論理と心理で攻める 人を動かす交渉術 (平凡社新書 385)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582853858

作品紹介・あらすじ

交渉には「確かな方法」がある。それは、単なる経験として語られるものではなく、理論の裏づけがなければならない。数多くの案件を、誰よりも早く、そして円満に解決し続けてきた弁護士が、交渉に必須の「論理」と「心理」をわかりやすく伝授。確実に身につき、役立つ、実戦で負けない交渉術。

感想・レビュー・書評

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  • 交渉は相手が誰であれ対等。
    まず話を聴く。聴くことがコミュニケーションのもっとも根本的な要素。
    相手に話をさせることで相手の主張を全て出させる。その後、こちらが話をする。
    交渉の参加者には事前の相談、事前の一言を忘れない。
    小さな貸しから譲歩を引き出す(door in the faceテクニック)
    YESを重ねて条件を引き出す(foot in the doorテクニック)
    権威ある材料が多くあると交渉のイニシアティブを取り易い。
    情報伝達の手段としてストーリーが効果的。それは相手の頭脳だけでなく心情に訴える。
    交渉の場で心情に訴えるには身近な具体例がよい。ストーリーの構成は誘引、期待、満足。
    ゲーム理論は相手の行動を想定して戦略を立てる際に有効である。
    交渉力を強化するにはコミットメントが効く。背水の陣で望むことも必要である。またシグナリングを使い自分の立場を戦略的に良くすることも出来る。つまり相手に自分の情報を送り相手を牽制する戦略も有効である。
    主張を論理的に展開するツールがクリティカルシンキング。そのツールには演繹法と帰納法がある。これはあくまで仮説を立てる為のツールである。交渉にあたっては事前に幾つかの仮説を立てて臨むことが大切である。また相手を説得する為には当方の主張をピラミッド構造に組み立ててしっかりとした理由づけが不可欠。かつ相手のピラミッド構造を把握することで的確な反論も可能になる。
    ピラミッド構造とは主張、結論を設定してその下に理由や根拠を記し、さらにその下にその理由や根拠が出てきた事実を記す。
    大切な交渉の時は服装にも気を配る。話し方も重要である。時間を限定して相手の決断を促す。交渉場所はホームが必ずしも有利ではないが、近場の方がよい。内部に強硬派、悪者を作り言いにくい回答を言う。いわゆるなだめたり、すかしたりすることが有効である。別れ際の雑談にも注意する。情報は色々な所から漏れる。
    新書で読み易い。自分にも気を付けて取り入れる。

  • 交渉の参加者には「事前の相談」「事後の一言」を忘れない。情報を出すよりも相手の情報をまず先に引き出す。

  • 弁護士の著者が、文字通り人を動かすための交渉術を指南した一冊。

    著者の実体験を通じて書かれてる分も多く、説得力があった。

  • 交渉術を非常に読みやすくまとめた本
    深く突っ込んで書いていないので、実践的とも思える。
    少し気になるのが著者の過去実例が「自慢」とも取れる
    書き方となっておいる点。また実例をあげるときに
    「私の記憶では●●だったので、実際には違うかも
    しれませんが」といった表現。(確かに重要な要素
    ではないが、それならば調べるか、書かなければよいのに)

    交渉術を色々と勉強している人には全く役に立たないが
    興味をもって勉強をしてみようか、という人には最適な
    本ではなかろうか

    ●メモ
    ・交渉相手はどのような人物であれ「常識を備えた対等な
     人間」と考える
    ・常に丁寧な話し方を続ければ、相手も感化される
    ・相手の主張を理解するところから始める
    ・相手とのつながりを見つけて、空気を和ませる
     (和解の方向をつくる)
    ・人は決定に不満がなくても、プロセスに不満があれば
     不満をもつ
    ・権威の材料を沢山持つと説得性が増す
    ・プレゼンテーションではストーリーを作る
     誘因→期待→満足
    ・Aさんは550万円以内で買いたい
     Bさんは500万円以上で売りたい
     この50万円のパイをどう分けるかが交渉
    ・裁判では敗訴することもある。
     敗訴の論理が間違っているわけではない。
     ロジックがすべてではない
    ・言葉よりも相手が受け取る情報は「声の威力」が大きい

  • 「パワーポイントでは人は動かない」というストーリー理論は交渉術本の中では異色の提言。ゲーム理論で落とし所を決めるというのも当たり前のようで中々できていないのかも。
    全体的には営業的交渉の入門編という感じで、よくまとまっているとは思う。対立的交渉への対応が弱い。

  • 弁護士の方が書いた、交渉術。ただし中身はやや学術的で実用性については少しかける。事例も弁護士業務に偏った内容。タイトル負けな本。
    --------------------
    ・企業間の交渉においては服装は出来るだけきちっとしたものを選びましょう。われわれの心理には白衣が「権威」の象徴として映るようになり、白衣の人が言うことを信じてしまいやすいようになる。

    ・相手から先に条件を出させることが重要。
    「ご予算はいかほどでしょうか」に対しては
    「この車は実際のところ、どこまで値引きしてくれますか」という質問を返すべき

  •  弁護士が書いた交渉術。

     それを前提に読むことで役に立つことが多い。

     ゲーム理論

  • どこかで読んだような内容だな~と思ったらカーネギーの「人を動かす」じゃないですか。あれはやぱり名著なんだと再確認。

  • •大切な交渉の時は服装に気を配る
    •話し方に注意する。ボイストレーニングは思いのほか効果がある。
    •時間を限定して、相手の決断を促す。
    •交渉場所はホームが、絶対有利とは限らないが、場所は近い方が良い。
    •当方内部に強硬派を作る。
    •別れ際の雑談には注意する。

  • 使える。
    分かりやすい記述。
    各章ごとに要約とポイントがあり、設問を通して理解しているか否か概ね確認できる。

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著者プロフィール

荘司雅彦(しょうじ・まさひこ)
1958年、三重県生まれ。81年、東京大学法学部卒業、旧日本長期信用銀行入行。85年、野村證券投資信託入社、86年9月、同退社。88年、司法試験合格。91年、弁護士登録。2008年、平均的弁護士の約10倍の案件を処理する傍ら、各種行政委員会委員等も歴任。元SBI大学院大学教授。
『中学受験BIBLE』『最短で結果が出る超勉強法』『最短で結果が出る超仕事術』(いずれも講談社)、『荘司雅彦の法律力養成講座』(日本実業出版社)、『小説離婚裁判』(講談社文庫)など著書多数。『男と女の法律戦略』(講談社)はドラマ「離婚弁護士II」の脚本に、弁護士の戦略として採用される。また「こたえてちょーだい! 」(フジテレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)などテレビ、ラジオに多数出演経験あり。現在、サイバー大学客員教授として「六法と法哲学」を担当、NewsPicksのフォロワー数は10万人を超える。

「2022年 『すぐに結果を出せる すごい集中力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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