- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582853070
作品紹介・あらすじ
その療養所は柊の垣根で囲まれていた。迎えてくれた元ハンセン病患者の尚幸さんは、これまでの壮絶な人生と、家族との関わりを淡々と語ってくれた。そして聖書のサマリヤ人の譬えをひいて、ハンセン病患者の真の「隣人」とは誰か、とたずねた。「隣人」になるために、私たちに出来ることはなにか。丁寧な取材と鋭い問題意識から書かれた、『信濃毎日新聞』連載の渾身のルポルタージュ。
感想・レビュー・書評
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先週、やっと、というか、初めて、国立ハンセン病資料館に行った。近くをバスで通ったことはあって、「全生園」というバス停に、「あ、ここか…」と思った。でも、それだけで終わってしまい、内心、ちょっと後ろめたかった。
行ってみて、そこにあったものを見て、足を読み進めていくうちに、あっというまに時は経った(時間がもう少しあったらと思うほど)。言葉にならない。重い。後ろめたい。人が公然と人を傷つけていることの事実にただただ圧倒された。
そして、この本を見つけた。「他者」を見る「自己」の重みをもっと考えなければ。「自己」を見る「他者」についてもっともっと考えなければ。
北条民雄も読んだが…またこの病に関わる書物を読み直そう、過去ではなく、現在に続く出来事の物語として。
そんなきっかけになった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいて息が詰まりそうなぐらい重かった
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「ハンセン病が『日常生活ではほとんどうつらない』ことを確認して、どこかでほっとしている自分もいた」。
序章において、信濃毎日新聞の記者が、自らの心情を飾らず赤裸々に語っているところに好感を持てた。記者とはいえ、どこにでもいそうな1人の人間なのだなと共感できた。
ハンセン病に対する無理解を痛感。
(2012.1.9) -
信濃毎日新聞の記事を書籍化したもの。ハンセン病患者だけではなく、彼らを取り巻く様々な人々のあり方を問うている。
ハンセン病療養所の職員にもスポットライトを当てて、彼らの苦悩もきちんと描いているところが特徴的だった。他のハンセン病関連の本にはなかった。
ハンセン病問題を単なる悲劇として終わらせまいとする著者の意気込みが伝わってきた。こういう新聞記者は貴重だよなあ。 -
むずかしい問題だなぁ、と。
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差別って何なんだろう…と考えさせらた。イメージって恐いなと思う。自分が差別しないかって言ったら嘘になるしな。差別とか偏見とか、誰かによって作り出されているような気もする。
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