

  • 今回はこんな本をご紹介。あっ、タイトルで引かないでください。笑える話ですので。
    とりあえず「グレイメン」の一回目、昨日読み終えたので安心して気楽に書けるわけで……。

    別に私は社会主義思想の持ち主ではありません。共産主義者でもありません。
    ごくまともな資本主義社会の本の中に埋没している人間です。
    そんな人間が、なぜ、こんな本を持っているかと言うと、
    昭和44年「赤頭巾ちゃん気をつけて」で芥川賞を受賞した、私が大好きな作家「庄司薫」の薫クンシリーズ二作目「さよなら怪傑黒頭巾」の中に、この「毛沢東語録」の話が出てくるのです。
    それが、あまりに可笑しかったので、つい買ってしまったわけです。こんな本まで。
    こんな、なんて書くと一部の方々から非難されそうですが。
    でも、この言葉がとにかく笑えるわけです。とりあえず読んでみてください、下記の発言を。
    曰く──
    「しっかりつかむ」こと。すなわち党委員会は主要な活動をつかむさい、ただ「つかむ」だけではなく、「しっかりつかむ」必要がある。どんなものでも、しっかりつかんで手をゆるめずにいてこそ、つかむことができるのだ。せっかくつかんでも。しっかりつかまなければ、つかまないのと同じだ。手のひらをひろげていたのでは。もちろん何もつかめない。手をにぎっても、しっかりにぎらなければ、つかんだように見えるだけで、実際はつかんでいないことだ。一部の同志は、主要な活動をつかんではいるのだが、しっかりつかんでいないために、活動をうまくやれないでいる。つかまないのはいけないが、つかんでもしっかりつかまないのでは、これもよくない。
    「党委員会の活動方法」1949.3.13
    (原文まま)註:私の手元にあるのはこの本ではなく1970年に河出書房新社から発行されたものですが。

    「わははははは……」ナンでしょうね、これ……。不思議でしょう?
    いったい何を言いたいのか、皆目見当がつきません。
    失礼ですが、何度読んでも笑うしかありません。
    わたしでも書ける、というか、子どもでも言えるというべきか。
    逆に、こんなこと言って何か闘志が奮い立つのだろうか、まったく理解できません。
    これを当時の幹部の方々は、真面目な顔をして聞いていたのでしょうか。
    小説の中でも、主人公の薫クンは、ひたすら笑うばかりです。
    一応、伏線があって、十八歳の男の子(薫クン)がいわゆるアサダチをしなやかに切り抜けるためには、こんな笑ってしまうような言葉を思い浮かべるのが一つの手段として効果がある、という場面で出てくるのですが。
    まあ、皆さんにお薦めはしない一冊です。
    他はホントに真面目な共産主義の革命とか、そんな話ばかりですので。
    あーあ。我ながらつまらない、コーヒーブレイクにもならないレビューでした。反省。

  • 紅衛兵に殴られたくないから読んだ。

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