- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582834383
作品紹介・あらすじ
ひとり暮らしは、食べたいときに食べたいものを作って四季折々の、身近で大切な、「食」の習慣と記憶たち…最新エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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とととん、と一口大に
切りそろえられた文章は
シャキシャキ食感が小気味良く
ついつい
ページを捲る手がとまらなくなってしまう。
味付けは若干、淡白であるにも関わらず、
食後(読後!^^;)は
体中の隅々にまでしっかり滋養が行き渡ったかの様に
元気になれる、
千さんのお料理エッセイ。大好き♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱり石田さんの随筆はピカイチだ。
エッセイではなく随筆といいたい。
まずお酒が飲みたくなる、友達を誘いだして
みたくなる、家族を思い出す、遠い記憶を
思い出す。石田さんの文章を読むと色々な
気持ちがふわふわっとわいてきて心地良い。
たとえば人に関する言葉を最小限にとどめているのが
いい。この人は私とこんな関係でこんな人でねっていう
つらつらと言葉だけで説明するような描写ではなく、
簡単な言葉でその人のことを表現しているのが好きだ。
そしてその人とのエピソードも簡潔ながらとても
はっきりと表現していて好きだ。胸の内のぐずぐずまで
こちらに伝わってきて過去にそんな胸の内になったこと
あるなぁとか思い出したりして読む。
ほんと好きだな。この人。 -
石田千さんの本を読むと、心底ほっとひと息つく。
ぴりぴりいらいらしていた気持ちが、いつのまにか凪いでいる。
噛んで味わうように本を読むのが、わたしがいちばんくつろぐ大好きなことだ、と思わせてくれる書き手のひとり。ものすごく好きです。
最初の出会いは朝日新聞のちっちゃいコラムだったと思うから、見逃さなかった自分をほんとにえらい、とほめたいくらい。
もったいないからちょっとずつ読もうと思うんだけど、秋の夜長はそれを許してくれず、もう終わりが近い。
読み終わりました。ひとりのごはんも、だれかと食べるごはんも、そろぞれにいろんな思い出があるある。よい時間でした。 -
変な文体だ。
「半ズボンで、そうじをしている」
と来る。誰がそうじをしているのか、どこをそうじしているのか、半ズボンだからなんだというのか、説明しない。?と思っているうちに今度はいきなり「百回素振りをした。」と来る。やっぱりなんだかわからない。不条理を気取っているわけではない。そういう文体らしい。読んでいるうちに慣れてきて、なるほどきっとこういう情景や説明をはしょっているんだな、と深読みするようになる。それはそれで面白い。面白いが、本を読む面白さとは違う。
というわけで、こういう文体が気にならないひとに。理系あたまで読むとそっちが気になって、本を読むところまで至らない。
予備知識なしに読み始めて、著者は相当年配のひとか、あるいはだいぶ昔(たとえば昭和初期とか)に書かれた本だな、と途中まで思い込んでいた。 -
20151110読了。
そばぼうろをかじるように、少しずつ読み進めていたら
後半でぐわっと持って行かれて最後はなぜか涙が。
すごい筆力。 -
石田千さんの本は、これが2冊目。最初に読んだ「きなりの雲」で、すっかりこの作家さんのファンになってしまった。
このエッセイも、とても綺麗な言葉とやさしい思いがあふれた本でした。クスッと笑ったり、中には涙したりする短編がつまっていて、ほっこりする本です。
お料理やお酒、競馬、お花見、飲み屋さん、商店街、仕事でのお付き合い、子供の頃の話などどこにでもあることが書かれているだけなのに、この人の文章を読むと固結びにした心がほどけるよう。 -
はじめての、石田千。
最初、なんだか、たくさんある食エッセイとくらべても
とくべつ、ぱっとしないなあ、と思って読んでいたのだけど。
食の好みが、合うからか・・・
家の近所にある、常連ばかりの小さな居酒屋で
ぼんやり飲んでいるような、居心地の良さに、いつしか
酔っていきました。
そうなると、
そっけないみたいな、語り口も、無骨なリズムも、
すべて好きに思えて、もったいないので、
ちびちび、ちびちび、読みました。 -
あたたかいんだけど、どこかになんだか、「しん」とした寒さのある1さつ。
冬の始まりから冬本番にぴったり。
やっぱり石田千さんのエッセイはいいなぁ。
何でもないことでも、
どうしてこんな言葉が出てくるんだろう
どうしてこんな表現ができるんだろう
と、いつもうっとりしてしまう。
2009年5月 平凡社
装幀:有山達也 -
石田さんのエッセイ4作目読了しました。
今回は表題を含めて食に関することが多く書かれています。
りんご、ドレッシング、きんぴら、トマト…石田さんの
食べ物に対しての思いがひしひしと伝わってききたなあと
思いました。
やさしいクリーム色の表紙も素敵です。