召使心得 他四篇 (平凡社ライブラリー)

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制作 : Jonathan Swift  原田 範行 
  • 平凡社 (2015年1月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582768244

召使心得 他四篇 (平凡社ライブラリー)の感想・レビュー・書評

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  • 『ガリヴァー旅行記』がとにかくおもしろかったので、読んでみた。スウィフトという人は、相当真面目で、納得いかない言動には、貴族だろうが庶民だろうが、強者だろうが弱者だろうが、おかまいなしに噛みつかずにはいられない。周りの人からしたらかなりやっかいな人物だったのだろう。晩年心を病んだというが、そりゃそうだろうと思う。それにしても、あの手この手で、いろんな噛みつき方ができる人だなと感心する。

  • 悪貨のアイルランドへの流入を防ぐための公開書簡『ドレイピア書簡』は力強く説得力がありましたが(実際、これで世論を動かし防いだと巻末の解説にあります。)その他の著作は何とも強烈な風刺の数々。
    主人側から見れば迷惑極まりない指南書とも言える表題作は皮肉とブラックユーモアに溢れて読めましたが『慎ましき提案』は恐ろしかったです。風刺として書かれたと分かっていてもそう書かざるを得ないような当時のアイルランドの子供たちが置かれた状況がどんな風だったのか…ととても気になります。

  •  理想とされることは違うこと、ときには正反対のことを描くことで、対象の実態をえぐり出す。まさに真黒な皮肉と諷刺のオンパレードです。

     その姿勢は第一章の「ビカースタフ文書」から明らかで、いんちき占星術師パートリッジ氏を糾弾するこの文書は、「パートリッジ氏はうそつきである!」とは言いません。その代わりにビカースタフという人物を出して「私の予言をお目にかけようと思う」と切り出します。この二人のやり取りを通じて、読み進めるほどにそのいんちきぶりが明らかになってきます。面白いところです。

     ただし本書のなかで異質なのは第二章「ドレイピア書簡」です。この書簡は通貨を改鋳する特許を得た金物商を糾弾しており、ただこの章だけが皮肉も何もない、まったく良心的な文書です。この文書に触発された世論の力は無視しがたいものになり、特許の取り消しにまで至ったといいますから、まさにペンは剣よりも強しというものですね。スウィフトはただ皮肉を言うだけの作家ではないということがもっともよくわかる章だと思います。

     著者は、人々の悪意を描き出すことで、そうした悪意を封じ込めて生きている人間の姿を表現しようとしたのではないかと思います。読者を選ぶ本ではあると思います。

  • 【書誌情報】
    ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift) 著
    原田範行 編訳
    シリーズ・巻次: 平凡社ライブラリー 824
    出版年月 2015/01
    ISBN: 9784582768244
    Cコード: 0398
    判型・ページ数: B6変 296ページ

    【目次】
    1 ビカースタフ文書
    2 ドレイピア書簡
    3 慎ましき提案
    4 淑女の化粧室
    5 召使心得

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