- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582836479
感想・レビュー・書評
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有吉佐和子さんや有吉玉青さんの興味から読み始めましたが、すぐにソボちゃんこと秋津さんに引き込まれました。
日本の意味を持つ「秋津」と名付けられ、若い頃バタビア(現インドネシア)で暮らし、娘と孫を育て、有吉佐和子の有能な秘書でもあった祖母。
ずっと守ってきた娘の急死は、どんなにショックであったことでしょう。女性だけの家庭で、二人の作家を「育てた」祖母は偉大でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「身がわり」と重なるところもあるのだけれど、「身がわり」が母・有吉佐和子に力点が置かれているのに対し、こちらは祖母・有吉秋津への思いを描いている。
大きな仕事をする人は、一人でそれを成していることはない、としみじみ思う。それはただ傍で支えたということだけでなく、有吉秋津という人がいたからこそ、有吉佐和子という人が、人として、作家として生まれた、という繋がりを思うのだ。 -
有吉佐和子さんと阿川佐和子さんの区別もろくについていないまま読み始めた本。
タイトルどおり筆者と祖母との思い出を綴ったものではあるが、そこには強烈に母の存在がある。
厭わしいのに愛している、かくもややこしい母娘の関係。 -
若くして亡くなった祖父、離婚した父という理由で、祖母・母・一人娘の女3人家族で育った玉青さん。仕事で忙しい母・佐和子さんに変わって玉青さんを育てたのは、若いころインドンエシアで暮らしたことのある祖母だった。冒頭、玉青さんは祖母と母が住んでいたバタビアの社宅跡を訪ねる。オランダ領であった当時のバタビアを祖母はなつかしく語ってくれていたという。
ある意味、典型的なおばあちゃん子だったのであろう玉青さんが、優しい目で最愛の祖母と、母の姿を語る。