昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (548ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582766714

感想・レビュー・書評

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  • 厚さ約3cmの文庫本で、借りてきた時は一瞬「うぉ」っと唸ってしまったが、ちまちまと通勤電車や寝る前などに読むうちに、すっかり引き込まれて、気がつけば読了していた。

    内容は、その名の通り、1926−1945、つまり昭和の初めから終戦までの通史。

    ところどころ、著者の個人的な考えが出てくるが、概ね客観的で偏りは少ないと思う。にもかかわらず、文体のリズムは小気味よく、小説のように読める。

    半藤氏の本はこれが初めてだったが、昭和史の続編(戦後史)や、注釈で出てきた他の本も読んでみたくなった。

  • 人物名や長たらしい作戦名など沢山出てきて読み切るのには時間はかかったが、半藤さんの語り口が好きなので苦にならなかった。歴史に学ぶことは沢山ある。戦後版も早速読もう。

  • 読み物として面白いです。
    勉強になる箇所はいくつもありますが、最も重要な場面では、政治家も軍人も自らでは決められず(→個人的問題もあるだろうが、そういう仕組みだったことが大きい)、昭和天皇のご聖断に頼ったという事実が一番心に残りました。

  • 読みやすく分かりやすい。
    日本の成り立ちを知る上で、読んでおくべき書籍だと感じる。先人たちの考え方や心中を考察しながら書かれており、どの時代においてもお上は体裁を守りたがるものなのだなと改めて感じた。

  • 一回はこの人の本読んでみたいと思っていた。で、この本と戦後編をKindleで購入して読もうと思い、やっとこちらを読み終わった。
    話自体は大変読みやすく、面白い。でも語っているのは大変アホで悲惨な歴史。これからの日本は絶対にこうなってはいけない。絶対に熱狂してはいけないと思う。
    この本に書かれてるいわゆる戦犯の人達だって、その当時はまさか後世こんなふうに言われることになるとは思っていなかっただろう。だから大変難しいことなのだろうと思う。一国を大変な途に巻き込んでしまわないように舵取りをするというのは。

    東アジアの大国とアメリカは絶対に間違わないで欲しい。そしてもちろん日本もだ。

    今からまだまだ、生きていて欲しかったな、半藤さんに。

  • 人は環境が厳しくなると自分のことしか考えなくなるんだな…環境は自然に限らない。政治や経済の人為的な環境も然り。なるべくしてなった…あっ!それが歴史か?過ぎ去った過去を考えるんだから当たり前か(^^ゞ
    ん〜ん…良いものを読んだ。
    やすらぎの郷、やすらぎの刻、道を観て戦時を知りたくなってよかったなぁ〜

  • 日清戦争から第二次世界大戦が始まり、終わるまでに何が起こっていたかを緻密に書き下ろした著書。読み応えがあったというかボリュームが厚いというか。ただ、この手の書籍としては珍しく語り調での書き方なので読みやすい。

    敵を知り己を知れば百戦危うからずを地で行けばこんなことになんなかったのになーと思いつつも、もしもう一度歴史が繰り返しても結局はこうなっちゃったのかなとか。

    石原莞爾VS永田鉄山
    山本五十六
    東条英機
    五・一五事件はテロだったのか。政治的な圧力になった、後に。ふーむ。

    原子力爆弾の元アイディアはドイツの物理学者オットー・ハーン博士。これを受けてアインシュタインはルーズベルト大統領に手紙書くけど一回無視される。

    結局は日清・日露戦争でいけるっしょ!ってなって三国軍事同盟でドイツに期待しすぎてロシアを甘く見すぎて、遠くて強いアメリカに喧嘩売って完敗したと。原爆は終戦の決定打では無かった。そもそも終わらせる準備に入ってた。

  • 昭和の歴史を大正・明治からの流れに基づき紐解いている。 しかし、昭和の歴史の前半は、戦争一色で染まってしまう。 軍部の横暴、今までは陸軍の横暴が目立つが海軍も同じであった。 また、政治の弱さが顕著である。 今の政治もこの流れを汲み、あまりにも酷似であろう。 また、ひとつはマスコミの主張の無さであろうか。 やはり、どれも力に屈してしまっている。 残念ながら、日本は戦争という前に敗北してしまっている。 その流れを今も引きずっているのが現実である。 反省①国民の熱狂を過度に盛り上げてはいけない②日本人は抽象的な観念論を好み、理論的な具体的方策論検討できない③日本型のタコツボ社会における小集団主義の弊害④国際社会の常識を理解していない⑤対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想しか持ち得ていなかった。

  • 驕慢なる無知
    底知れぬ無責任

  • 人々が何を誤り、いかに狂乱したか
    昭和という激動の時代を学び直すにあたって
    良書だと感じた。
    あまり語られることのない
    戦争の裏側にある人間模様が実に興味深い。

著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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