- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582833966
作品紹介・あらすじ
とにかく痒い!痒いなんてもんじゃない!「無言館」の建設とともに発症し、その12年の活動とともに一進一退を繰り返してきた著者の病、「乾癬」の話。
感想・レビュー・書評
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豊富などを舞台とした作品です。
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「かいかいから始まる生き様、著者成功の裏に言えないかゆみ」
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乾癬(カンセン)についてみんなに知ってほしかったという一念で書かれた本。
乾癬についても、無言館館主が作家水上勉さんの実子だということも、私はこの本で初めて知りました。 -
著者は信濃デッサン館や戦争で亡くなった若き画家の作品を収蔵する「無言館」の館長。無言館の開設準備の頃から著者はからだのかゆみに悩まされるようになった。朝起きるとシーツが血だらけ、不眠症になる。人前でボリボリとかくなさけなさ。居心地の悪さ。そんな病は、戦争で亡くなった若き画家たちの「おまえは戦後どのように生きたのか」と突き刺さる居心地の悪さによるものかもしれないと煩悶する。かゆみとの闘いは、無言館への脅迫状や慰霊碑への赤ペンキをかけるような事件とも重なる。乾癬に効くといわれる北海道の温泉での湯治で心を許せる人々との出会いにはホッとさせられるけれど、いやはや、かゆみって死ぬ病ではないだけに日常的なストレスは計り知れない。