- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582835403
作品紹介・あらすじ
6氏のベストセラーを徹底批評。炎の向こうに現代日本の歪んだ素顔が浮かぶ。朝日ニュースターで放送中の異色対談番組「学問のすゝめ」の書評シリーズから厳選収録。
感想・レビュー・書評
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佐高氏が相変わらず気を使っている
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2016/12/02:読了
普通 -
西部は右寄りの評論家で佐高は左寄りの評論家で知られている。そんな相反する2人がベストセラーにかみつく今回の本。
批判にさらされているベストセラー作家は以下の通り。勝間和代、村上春樹、内田樹、竹中平蔵、塩野七生と稲盛和夫だ。批判されて当然の人物もいるが意外な人物がやり玉に挙がっていたのでびっくりした。
竹中平蔵は非難してしかるべき人物なのでさもありなんと思った。人材派遣で有名なパソナグループ取締役会長でありながら、日本経済再生本部の「産業競争力会議」メンバーで、民間議員を務めている。これだけにとどまらない点で様々な方面から批判を浴びている。蛍のように甘い水のありかを見つけるのが上手いようだ。
サブタイトルが「妙な本が売れる変な日本」と言うだけあって、2人とも遠慮なくズバズバ切っている。
勝間和代以外の自己啓発本に関してどう思っているのか知りたかったなあ。書店に行くと必ずあるのが「何とか流で成功」、「これだけは知っておきたい何とか」と言った類の本。続編で取り上げてもらえるといいなあ。
いろいろな所から批判のメール、電話、手紙が編集部あてにやってきているだろう。信者が多い著者の含まれているからなあ。 -
対談は相手を前に、生きた言葉で語られるので、分かり易い。「言葉が難しくて、掴んだ実感が持てないけど、述べられている内容は、きっと自分の知りたいテーマなんだよな」と感じてる著者の書籍を読むガイドブックとして使える。
本書は生きた言葉で簡潔に(私にとって)良いテーマにズバっと答えてくれる。”人材とは何か”に対しては、東大を出たから、偏差値の高いから、なんかではなく、自分の経験を包括的に捉えて、なおかつ、その出来事の歴史的な由来と将来の見通しを大きく、長く捉えられる人のことだという。いい人材は軸がぶれないというが、人材は全体を大きく広く捉えるから、一貫性が生まれ、軸がぶれないのだと。そのような人材にはある種の誠実性が伴ってくるとも。
”ストラテジー”という言葉もよく使われるが、予期しない困難に遭遇してもそれを解決していく才能、これを戦略という。だから、本当の戦争を知らない(知ろうとしない)人があれこれ理屈を並べてもそれは戦略ではない。喜びを知らなければ悲しみも、悲しみを知らなければ喜びも、勇気を知らなければ細心の意味も、細心を知らなければ勇気の意味も分からないように、物事は、物凄く複雑で多種多様な二次元的なものの組み合わせによって動いている。そこにグーッと分け入るのが本当の”ストラテジー”だろう。・・・そうだと思います。 -
こないだ図書館をひらひらと歩いていたら背表紙のデザインが目にとまったので借りてみた。
『クリティーク(批判)とは他者を誹謗したり中傷したりすることではありません。批判とは、自己及び他者の表現を可能にしている想念、思念、観念そして概念といった様々な心のはたらきのクライテリオン(規準)を批評し、さらにそれらのはたらきが無効となるクリティカル・ライン(臨界線)がどこに引かれるかを判定することだと言えましょう。(あとがきより)』
→批判的なものの見かた、ってのを正しく身につけると世の中をちゃんとわかるようになるんだろうな、と思ったけど難しいな、こりゃ。 -
勝間和代さんや稲盛和夫さんの著書、というかある著書を一例にあげて著者自身を徹底的に批判しています。
基本的に、単純化された物言い、尊大な態度などが気に入らないようで、そんなものがベストセラーになる日本を批判してます。確かに物事にはなんでも両面あったり、複雑だったりと思うのですが、一冊の本がそんなふうにどっちつかずならその本は売れないだろうなあ…とも思ってしまいます。
ではなんで世間は、単純化されたものを求めるようになってしまったのかという議論はなかったです。
この方々は物事の複雑さを理解できるすごい知能をお持ちなら、理解できない人々の低能さを嘆くかわりに、それらを理解できるよう導いてくれたらよいのになーと思いました。 -
痛快に批判。
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少し前に朝日ニュースターでやっていた対談をまとめたもの。勝間和代とか村上春樹「1Q84」とか、ビジネスマンが好きな塩野七生とか稲盛和夫の本について、もうボロクソに言ってるのが最高!