新書270日中はなぜわかり合えないのか (平凡社新書 270)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 59
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582852707

作品紹介・あらすじ

二〇〇四年のサッカー・アジアカップでは、中国人の間で高まっていた反日感情が一気に爆発した。一方、日本でもここ数年の間、中国脅威論や反中国を煽る言説が目立ち、嫌中ムードが広がっている。両国の感情対立はなぜ、ここまで深刻化したのか?今の状況を打破するためには、何が必要なのか?来日二〇年の中国人ジャーナリストが、日中関係の根本にメスを入れ、今後の関係のあり方を指し示す。

感想・レビュー・書評

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  •  出版から時間がたってしまったので、当時の日中関係と今は違うので、そのまま今に当てはめてしまうのは無理があるが、著者の予測していた通り、昨今の溝の深まりは大きい。中国でのインターネットの普及は分かり合えるひとつのツールとして、楽観的な見方をしていたが、双方の国民に関心度が低くなりつつあり、その有効性も低くなっているようだ。
     本書の中で指摘しているように、人的パイプは脆弱化しているし、中国国内での親日的文書が出されると日本のマスコミは浮き足立ち、その一方で発表した当人は地位を追われる。こんな状態が続き、さらに中国の国際社会の中での発言権が強まりつつある今日、すます戦略的になる中国を知るのに在日の中国人の著者な様人材がパイプとなり、両国に対して発信して欲しいと思う。
     それすら厳しい中国の言論事情かもしれないが・・・・

  • 日中間の溝は日本が作ったと、うんざりになるほどに書かれてある。

    ただし、中国市場の捉え方を考慮すれば
    日系企業は中国人のご機嫌を取らなきゃいけないのも事実。

    しかし、それと歴史問題と領土問題は別物。
    日本政府は日本国の国益を熟考した上での発言と行動を。

  • 現在の反日感情・反中感情が何故高まったのか、隣国同士今後どうするべきかを述べた本。読んでみると、自分がいかに現実を知らずにメディアが流す反中ムードに流されていたかがよく分かる。中国はお隣さんである以上、仕事にも関わってきているので、もっと事実を知って自分の中で整理してみたいという思いに駆られました。幸い著者は別な本でも色々中国の本を出しているようなので探してみようかと思います。

  • 日中間の人的交流パイプの老朽化が進む。日系企業は、「企業市民活動」を進めるべき。

  • [ 内容 ]
    二〇〇四年のサッカー・アジアカップでは、中国人の間で高まっていた反日感情が一気に爆発した。
    一方、日本でもここ数年の間、中国脅威論や反中国を煽る言説が目立ち、嫌中ムードが広がっている。
    両国の感情対立はなぜ、ここまで深刻化したのか?
    今の状況を打破するためには、何が必要なのか?
    来日二〇年の中国人ジャーナリストが、日中関係の根本にメスを入れ、今後の関係のあり方を指し示す。

    [ 目次 ]
    第1章 サッカーで爆発した反日感情
    第2章 「反中国」を煽る日本のメディア
    第3章 多チャンネル時代を迎えた中国
    第4章 無視できないインターネット世論
    第5章 中国共産党の危機意識
    第6章 中国人から失われた日本への敬意
    第7章 人的パイプが老朽化した日中関係
    第8章 さらに揺れ動く中国
    第9章 日本を知らない「対日新思考」論者
    第10章 東アジア経済共同体時代へ

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    [ 参考となる書評 ]

  • 企業市民活動を強化して、地元社会へ溶け込み、その一員になることだ。

  • 沢山の事例を挙げ示唆を加えている点ではとても参考になる。
    しかし、日本人に対する示唆が大半で、具体的な作者の構想が見えてこない。もう1章付けたし、作者の具体的な考えが欲しい。
    日中関係は相互努力で構築と言うのならば、もう少し中国に対しても示唆を加える、または中国でも似たような本を出版すべきではと思った。

  • 知日家によるタイムリーな出版。これを読むと日本人は中国人のことを知る努力が足りないのかとも思うが、知ったとしても中国人を喜ばせることができるかどうか疑問な点もある。ドイツに対する中国人の好感度のよさの紹介も日本に対する当てつけなような気もする。対日批判に対する批判もちょっと弱い。というより、中国で、本気で日本擁護をした人はその後の言論を抹殺される危険性があるから、思い切ってする人がでてこないのだろう。

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