- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582850178
感想・レビュー・書評
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数年前に高知県の牧野植物園で、牧野さんの仕事を初めて知って以来、特にボタニカルアートとも言える、植物の写生や彼の描いた雑誌の表紙の美しさから、彼のちょっとしたファンだった。そんな彼の人間性のようなものを見られる気がして読んだ。
特に驚きだったのは、明治40年頃というのが、日本の理科教育においても、あるいは高山植物を含む植物学の分野においても重要な時期だったこと。そしてその時期に、植物図鑑の出版競争が起こっていたこと。その理由を教育史や登山史にまで求めて記した著者の情報収集の緻密さに感服した。
かなりマニアックなテーマではあったが、面白くてあっという間に読了。次回植物園にいったら、また違った見え方になりそうで楽しみ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「自負心」というものについて、考える。牧野富太郎の、植物学に対する並々ならぬ自負心。それが、村越三千男というライバルによって、よいもの、唯一のものへの強いこだわりになったのであれば、植物学の普及において、村越氏の仕事が忘れられていることは残念。エジソンとテスラ?
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浦野所有
かの有名な『牧野植物図鑑』には、発刊当時、強力なライバルが存在しました。その相手である図鑑づくりの名手・村越三千男と、牧野富太郎の生涯を追いながら、「牧野が現代の『図鑑』のひな形をつくった」という伝説の真相を探ります。牧野富太郎の破天荒な生きざまも紹介されているので、植物好きでなくても、読み物として楽しめる1冊です。 -
2008/4/5購入
2008/10/3読了