- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582853858
作品紹介・あらすじ
交渉には「確かな方法」がある。それは、単なる経験として語られるものではなく、理論の裏づけがなければならない。数多くの案件を、誰よりも早く、そして円満に解決し続けてきた弁護士が、交渉に必須の「論理」と「心理」をわかりやすく伝授。確実に身につき、役立つ、実戦で負けない交渉術。
感想・レビュー・書評
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交渉は相手が誰であれ対等。
まず話を聴く。聴くことがコミュニケーションのもっとも根本的な要素。
相手に話をさせることで相手の主張を全て出させる。その後、こちらが話をする。
交渉の参加者には事前の相談、事前の一言を忘れない。
小さな貸しから譲歩を引き出す(door in the faceテクニック)
YESを重ねて条件を引き出す(foot in the doorテクニック)
権威ある材料が多くあると交渉のイニシアティブを取り易い。
情報伝達の手段としてストーリーが効果的。それは相手の頭脳だけでなく心情に訴える。
交渉の場で心情に訴えるには身近な具体例がよい。ストーリーの構成は誘引、期待、満足。
ゲーム理論は相手の行動を想定して戦略を立てる際に有効である。
交渉力を強化するにはコミットメントが効く。背水の陣で望むことも必要である。またシグナリングを使い自分の立場を戦略的に良くすることも出来る。つまり相手に自分の情報を送り相手を牽制する戦略も有効である。
主張を論理的に展開するツールがクリティカルシンキング。そのツールには演繹法と帰納法がある。これはあくまで仮説を立てる為のツールである。交渉にあたっては事前に幾つかの仮説を立てて臨むことが大切である。また相手を説得する為には当方の主張をピラミッド構造に組み立ててしっかりとした理由づけが不可欠。かつ相手のピラミッド構造を把握することで的確な反論も可能になる。
ピラミッド構造とは主張、結論を設定してその下に理由や根拠を記し、さらにその下にその理由や根拠が出てきた事実を記す。
大切な交渉の時は服装にも気を配る。話し方も重要である。時間を限定して相手の決断を促す。交渉場所はホームが必ずしも有利ではないが、近場の方がよい。内部に強硬派、悪者を作り言いにくい回答を言う。いわゆるなだめたり、すかしたりすることが有効である。別れ際の雑談にも注意する。情報は色々な所から漏れる。
新書で読み易い。自分にも気を付けて取り入れる。
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交渉の参加者には「事前の相談」「事後の一言」を忘れない。情報を出すよりも相手の情報をまず先に引き出す。
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弁護士の著者が、文字通り人を動かすための交渉術を指南した一冊。
著者の実体験を通じて書かれてる分も多く、説得力があった。 -
「パワーポイントでは人は動かない」というストーリー理論は交渉術本の中では異色の提言。ゲーム理論で落とし所を決めるというのも当たり前のようで中々できていないのかも。
全体的には営業的交渉の入門編という感じで、よくまとまっているとは思う。対立的交渉への対応が弱い。 -
弁護士が書いた交渉術。
それを前提に読むことで役に立つことが多い。
ゲーム理論 -
•大切な交渉の時は服装に気を配る
•話し方に注意する。ボイストレーニングは思いのほか効果がある。
•時間を限定して、相手の決断を促す。
•交渉場所はホームが、絶対有利とは限らないが、場所は近い方が良い。
•当方内部に強硬派を作る。
•別れ際の雑談には注意する。 -
使える。
分かりやすい記述。
各章ごとに要約とポイントがあり、設問を通して理解しているか否か概ね確認できる。