- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582856484
感想・レビュー・書評
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幅広い知識を持っていることは素晴らしいことであるが、どうしても広く浅くなってしまうことが多い。
本書は、「人類の誕生から、現代の文明社会にいたる、長い歴史をまとめて俯瞰する解説書」という意欲を語っているが、やはり「広く浅く」としか言い様がないと思った。
「人類の進化」についての知見は、最新の知識が散りばめられているが、根拠の薄い断定が多いように思える。「発情期と体毛を失った理由」などは、誰しもが興味と疑問を抱く人類学の謎ではあるが、いまだ確定された学説がない中での断定口調は、むしろ「エッセイ」に向いているのではないか。
本書は「人類の進化」と「文明社会の進化」との構成になっているが、この二つがどのように関連するのか、読んでもよくわからない。
著者のはば広い知識には驚くが、深さにはちょっと疑問を抱く。本書は残念な本であると思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何が書きたかったのか、よくわからなかった。。。タイトルと内容に、非常に乖離がみられるというか、なんというか・・・。
まず、ダーウィンの悪口に始まり、ラマルクの用不用説こそ進化を説明できる、と豪語するが、ダーウィン憎しのあまり、ラマルクの進化論の優位性の説明が足りないような・・・読者が膝を打つような、ラマルク押しがあれば面白かったのに・・・。ダーウィン進化論のダメさをあげつらなう際の、フリーダムな論調自体は、結構面白かったのだけれど・・・週刊誌みたいで。
それから、主にヨーロッパ人の悪行の数々をあげつらね、人類の野蛮性に目を向ける。そして、天才たちの偉業のピックアップ・・・だけど、なんだろうな、学術説明から離れると、急に文章が散漫とするというか・・・。
そして唐突に生物の学術的な話に戻り、最後は「最近の若者は」的小言で終わる。
他の進化論の本では、大体ダーウィンが神にも等しく、ダーウィンを疑う、などということはあまりないので、そういう意味では新鮮であった。