幸田文 台所帖

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著者 : 幸田文
制作 : 青木 玉 
  • 平凡社 (2009年3月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582834284

幸田文 台所帖の感想・レビュー・書評

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  • 私にとって幸田文は、身辺が落ち着かず、なにやらざわざわとしてしまうとき、反省とともに思い出す作家です。
    地に足をつけてしっかりとした生活をしていた人の書いた物は、時代が変わっても、読んだ人の姿勢を正すように思います。

    こちらは台所にまつわるエッセイをまとめたもの。
    ただのエッセイとしても面白いですが、台所を預かるものの心構えのようなものが持てます。
    私はまだまだ、こんなに丁寧にはやれないけれども…。

    背筋を伸ばして生活する、そのきっかけをくれる本です。

  • 食にものすごくうるさい父(幸田露伴)の台所を14歳から引き受けた著者の歯切れのよい文章。
    大好きな父親なのだが、手放しで好き!とは到底言えない著者の思いが伝わってきて、1冊読み終わるころには、台所にまつわるあれこれを書き散らした歯切れのよいエッセーというふうに簡単にはくくれない、なんというか持ち重りのする1冊でした。

  • 久しぶりに本を読んだ。

    台所をする、ということの大変さがものすごく伝わってきた。
    料理をして食事を作ることは半端な意識ではできないのだな。
    幸田文さんの文章は読んでいてとても心地いい。

  • 明治の女性のお台所の話。
    昔の日本の料理の話を期待して読み始めたところ、そうではなく。
    料理をする人間の心構えとか、つくった料理を人様に出すときの心構えなどに重きをおかれている作品。
    きりっとした文章は、読んでいるこちらまで背筋が伸びる。
    文中によくでてくる「台所の音」の話。
    私が台所に立っているときは、さぞかしい騒騒しいことだろう。

    作者が辻嘉一氏と対談をしている。
    その中で、水の使い方に関して、「いまの子」に苦言を呈している部分にはっとさせられた。
    いわく、いまの子は水の尊さを教えてもらっていない。
    それは、水を汲まないから、水を汲む労力を知らないから。

    この対談は1979年のものだから、今から約30年前の話。
    その当時の「いまの子」は水の尊さを知らない。
    そして2012年現在の「いまの子」は、火の尊さ、危うさを知らない。
    オール電化だからね。

    しかし、明治の女性というのは、本当にたいへんだったのだなぁ。

  • 幸田文さんの日本語は本当に美しい響きを持っているな、と思う。日々の生活を綴った様子もかっこうつけすぎてる感じはなく、たんたんとして、楽しそうで本当に素敵だなと思う。これは小説「台所のおと」も入っているので、お得だなと。

  • 台所仕事の心構えを学んだ。

  • 父幸田露伴にしつけられた台所仕事の様々をうたった1冊。
    巻末には小説も。
    台所の音も優雅であれ。食事の支度をするのも、色々哲学があるものだ。
    文さんのしっとりした納まりある文章がとても素敵でした。
    たまに型をはずして、食を楽しむのも、いいと思いました。
    台所仕事が自分の身をも収めるような所が素敵でした。

  • リュウマチで弱かった母に代わり、子供のころから台所仕事を任されいたという文さん。父、幸田露伴に料理の仕方から膳の整え方まで、厳しく教わったらしい。台所、というところには、火、水、刃物がある。火は火事を起こす、水は洪水にもなる、刃物は人を傷つけることもできる。いずれも、人の命を奪うこともできる危険なもの。台所は、生き物の殺生が日常的に行われる場所。それでいて、「食」という、人の生命の維持の根幹となる営みを支える場所である。

    凛とした文章。幸田文全集から、玉さんが編集したようだ。「台所に育てられる」とは、興味深い考え方だ。人へのおもてなしは、食を通じて行われることが多い。ほんの些細なこと、お茶の出し方、お菓子の出し方、食器、食材、料理なら献立はもちろん、出す順番や、量まで。また、食べる相手の体調によって、その日の味付けを微調整したりする。

    一事が万事。確かにそう。その人の考え方や心づかいが、小さな所作や物言いに現れてしまう。どんなに隠そうとしても。

  • 図書館で借りた。→2012年に人からもらった。

    幸田文全集を底本に台所にまつわるエッセイ・小説を抜き出し、編集してある。
    台所には、火水刃物と使い方によっては危険な物がすべてそろっている、という話、正月にあまり親しくない同級生にごちそうに誘われた話、切り目正しくなきは料理に非ず、のような言い回しの話が印象に残った。

    そのうち、幸田文全集を読もうと思う。

  • まだまだだと思う。
    そうか、こうやって食べ物に対峙して食べる人に対峙して、自分に対峙すればいいのかってそんなことを思った。
    上品でかっこいい本です。

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