創造する無意識 (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社
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本棚登録 : 208
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582761405

作品紹介・あらすじ

無意識の力は芸術的創造とどのように関わっているのだろうか?フロイトと並ぶ20世紀の知的巨人が平易に説く心のダイナミズムと不思議な働き。分析心理学入門としても好適な得がたい論文集。改訳の上、新稿1作と年譜を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 内容もさることながら、付録のユング年譜が面白いです。外面的な出来事だけでなく、ユング自身の精神に重大な影響を及ぼした事件や夢なども記されています。

  • 無意識について

  • ユングの心理学の世界を垣間見ようと読んだ。幼児を含め、精神疾患を持つ人は、無意識と意識の狭間に抑制されている。夢やコンプレックスなどにも無意識が影響している。この無意識の内容整理を文芸的に解きあかそうとした系譜を垣間見た。

  • フロイト→ユングの流れ。
    年表が興味深いね。

  • 2018年4月8日紹介されました!

  • 心理学というものがどういったものなのかユング自身によって創造行為と絡めて言及されている。誰でも少しは親しみのある事柄なのでわかりやすい。心理学の射程距離や可能性について話していて慎重で謙虚な感じが印象的だった。

  • 4章「超越機能」の「無意識の調整作用と対抗作用」がためになった。
    現代の心理学においては基礎的な知識でもあるのだけど、
    古典特有の衝動的なパワーに溢れていてぐんぐん読み進んでしまった。
    「意識と無意識は普通、その内容や傾向においてほとんど一致しない」というのも言う人が言うと違って聞こえるから不思議。

  • 「分析心理学と文芸作品の関係」だけ、とりあえず。作品の芸術的な意味を求めることと、作家個人を精神分析することはまったく異なる、という至極当然な見解を共有していない人々に対する警告が前半を占める。興味深いのは後半。真の創造は集合的無意識に根ざすものであり、優れた芸術がわたしたちに感動をもたらすのはそれが原型を含み個人の問題を人類の問題に高めるような、そういうものだからだと。神話批評に通じる見解が示されている。あと作品の意味を問うのは、創造プロセスの外側にいなければできない、というユングの言葉がまるで、小説と批評の関係のようだとおもった。ユング心理学の立場に立った場合、物語はどういう意義があるのか、ということがよくわかりました。ユングはなかなか大袈裟だなあという気がしなくもないですが、ひとつの仮説として興味深かったです。

  • 集合的無意識から生まれる象徴芸術論。魅力たっぷりだが、どう使えばいいだろう。

  • 初めてのユング。一気に読みすすむ。

    第一章を読み終わると、まずはタメ息。

    そして口をついて出た言葉。

    「・・・そういうことだったのか・・・」

    このような、グニャグニャでつかみどころの乏しい テーマを、講演録のせいか行き当たりばったり感は多 少ただようものの、それでもこれだけ旨く組み立て、 ときおり比喩もまじえながら、丁寧に言葉を選んで語 る。読み手に伝わるように語る。そのセンスと表現力 に脱帽。

    これがアドリブの語りなら、最後まで飽きさせず、寄 り道しても自然に大筋に引き戻し、最後も綺麗にまと めあげる、その腕力にも脱帽。

    日ごろから漠然と頭に浮かんでは、なかなか腑にまで 落ちていかない、「芸術ってそもそも何なのか」とい うテーマに対する、ひとつの見方の提示。古い知恵の 輪、どこからどう手をつけていいか皆目わからず眠ら せていたシロモノを、するっと簡単に解いてみせてく れます。

    好感が持てるもう一つのポイントは、ひよっている感 じがしない、読者に媚びている感じがしないこと。作 者は言いたいことは、自分の言葉でしっかり言い尽く している。そんな感じが伝わってくる。

    とにかく第一章でノックアウト。ひきこまれる。おも しろい。そして、しっくり感。第二章以後は、第一章 の焼き直しの部分もあるけれど、より論理的にまとめ ようとしたもの。

    オススメの読み方は、

    第一章はそれこそ話を聴くくらいのスピードで、多少 わからないことがあっても、ズンズン突き進む。体で 読む。

    第二章以後は、落ち着いて、しっとりしみ込ませて読 む。頭で読む。

    これはあくまで一例として、自分にとっては、いろいろ切り口を変えて、繰り返しスルメの ように読み込む作品になると思います。

    ちなみに本のタイトルは、とてもストレートに命名されています。そのことに、読み進めているうちに、気付くことでしょう。

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