新書524ジョージ・ベストがいた (平凡社新書 524)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582855241

作品紹介・あらすじ

様々な若者文化が円熟期を迎えた1960年代英国、一人のサッカー選手が彗星のごとく現れた。彼の名はジョージ・ベスト。卓越した技術とその人気から「5人目のビートルズ」と呼ばれ、"Maradona good,Pele better,George Best!"と言われた彼こそ、正真正銘のスーパースターだった-死してなお人々を魅了し続ける「ベルファスト・ボーイ」の栄光と挫折の物語。

感想・レビュー・書評

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  •  マンチェスター・ユナイテッドの英雄、第5のビートルズ、ベッカムの大先輩。題名からして楽しい本である。ベストがいかに魅力あるプレーで若い女性を含む多くの人を魅了していったのか。TV中継もない時代だけに、新聞記者のベストのプレーに対する評が詩的表現に富んでいると思う。北アイルランドのプロテスタントの家庭出身でありながら、南北アイルランド、イギリス全体から支持されたプレーが目の当たりに印象づけられた。
    1963年17歳で初プロ契約を結んだ際、週休17ポンドという労働者としての給与(Wage)から始まったとは面白い。

  • ジョージ・ベストの伝記的1冊。

    本人の望む望まざるにかかわらず、一大センセーションになってしまったベスト。

    たらればで話しても仕方ないけど、彼をクラブがもっと守れていればユナイテッドは違ったのかもしれないし、彼の経験があったから今のユナイテッドがあるのかもしれない。

  • 少年時代からマンチェスター・ユナイテッドに加入し、退団までの私生活からフットボールへの取り組みを主に綴った作品。ベスト以外にも当時ユナイテッドでプレイした選手の名前やサー・マット・バズビーの言葉が出たりと、当時のファンは懐かしめるし、その事態を知らないファンにとっても色々しれる一冊かと

  • [ 内容 ]
    様々な若者文化が円熟期を迎えた1960年代英国、一人のサッカー選手が彗星のごとく現れた。
    彼の名はジョージ・ベスト。
    卓越した技術とその人気から「5人目のビートルズ」と呼ばれ、“Maradona good,Pele better,George Best!”と言われた彼こそ、正真正銘のスーパースターだった―死してなお人々を魅了し続ける「ベルファスト・ボーイ」の栄光と挫折の物語。

    [ 目次 ]
    序章 ジョージ・ベストの葬儀の日
    第1章 ベルファストの少年―一九四六‐一九六一年
    第2章 バズビーの子どもたち―一九五八‐一九六三年
    第3章 少年ベスト、輝く―一九六三‐一九六五年
    第4章 「エル・ビートル」の魔法の夜―一九六五‐一九六六年
    第5章 バズビーの聖杯探求―一九六六‐一九六七年
    第6章 聖杯の成就―一九六七‐一九六八年
    第7章 ベスト、ユナイテッド、崩れる―一九六八‐一九七四年
    終章 ピッチへ、歓声のなかへ

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    [ 参考となる書評 ]

  •  マンチェスターユナイテッド(マンU)の7番、といえばクリスチアーノ・ロナウド、ディビッド・ベッカム、エリック・カントナ、と、その時代を象徴するビッグスターが受け継いできた番号だ。
     その7番を7番たるならしめた、「元祖マンUの7番」がジョージ・ベストである。

     本書では、60年代のイギリス-第二次大戦後の復興期という「忍耐」期を経て繁栄の新しい時代、イングランドと北アイルランドの関係を背景に、ジョージ・ベストの生涯を紹介している。

     フットボールの天才であり、ピッチ内外での言動が注目されるスターであり、それによってもたらされる莫大な収入による派手な生活や無謀なサイドビジネス、そしてアルコール依存症と、華々しい一面がある一方で、対照的に、大きな問題も抱えていた彼の人生は、この時代にフットボールの才能を持って生まれてきた運命なのだろう。

     まず、この時代にプロフットボールの世界が大きく変わる。サラリーキャップがなくなり、プロで活躍することは莫大な収入につながるという図式はこの時代に築かれた。
     フットボール選手が芸能人のような扱われ方をされ、そのファッションが話題になったり、プライベートの様子がゴシップ誌に取り上げられるようになったのもこの時代、まさにジョージ・ベストの登場によって始まる。

     本書前半部分は、ジョージ・ベストの活躍と同時に、所属したマンUの歴史が同時にみてとれる。絶頂期にあったチームが、ミュンヘンの遠征から帰国する際の飛行機事故で主要選手を失い、再び復活するその時期にジョージ・ベストが登場。また、一時代の終り、マンUの低迷期と同時に、アルコールに依存していくジョージ・ベスト・・・。

     諸々の要素が絡み合い、ジョージ・ベストという大スターが誕生し、そして大スターが「崩壊」してしまった。その最期は、読んでいても胸が苦しくなる思いなのだが、そんな、プラスの意味でもマイナスの意味でもドラマチックな人生はやはり永遠のスターならではなのだろう。

  • 2010/10/25購入
    2013/7/14読了

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著者プロフィール

日本女子大学文学部教授。英文学専攻。明治大学大学院文学研究科博士後期課程退学。主な著書に『増補 オーウェルのマザー・グース――歌の力、語りの力』(岩波現代文庫、2021年)、『ジョージ・オーウェル――「人間らしさ」への讃歌』(岩波新書、2020年)、『葉蘭をめぐる冒険――イギリス文化・文学論』(みすず書房、2013年)、『ジョージ・ベストがいた――マンチェスター・ユナイテッドの伝説』(平凡社新書、2010年)、主な訳書に、オーウェル『動物農場――おとぎばなし』(岩波文庫、2009年)、『オーウェル評論集』(編、共訳、平凡社ライブラリー)などがある。

「2022年 『オーウェル『一九八四年』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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