センセイの鞄

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著者 : 川上弘美
  • 平凡社 (2001年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582829617

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センセイの鞄の感想・レビュー・書評

  • なんだなんだ
    この強烈にあとを引く余韻と、

    それでいて
    不思議とあたたかな読後感。



    亀のように遅々として進む
    こういう恋もあるんやな〜って、
    改めて勉強になったし、

    大人だからこその
    恋の魅力に
    気づかされました。




    37歳独身のOL、
    大町月子。

    月子とは30と少し歳が離れた、
    高校で国語を教わった
    松本春綱先生。


    二人は駅前の一杯飲み屋で
    隣あわせて以来
    20年ぶりに言葉を交わし
    飲み友達となり、

    やがて月子は
    先生をセンセイと呼び慕い、
    センセイへの
    ほのかな想いに
    気付き始める…。



    まぁ簡単に言えば
    70に近い老人と
    30代後半の大人の女性の
    恋物語です。


    文章で書いてしまえば
    なんだか陳腐な設定だなぁ〜って
    思う人もいるかもやけど(笑)


    いやらしい話ではなく
    中学生の淡い初恋を読んでるかのような
    微笑ましさと、

    毎回酒を交わしながら
    二人がどう惹かれ合っていくかが
    本当に絶妙な塩梅で
    丁寧に丁寧に描かれていて
    心地良い小説なのです。



    言葉の端々から漂う
    濃密な夜の匂い。


    それにしても
    なんて抑制のきいた、
    それでいて
    官能的な文体なんだろう。


    肌を直接見せなくとも
    性行為を描写せずとも
    ほんのり漂う
    色気や官能。


    だから読むたびに
    ドキドキさせてくれるんだけど、

    しとやかで
    でしゃばり過ぎない、
    引き際を解った
    大人な女性って感じ。



    約束も交わさず
    飲み屋で次に会える日を
    ひたすら待つ
    二人の距離感。


    誰も縛らず
    一人で立ち
    一人で自足する
    二人の生き方。


    だからこそ
    二人でいる時は
    誰よりも相手を尊重し、
    いたわれるのかな。



    食べ物が好きで
    お酒が好きで
    一人が好きで

    でも心から分かり合える
    誰かが欲しくて、

    おじさま好きで(笑)、

    身体だけの関係には
    もう飽きたという人、

    オススメします(^_^)


    人生観変わるかもしれませんよ♪

  • 良いな~センセイとツキコさんのこの関係。大人の恋ですね。愛ではなく、恋。四季折々の中で綴られていく二人の色濃く流れる月日。この二人の日常を通して、著者の豊かな感性に触れられる一冊。

  • 何てこと!川上弘美さん、なぜ今まで私は出会わなかったのでしょう。もったいない・・・この淡々と渦を巻きながら流れる時間と心の描写、とても好きです。
    特に主人公ツキコが、正月実家に戻ったあと残りの休みを過ごす場面。私がもし37歳独り身でこれを読んでいたら確実に泣きます。わんわん子どものように泣きます。誰かが「あなたはいい子ですね」と頭を撫でてくれるまで。

  • 読んでいて幸せな気持ちになった。
    ツキコさんとセンセイが丁寧に時間を過ごしたように、
    大切に時間をかけて読み進めたいと思った本。
    二人の関係は、予想外の方向へ進んだけど、
    二人の空気や距離、会話、全てがとても心地よかった。

  • センセイとツキコさんの微妙な距離感にもたまらなくひかれる。
    ゆったりと恋愛も時間も流れていく…そんな感じ。
    大人の穏やかな恋愛も素敵だ、そう思った。

  • センセイとツキコさんの、淡い恋。その不器用さがもどかしく、またいとおしくもあります。それから、二人が口にするちょっとした料理が、食欲をそそります。

  • 食べ物が美味しそうに書かれていて、夜に近くの居酒屋でちょいちょいとつまむ姿を想像する。本当に、湯豆腐を食べたくなったり、アワビを食べに出かけたくなったり、普段飲まないお酒に憧れたり。食べ物が美味しそうに書かれている本は、好きだ。最近、そういう本によくであう。嬉しい。

    センセイとツキコさんのそれぞれも、その2人の掛け合いも、好きだ。

    ただ、70代の男性と40手前の女性の恋愛が、どうしてもすんなり入ってこない。まだ読み時ではないのかなー。40歳くらいになったらわかるのかなー。んー。

  • ベタベタな恋愛小説じゃなくて、このくらいそっけないほうが好き。
    なんとなしに居酒屋で隣り合い、なんとなく飲み方が同じで、
    つかず離れずいるうちに気になりはじめ、
    なくてはならない存在になっていく。
    大人同士ゆえの距離感なのかなぁ。
    ちょっとヤキモチを焼いたり、気になりすぎて避けるとか、
    恋愛の機微が丁寧に描かれている。
    センセイの意外とイタズラ好きなとこが笑える。
    最後は、泣いた。

  • 初めて読んだのは学生の頃。
    今はすこしツキコに年齢が近付いて、よりぐっとくる。

    大好きだった彼にも素直に甘えられず、
    彼が相談した女友達に持って行かれつつも、
    その二人の結婚式にも出てしまうあたり、本当に不器用。

    センセイにやきもちを妬いたり、子供みたいなことで喧嘩したり。
    37歳と還暦過ぎの二人なのに、ほのぼのかわいらしい。

  • 世界を彩る言葉は決して難解なものではなく、優しさと情味に溢れた本当に素晴らしい本。ここ最近の現代文学の中で、純文学と評せられる数少ない物語の一つだとわたしは思います。描かれているのはただの恋愛なんかではなく、人の持つ心や、その心が描く愛情の形の応変さです。人というものがとても複雑で奥ゆかしい生きものであることを、淡い色合いの世界が伝えてくれます。
    展開していく物語の筋は一見非日常に見えるかもしれないけれど、実際にはわたしたち一人一人にも起こり得るような穏やかなものであり、その緩慢な日常の中に偶然起きた「センセイ」との出会いが彩る主人公の日常や心情が、淡く切なく愛おしいです。
    読み終わると、美味いお酒とつまみが無性に食べたくなる一冊。

  • (2002.01.04読了)(2001.11.02購入)
    (「MARC」データベースより)
    鞄の中には何がある? 「センセイ」は私の高校時代の古文の先生。10数年ぶりに再会したセンセイとわたしが、過ごした、あわあわと、そして色濃く流れゆく日々。長篇恋愛小説。

    ☆川上弘美さんの本(既読)
    「物語が、始まる」川上弘美著、中央公論社、1996.08.20
    「蛇を踏む」川上弘美著、文春文庫、1999.08.10
    「椰子・椰子」川上弘美著、新潮文庫、2001.05.01
    「神様」川上弘美著、中公文庫、2001.10.25

  • キャラクターが大好き。
    いいなぁ。なんか、うらやましいなぁ。

  • センセイとツキコさんの徒然 美味しいお酒とつまみがたまりません

  • かつての高校の国語を教えていたセンセイと、教え子だった私。

    親子ほど年の離れた2人。
    センセイ、ツキコさんの近くもなければ遠くもないけれど
    親密な距離感。

    距離感は、徐々に近づきたいのに離れて行ってしまう歯痒さに変わってしまう。

    淡々としていながらも切ないし愛しいしが混じり合って、
    ほわほわしていて温かくて
    最後の方はうるうるしてしまったよ。

    最初、著者の本にしては随分まともな文章だと思ったw(いい意味で!
    でも段々、著者らしいふわふわした文章になっていくのがわかった(何様

    うちは、著者の本は大好きということです)^o^(

  • お酒がとても呑みたくなります。
    じれったくなるくらいゆっくりな時間の描写。
    読み進めると心が暖かくなり涙が止まらなくなるです。

  • 居酒屋で再会した元先生との年の差の恋愛

    好きな物が似ていて、行動パターンも似てる。女性だったら親友になるだろうが、それが年の離れたおじさんだった。
    人と付き合う時、この人は友達、恋人、家族、と形は色々だけどそんなのは抜きにして付き合いたい人が居る。
    自分に共鳴する何かを持ち、一緒に居ると心地よい。
    毎日じゃなくても良いから、会いたい人。お酒を飲み、おしゃべりをする。
    それだけで楽しいと感じる人が居るのはなかなか良いものである。

  • 現代文の授業の問題演習にちょっとだけ出てきて気になってた本。大人だけど、かわいい。

  • 年齢差小説のラストはどうしても、読めてしまいがち。
    こちらも、多聞に漏れずこちらもそうだったけれど、本当にきゅんとするようないい話だった。

    アルコールがほとんど飲めない私でも、居酒屋さんの隅っこで湯豆腐やら魚の焼いたのをあてにちびちび飲んだりしてみたいと。
    ツキ子さん、本当に素敵。
    あこがれるわ。

    あの、硬質な彼女が解けてゆく瞬間は、綺麗だなと思った。

  • 久しぶりにちゃんとした恋愛小説を読みました。 <BR>
    川上弘美さんの本初めて読んだんだけど、すごい。 <BR>
    うまく表現できないんだけど、 <BR>
    物語の雰囲気が立ちこめてくるというか、<BR>
    すっとツキコとセンセイの世界に入ってしまう。 <BR><BR>

    「ききわけなんかぜんぜんないです」<BR>
    ってツキコがセンセイに告白するシーンが好き。 <BR>
    大人じゃないから、っていう概念とか。<BR><BR>

    ハタチの小娘が語る資格ないかもしれないけど、 <BR>
    こういうのを本当の「小説」って言うんだと思った。<BR>

  • 久しぶりに味わい深い余韻の残る作品。じわ〜ん。。「蛇を踏む」は今いちだったんだけどこれは良かった。さすが帯に「最高傑作」と書かれるだけのことはあった。いや、大層ようございました。幸田文の短編を思い出した…年末大掃除の時、露伴が幸田文に「この廊下を見てどう思う?」って聞いて「黒光りして年代モノの良い感じが出てると思います」って答えたら「長年、汚れた雑巾でぬったくったからこんなに黒くなってしまってるのだ」とか言うやつ。。露伴とセンセイ、文さんとツキコさん、それぞれの人間味は全く異なるし、露伴と文さん、センセイとツキコさんの人間関係も全然違うとは思うんだけど、なんとなく思い出した、なぜかしら・・・雰囲気? 願わくば最後までプラトニックが良かったかなぁ、背筋ピンと伸ばしたまま。最後は全くの予想通りだったのに、不覚にも泣いてしまいました。いやいや本当に全く大層ようございました!

  • 人がゆっくりと恋に落ちていく様。
    それがゆっくりと丁寧に描かれていて心にしみます。


    やっぱりいくつになっても恋愛しなくちゃ。



    非の打ち所、無いよりはあるほうがいいよね。

  • 心が暖かくなる、でもちょっと切ない気持ちになるとても良いお話でした。
    センセイとツキコさんのあいだに流れる空気とか、物腰の柔らかさ。行きつけのお店の美味しそうなお料理の数々。全てがほんわかと和ませてくれます。
    読み終わったあと、ついセンセイ口調になってしまう自分がおりました。
    ワタクシはこの話が大好きでございますよ。

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