- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582850673
作品紹介・あらすじ
日本は二八もの国立公園を擁する、世界有数の自然が豊かな国だ。しかし、国立公園は野生生物保護から景観保護、林業とのあつれき、そこに暮らす人間の生活との関わりなど、さまざまな問題を抱えている。環境省の誕生で、はたして国立公園行政はよい方向へ歩み出すのだろうか。知床、釧路湿原、尾瀬、熊野、西表、屋久島、小笠原などをたずねて日本の国立公園の現状と未来を問い、自然保護とよりよい利用のために大胆な提言をする。
感想・レビュー・書評
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本書は日本の国立公園の実態を環境庁のレンジャーへのインタビューや著者の調査から、アメリカの国立公園のシステムを引き合いに出しながら批判していく内容になっている。国立公園という観点は、あまり意識しない観点だっただけに書籍をとおして実態が理解できたのは良かった。ただ、本書でも触れられてはいるが国土と人口を考慮すればアメリカ的な国立公園は日本では手の届かない理想にすぎない。そのため日本はヨーロッパの国立公園を参考にしている。だが、実際のヨーロッパの国立公園の現状について本書で語られることはなく、その点が少し腑に落ちなかった。ただ、いずれにしろ日本人の自然に対するアウェアネスの低さは頷けるところが多い。本書にもあるが、日本人は自然を風景として捉えており相当に情緒的だが、アメリカでは国立公園におけるインタープリターしかり活動が非常に実践的で、その分、アメリカ人は生態系という観点で自然が認識できているのかもしれない。つまり、日本人は情緒的で自然が好きだと思うんだが、好きなだけで何も学んでいないということか。自分にも思い当たる節が多い。しかし、自然って難しいなと最終的に悩んでしまった。簡単に定義を試みると自然とは個々の生物の生態系の循環のその均整が取れている状態とその美しさを言うんだろうけど、人間って何なのだろう。人間も含めて自然なのだろうか、それとも人間は除外すべきなのか。そういう意味では、基本的にはアメリカの国立公園は近代的な人間は除外している。アメリカの国立公園の自然では人間はあくまで自然の中にゲストとして存在している印象だ。しかし、日本の多くの国立公園はその中で町や村があり人間が生活している生活のフィールドである。そこで人間の及ぼす作用はどう考えたら良いのだろう。
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日本の国立公園についてもインターン前に勉強しようと思って借りてみた。アメリカのnational park serviceと日本の国立公園局の違いに愕然とした。どんだけお粗末なんだ日本の自然保護行政って…ととても悲しくなった。でも、2000年の話だから、さすがに今は改善されてると願いたい。
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<a href="http://loggedreviews.blogspot.com/2009/02/unbelievable-truth.html" target="_blank">read review: レビューを読む:</a>
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表面的な内容に終始していて、内容が浅い。なぜ、林野庁職員へのインタビューがないのか、不思議でしょうがない。