私、子ども欲しいかもしれない。:妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました
- 平凡社 (2017年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582837612
感想・レビュー・書評
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妊娠・出産・育児にまつわる女性の様々な「どうしよう」についての声の詰まった本。子どもを持たない人、持ちたい人、子どもを産んだ人、働いている人いない人、色々な立場や考えの人に実際に話を聞き、感じたことを丁寧に受け止めて言葉にしているとても良い本でした。自分や家族の状況、性格や考え方、体調や体質、性別に関するあり方や感じ方、あるいは運や巡り合わせなど、本当に一人一人様々な「どうしよう」があり得ることを感じた。
私自身は子どもや子育てにそれなりの関心を持ち続けて来たし、妊娠も出産もこの男の身で変われるものなら変わりたいとも思ってきたけど、自分が想像できる範囲なんてたかが知れていると改めて感じた。まぁこの本を読んで色々感じても、変われるものなら、という考え自体に変化はないけれど。
この本のレビューで「もっと多くの女性に読んでほしい」というのを見かけたし、犬山さん自身も女性に向けてということで書いていますが、これは男性も含めてすべての大人が読むべきだと思う。自分が個人的に妊娠・出産に関わる関わらないに限らず、社会的に完全に無関係な人などいないのだから。にも関わらず妊娠・出産についてあまりにも知らないことが多すぎるんだ。もちろん知ったからとすべてを受け止めたり肩代わりできるわけではないけれど、知ることではじめてのできる配慮や作れる仕組みもあると思うから。
あとは、男性として読んで感じたこととしては、女性が人によってさまざまに悩んでいたりすることと同じように男性側も感じ方も考え方も、妊娠・出産への向き合い方もさまざまであるはずなんだけど、「無理解な男性」と一括りに括られてしまっているようで立場なく感じる。まぁ実際無理解や無関心がまだまだ多いのだろうし、じゃあ男性側の視点からこの本のようなものを作れる人がいるかと言われるとまだそこまで社会的に成熟していないんだろうな、とは思うけど。とはいえ、個人的にはこの妊娠・出産の話題に限らず世の男性像的なものと一緒くたに扱われることに違和感を感じることも多いので、そういうことをこの本を読みながらも感じて「あ、妊娠・出産への無理解から社会の中で感じる違和感もこういう感覚に通じるのかも」とか、だんだん本自体の中身と離れたことも考えたりしました。語り口が平易で読みやすいからこそ、自分の思考も日常の延長に飛びやすく、こういう色々感じて思考が飛んでいくのは良い本だなと思います。読んでよかったし、今後も考え続けていきたい。 -
どんな時も その瞬間を 精一杯生きる
そうすることが 色んな悩みの解決策
何を持ってるかじゃなく 自分がどう生きてるかが
大事。。なんだろうなと
気持ちが軽くなった本でした。読んで良かった。 -
36歳、夫婦で自営業
私も子供のこと考えてみました
色々な考え方が知れてよかった本
結果、私たちは
子供を産まない選択をしたけれど、
20年経っても選択が
間違ってなかったという風に思えれば
いいなと思う
子供がいてもいなくても
夫婦が仲が良ければ
人生最高だと思う -
どうしても欲しい!というわけではないけれど
結婚したら子どもを持つもの、
という固定観念も何となくあり…
いつかは自分も…などと思う節はあり。
仕事柄、不規則なシフト制で自分のことだけで
精一杯なのにこれに子どもがプラス…!?
などと現実的な部分を考えることから
逃げてしまっていました。
読み進めると、
犬山さんも割と同じようなことを
考えてらっしゃって
葛藤されていたことが分かり、
何となく肩の荷が下りたような、
身軽な気持ちになりました。
子どもを持つことだけが全てではないし、
子どもを持っても子育てが全てではない。
自分の納得のいくように生きていきたいです。 -
良本です。
まさに同じ悩みを抱えていました。
めっちゃ欲しいわけでも無いけど、私は要らないわなんて主義主張も無く、生物学的なタイムリミットはあるし、パートナーと温度差があればあるほど余計に自分がどうしたいのか迷走する。
100%母子健康なんてことはなく、命をかけるのですから。
この本のどの部分に共感できるか、本当に人それぞれだと思います。
産むか産まないかの選択を完了しても、育児に関する悩みは次から次へと、それこそ子が成人するまで生まれ出るでしょう。
「不安の9割は起こらない、まだ起こってもいない問題に悩むな」とは鉄板の教えですが、こればっかりは強制的に休職を余儀なくされ、入院が待っており、「ちょっとタンマ」がきかない新生児育児へと雪崩れ込む。
事前に悩んで決めるしかない、人生最大の難問なのかもしれません。
心の天秤が完全に水平で硬直してしまっている方、ぜひご一読を。
賛同できない意見ももちろん掲載されていますが、それも含めて先人たちの悩みの過程と下した結論が読めます。
膠着状態、思考停止、焦りばかりが…という方はぜひ手にとってみてください。 -
読み終わったけど、結局答えがまだ出ない。
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私も本当に子どもが欲しいかわからなかったし、欲しいと思うようになった今でも、自分自身の精神的な不安、経済的不安から、子孫たちがこの世の中、この地球で幸せに暮らしていけるのかの不安まで、とにかく尽きない。
犬山さんが、こんな私みたいな読者と同じ目線で思いを述べてくれているのが、とても良かった。読んでて安心することができた。
子どもを産んだ人、子どもを持たないと決めた人、同性愛者の人などいろんな状況の人たちの話を聞けて、私もより一層、それぞれの生き方を尊重したいと思った。
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私は「子どもが欲しい」と思ったことが無く、結婚したものの、出産はどうしたらいいのかモンモンとしていました。
タイトルにある「どうしよう」が自分の中で渦巻いているものの、どうやって解消するべきか、全然わからなかった。
就職も自分の納得した選択をしてきて、やりたいこともやってきたのに出産だけはどうしても「私がやりたいことなのか?」という疑問がいつもありました。
それなのに、「結婚したら出産は当たり前」「子どもを持つことは喜びで当たり前」のような【普通】を平気で投げつけてくる世間に本当に泣きたい気持ちでいっぱいでした。
この本は、犬山さんが出産に対する自分の気持ちに向き合い、色々な人の話を聞いて、悩んで悩んで考えている内容です。
私のモンモンとした気持ちも読み進むうちにスッと晴れていきました。
出産についてネガティブな考えも払拭されて、かなり道が開けました。感謝しかない。
誰が読んでも傷つかないと思います。
子ありも子なしも人それぞれでいいんだ!!って、前を向ける内容です。
その後、犬山さんは出産され、育児も旦那さんと協力してこなしています。そして虐待防止にも取り組んでいて関心します。その姿勢も「虐待に向き合えない人は向かなくていい!子育てって本当に大変だから!」という誰も置いていかない姿勢というか、本当に誰も傷つけない。 -
TVで見た時は、なんかちょっと強い女の人ってくらいしか思っていなかったけど、同じこと考えていたり共感できるところが多くて、なんか好きになった。
いろんな生き方があるけど、後先ばかり考えてもしょうがないのかなと思った。
子どもは親の付属品じゃないってことも頭では分かってても、実践出来るかは心がけ次第なんだな…。とても勇気づけられた1冊!