暇つぶしの時代-さよなら競争社会

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582831672

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  • 001.初、並、カバスレ、帯付。書庫。

  • 分類=社会・産業・経済。03年6月。

  • ・私は工業社会の成熟化した文化というものが「IT社会」だと思っている。文明は人に便益を与えるものであるが、文化は人にアイデンティティを与える。「まえがき」より

    ・「暇」という言葉は、なんとなく怠け者の感じがするが、そういう感じ方自体が、生産至上主義の時代の意識である。生産増強が社会共通の課題であった時代において、「暇な時間を持つ」というのは、「社会に参加しない」ということと同じような意味を持つことで、人々は社会の裏切り者と呼ばれないように、暇な時間があろうとも忙しいフリをしてきた。しかし、豊かな社会を経過して、もはや「生産増強」が社会の共通目的ではなくなったのである。

    ・機械を機能として捉えるのではなく、機械と人間との「関係」で捉えるのである。機能は単なる合理性の追求だが、関係は無駄だけど豊かな時間の共有なのである。

    ・合理性を追求する限り、どこかに別の不合理性を発生させるか、問題点を外部に押しつける形にならざるを得ない。

    ・文明は多忙な生活の蓄積の上に成立するが、文化は内面的な「暇」の意識の上で成立するのである。

  • 帯に渋谷陽一がコメントをよせてたのでチェックした本です。最近の事件は、ほんとは暇になっちゃいけない奴らが暇になっておこしてるという気がしてたのと、やっぱり自分のなかのニート、引きこもり的なものに共振したからかも。

著者プロフィール

1950年2月4日、東京生まれ。'72年、渋谷陽一らと音楽投稿雑誌「ロッキング・オン」創刊。'78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後、さまざまなメディアを開発する。'83年、定性調査を定量的に処理する「気分調査法」を開発。商品開発、市場調査などのマーケティング調査活動を行う。80年代後半より草の根BBS「CB-NET」を主催、ニフティの「FMEDIA」のシスオペを勤める。'96年、株式会社デジタルメディア研究所を創業。インターネット・メディア開発、企業コンサルテーションなどを行う。アーツカレッジ・ヨコハマ(旧神奈川情報文化専門学校)のマルチメディア科を立ち上げプロデュースを行い専任講師。武蔵野美術大学非常勤講師、日本デザイン専門学校講師などを経験。現在、多摩大学経営情報学部客員教授。キーマン・ネットワーク「コンセプト・バンク」を運営。
〈著作〉
『企画書』『メディアが何をしたか?』『なぞのヘソ島』『一応族の反乱』『生意気の構造』『暇つぶしの時代』『やきそばパンの逆襲』『ドラマで泣いて、人生充実するのか、おまえ。 』『希望の仕事術』『森を見る力』ほか共著、編著多数

「2016年 『ロッキング・オンの時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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