- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582834536
感想・レビュー・書評
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原さんが私と同じぐらいの年齢だった頃の文章。
デザインだけじゃなくて文才もあるなんて。
もっと頑張ろう、という気持ちになる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新聞で連載されていた文章と言うだけあって、小気味良いテンポで読める短編随筆集である。
日々触れるものに対して、疑問を見出したり、その背景に想いを馳せたりする視点は、デザインをする上で必要不可欠である。
普段からささやかな気付きがあるからこそ、細やかな配慮のある気の利いた作品を生み出すことができる。
こういった地に足つけた視点は、何もデザインの仕事の中でしか養えない訳ではなく、普段から見るもの、触れるものから得られるはずだ。
デザイン的視点を持って、その作者の気持ちになって、ものづくりとは何かをじっくり考える機会を日頃から大切にしたい。 -
書かれたその時々に著者が取り組んでいた仕事についてのあれこれを書いているエッセイ。
ちゃんとオチがついているから楽しく読めます。
→http://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-11948910239.html -
美しく、小気味よい文章。こういう文章を読むと、気分もリズミカルになる。
JRの切符の下地の話とか、香港でのデザイン審査の話とかも面白かったけれど、一番印象的なのは、ウイスキーの瓶のデザインの話。デザイナーとしての理想をいうために、製造プロセス上の人々からの反発とか消極性を乗り越えていく内容。
また、ロスの高名なデザイナーとの調整に当たって、ビッグネームに変に気負って多くを"つめて"しまった結果の失敗、という話も示唆深い。
「率直に本人に接するべきだった」「そしてもう少し気楽に、描いてもらいたい絵について語り合う時間を持てば良かった」と後悔。この「まず会う」という発想・視点は、仕事のやり方にもブレークスルーを与えうるのではないか、と思った。
とにかく読んでいると、はっとさせられる瞬間が多かった。
そんな原研哉、「ランニングハイ」と題して、日課として走ることの喜び、レースに出ることの楽しさを語っている。原に言わせれば、物をつくるのに必要な能力とは、
「一に体力、二に体力、三、四は自由に埋めてよろしいが、五は負けず嫌いな性格。才能とはこの五つを、別の角度から見た呼称にすぎない」という。 -
第一線でモノをつくる人の思考をのぞき見るのはたいへん楽しい。エッセイだし、ほんのさわりの部分でしかないのだけれど。
著者自身が書くに足らないと判断した、日々の仕事の中で無意識化された習慣にも、きっと創造のヒントがあるのだろうなぁ、などと思って想像を広げるのもワクワクする。 -
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工業デザインやグラフィックデザインなどを手がける著者によるエッセイ。デザインに対する真摯な取り組みが文章から伝わってきてとても興味深い。10年以上前に雑誌連載されたコラムをまとめたものだが、まったく古さは感じない。インスタントコーヒーのラベルデザインの話や、ウィスキーの瓶のデザインの話などは、店で手にとって確認したくなった。
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著名なデザイナーの日常。
なんだか仕事柄相通ずるものを感じて面白かった。 -
グラフィック・デザイナーとして名高い著者の幻のエッセイ集のリニューアル復刻版。原本は「ポスターを盗んでください」(新潮社、1995年)だが、それに新しいまえがきとあとがき、さらにエッセイ3編を加えたもの。いかにデザインに興味がない人でも、この著者がデザインしたものを目にしたことのない人はいないはず。たとえばJRの切符を始め、無印良品の品物、ウイスキーのボトルにインスタント・コーヒーのビンなどなど。 さて、若くして成功を収めたデザイナーが、モノ書きの才能を発揮できたわけは、この本のまえがきに詳しい。岡山の高校時代からの悪友で作家の原田宗典の紹介によるものとのこと。収録されている50編のエッセイは、「それを創りながら。」と題され、「小説新潮」に5年にわたり連載されたものだ。 15年以上の年月を経て読み返せば、内容的にはいささか古臭さを感じさせるものもあるけれど、デザインの本質を突く言葉は、勢いのある当時のままに通用するようだ。
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タイトルがすごくすきだなぁ。
各章ごとの題名もすごく詩的できれい。
内容ももちろん楽しいのだけど。