女の子よ銃を取れ

著者 :
  • 平凡社
3.46
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本棚登録 : 455
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582836592

感想・レビュー・書評

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  • 著者自身もふっきれず苦しみ続けてただろう嘆きが聞こえてくるようで、この本自体が呪いのよう。生きづらさを突きつけられて苦しかった。

  • テーマがタイトル通り「女の子よ銃を取れ」なので仕方がない内容だとは思うけれど、終始、自身のコンプレックスを振り返りそのたびにネガティブな気持ちも思い出すような内容だったので最後まで読むことが出来なかった。単純に、わたし自身が読みたいとのぞむ内容ではなかった。

    ただ雨宮さんの文章はとても好きで、強い芯が感じられるのに細部まで血が通っている。言葉選びも、文章の構成も好きなのでその点を中心に読んでみるのはいいかも知れない。

  • 過去の傷ついたエピソードなどたくさん紹介されるので苦しい気持ちにもなるけど、雨宮さんがいかにしてそこから抜け出したか、抜け出そうとしているかも書いてくれているので元気になる。

  • この人の『女子をこじらせて』というのをちょっと読んでみたいと思ったことがあったが、図書館に入る気配なく(今もない)、どういう選書かわからないが、この人のいくつかある著書のうち、この『女の子よ銃を取れ』だけが図書館に入り、借りてきてみる。

    持って帰ってきた日に、ぴらっとめくってみるが、目次を見てもそそられず、何ページかざっと読んでもあまりノらず、そのまま積んでいた。予約していた本がまとまって届き、読むなら読んで、返して、次の本を借りようと思い、読んでみる。

    なにかに似てる、これと似たようなのを読んだことがある気がする…と、読みながらしばらく考えていて、酒井順子や!と思う。ですます文体と、自己分析を絡めつつ、読者の皆さんにこうしてみてはいかがでしょうかと提案する風な文章が、私には、いっときまとまって読んだ酒井順子の文章に似たものに感じられた。

    正直あまりおもしろいと思えないまま、ほぼ惰性で読んでしまう。とはいえ、なぜ「女子」の悩みが深くなるのか、外見や内面について、ああだこうだと、まるで矛盾するようなことを同時に言われまくって(ダブルスタンダードというやつ)、そこに引っかかってしまったら、にっちもさっちもいかなくなるのは理の当然でしょう、といった分析のところは、それなりにおもしろかった。

    とりわけ若いことやカワイイことを意識させられる「日本の若い女」の毎日は、旅に出てそこから離れてみれば、ハッとするほどに息苦しいものだったりする。著者は、そういう価値観のなかでもがくほど悩んできた人であるらしい。巻頭の文章は、そういうのを、なんとかくぐり抜けてきて、書かれているようだった。

    ▼「美しくなりたい」と思う気持ちは、私の中では「自由になりたい」と、同義です。社会の圧力から、常識から、偏見から、自分の劣等感から、思い込みから、自由になりたい。いつでもどこでも、これが自分自身だと、全身でそう言いたい。「美しくなりたい」とは、私にとってはそういう気持ちです。(p.9)

    「女」になんやかやのバイアスがかかりやすい今の社会で、装いの正解がわからないし、どう転んでも納得がいかないと著者はいう。

    ▼このような男社会で、いったい、どのような服装で、どのようなふるまいをすれば受け入れられるのか、「女」というバイアスをかけずに仕事相手として対等に見てもらえるのか、私には正解がわかりません。
     そして、正解があったとしても、そのように装うことが良いことなのかどうかもわかりません。
     「女」という偏見で見ている側が悪いのに、なぜ女に生まれただけで、女の側が「その偏見を解いてください。私たちは普通の仕事仲間で人間なのです」ということを主張するファッションをしなければならないのか、納得がいかないのです。
     たとえいまが過渡期なのだとしても、時代の犠牲にならなければいけないなんて、冗談じゃない、と思います。(pp.92-93)

    「世間では、こうするのが正解なのだろう」と薄々わかっていても、私は絶対にそうしたくない、ということがよくあった。勝手に「女」の意味づけをされるようなことは、なんとしても避けたいと思っていた。20代の頃にそういう気持ちがいちばん強かったように思う。今は、そこまで「絶対に」と思わなくなったのは、歳をとってくるだけで、「女」がどうのというめんどくさいことに捕まらずにいられるようになったからかなーと思う。

    (11/21了)

  • 雨宮まみさんはフェミニストだな、と思う。叱咤激励しながらもやさしく背中をさすってくれているような本。ここには私が何年も何十年も解決出来ないままの問題へのヒントが詰まっている。親兄弟から始まり、友人、同僚、世間(特にインターネット)、ありとあらゆる方向から受ける「女性を生きること、美しくありたいと思うこと」への圧力に押し潰されている全ての人に読んで欲しい。男性にもどうか、本当に読んで欲しい。

    自分の身体のパーツがことごとく嫌いで、自分の中の自分が全てにキツい駄目出しをするので外出するのも嫌になる。でも、その自分の中の自分というのは、先取りしたつもりの“客観的な視線”で、実はただの妄想なんだよね。今まで目にした数々の呪いの言説を思い出しては何度も何度も呪いを強固にかけ直している……。またそんなグルグル思考が浮かんだら、この本のことを思い出そうと思う。

    アンダーラインを引きたくなった箇所はたくさんあるけれど、一番心が軽くなったのは、嫉妬とは強い好意の中に当然のように存在するもの、というところ。それは普通のことだから、嫉妬した自分を憎まなくてもいい。そんな風に考えたことが無かったから。

  • 戦場に放り込まれたら、、、生き残らなきゃ、、、

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    http://www.heibonsha.co.jp/book/b177597.html
    戦場のガールズ・ライフ
    http://mamiamamiya.hatenablog.com/

  • タイトルと装丁が気に入って。

    女の子なら誰しも共感できるところがあると思う。
    主にファッションの話なんだけど、
    ブランドがどうこうという服そのもののことよりも
    “服で武装すること”に対する女の子の哲学が語られる。
    雨宮さん。愛に溢れたひとであることが伝わる本。
    女の子は強く、たくましく、自由に生きるべきである。

  • 大好きだった雨宮まみ。ついに読みました。
    主観的な美しさを大切にすること、自分らしくいきることを強い理想として掲げること、それが踏みにじられる瞬間を見るたびに涙が出るほど悔しくなること。
    まるで私。
    数年前から「あなたが輝くことは社会にとって必要」で、「あなたが輝けない(というより追い詰められる、苦しめられる)のは社会が間違ってる」というスタンスをとっているので、何があろうと自分の感受性を信じて守れと何度も説く彼女に本当に共感できた。
    でも、服を着たりメイクをしたりすることに過剰なほど他者の評価を気にしているようにも感じた。職業とライフスタイルが私と全く違うからだと思うけど。キラキラした世界の苦しさを覗き見た感じ。(私は服もメイクも人並みに好きだけど、自分がやりたいことをやるために最低限~自分のテンションがあがるまで、くらいしか目的の幅がないからここまで追い詰められない)
    「美しさは自由で強靭な精神から生まれ、かわいらしさは生命力や欲望から生まれる」
    これはなんだかとても腑に落ちた。美しさの先にかわいさがあるというのもわかる。なぜ私がかわいらしさ全振りの人に苦手意識を持ちがちなのかもちょっとわかった。
    私の尊敬する、私以上にアクティブで自分の芯を持っている友人達はここ数年どんどん美しくなっている。たぶん自由と強靭な精神から生まれてる。私も誰かにジャッジされるタイプの美しさじゃなくて自由と強靭な精神から生まれる美しさがほしい。

  • 0091
    2019/01/22読了
    もうこういうの読みたい時期過ぎちゃったなー。この本を登録したときにすぐ読んでれば面白かったのかも。
    自分を受け入れよう〜。

  • 元気と勇気が出る本

    もう雨宮さんの本が読めないのは悲しい

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著者プロフィール

ライター。エッセイを中心に書評などカルチャー系の分野でも執筆。著書に『女子をこじらせて』(幻冬舎文庫)、『まじめに生きるって損ですか?』(ポット出版)など。

「2016年 『愛と欲望の雑談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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