魯山人の美食―食の天才の献立 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 62
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582854275

作品紹介・あらすじ

「美食にあらざれば食うべからず」-北大路魯山人は、書、陶芸、篆刻など多方面で活躍したが、食を極めた人でもあった。彼の料理は、特別な食材や調理法によるものではなく、素材の持ち味を最大限に引き出すことを求めたものである。『知られざる魯山人』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著者が、魯山人の愛した三〇の料理から、その美食哲学を明らかにする。「すき焼き」「納豆雑炊」「まぐろ茶漬」「味噌汁」…、魯山人料理の"かんどころ"がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 食を追及する姿勢に感心。でもこの本に掲載されている魯山人風すき焼きの作り方はうまくない。

  • 新書文庫

  • 私は粉わさびも好き。

  • 魯山人展を見に行く前に読んだ。
    天味。自然。出し汁。山葵。

    もっと魯山人について知りたくなった。

  • まだ歴史と呼ぶには浅いくらいに近い過去。こちらは知らずとも当時を知る年代のお方も多く、あれこれ逸話を伝え聞く。そういう人物は却ってイメージが定まらない、魯山人もその内に入ると思う。
    この本はその魯山人の料理に対する姿勢や考え方を本人の言葉のほか、レシピや風聞も交えて紹介している。
    魯山人という人物については柔軟であり頑固、嫌味なようで実直と結局見方が定まらない。ただし、「美味いものを食べた」ではなく、「美味く食べた」という意味での美食家であるという著者の評には納得。こればかりは誰もが見習うべき姿勢であると思う。限度というものもあるけれど。

  • [ 内容 ]
    「美食にあらざれば食うべからず」―北大路魯山人は、書、陶芸、篆刻など多方面で活躍したが、食を極めた人でもあった。
    彼の料理は、特別な食材や調理法によるものではなく、素材の持ち味を最大限に引き出すことを求めたものである。
    『知られざる魯山人』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著者が、魯山人の愛した三〇の料理から、その美食哲学を明らかにする。
    「すき焼き」「納豆雑炊」「まぐろ茶漬」「味噌汁」…、魯山人料理の“かんどころ” がここにある。

    [ 目次 ]
    第1部 美食の哲学(持ち味を味わう 美味いものを食べるのではなく、美味く食べる
    料理は真心と聡明さ)
    第2部 魯山人を食べる(雑炊とお茶漬―「贅沢な味」の追究 山葵と鮑―おろし方が味を決める すき焼きと湯豆腐―鍋ものの革命 季節の味覚―時を逃さぬ一品)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 料理というより「もてなしとは何ぞや」ということが語られている。

  • 素材を活かす・・・。

    素材選びと素質を生かす料理方法に焦点を絞った料理方法にこだわる。



  • 2008年7月15日初版第一刷
    ビール党で料理の真髄はあくまでも家庭料理にあるとした魯山人の美食の30品ほど。大まかなレシピと天才な人となり。
    時代は進み、家庭に冷蔵庫&冷凍庫があり、山国の信州松本でも日本海で朝とれた魚が午前中のうちにスーパーに並ぶ。
    魯山人の美食のレシピは古めかしく思うものもあるが、料理の哲学は普遍的なものだ。
    1.持ち味を味わう
    2.美味いものを食べるのではなく美味く食べる
    3.料理は真心と聡明さ

    魯山人は、昭和29年、パリの3星レストランで、シェフ自慢のソースを断り、丸ごと焼いた鴨を自ら持参したわさび醤油で食べた(同席は大岡昇平)とある。

    忘れもしない。
    まだ、ステーキが最高級のご馳走だった20年前、わが家族はアメリカでしこたまステーキを食べていた。魚よりずっと安いから遠慮なく。アメリカにはフランス料理のこったソースなどあるわけはなく。醤油はアメリカ味のキッコーマンなのでまずく塩で。コショウは新鮮でおいしく。まるで手抜きのただの塩コショウ、それがおいしいのだった。
    コロンブスがコショウを求めて冒険にでたのがよくわかる。肉食のヨーロッパで高く売れる。
    帰国後半年ぐらいして、夫の上司たちと一流レストランにてフレンチのコースをいただいた。かなり出費なコース。私と夫は牛肉に飢えていた。メインには牛ヒレステーキ。ミディアムレア。満足いく大きい塊だった。夫と私は塩コショウを取り合った。食べる分だけ切って食べる分だけに塩コショウ。軟らかくてくさくなく、アメリカのスー
    パーで買った肉より、ずっとおいしい。松坂とか、飛騨とかブランド牛なのでしょうねとメニューを思い出そうとキョロキョロ。
    気がつくと横にシェフさんが立ってらして「こちらがお肉のソースです」と。さりげなく私たちが肉のソースに気づかなかったように教えてくださる。赤面。気づかなかったわけではない。私たちは塩コショウで食べたいのだった。しかし、ここはソースを食べる一流フレンチレストラン。しぶしぶソースでいただくが、私には肉の魅力が半減してしまった。食欲が数日たった風船のようになってしまった。意を決してシェフさんが見てないだろうときに、ステーキの残り全部にさっと塩コショウをかけた(ごめんなさいシェフさん)
    なのに。夫はというと「塩コショウまわして」と堂々と。おいおい。
    いまでも、ステーキにするたびにソースはどうしようかと悩むが、結局は、塩コショウになる。

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著者プロフィール

1946年富山県生まれ。作家。『インド ミニアチュール幻想』(平凡社/文春文庫)で講談社ノンフィクション賞、『知られざる魯山人』(文藝春秋/文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。その他の著書に『魯山人の美食』(平凡社新書)、『インドの大道商人』(平凡社/講談社文庫)、『21世紀のインド人』『魯山人の書』(いずれも平凡社)、『瀑流』(文藝春秋)、『夢境 北大路魯山人の作品と軌跡』(淡交社)などがある。

「2019年 『永遠なれ 魯山人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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