人類はなぜ短期間で進化できたのか (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
2.11
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本棚登録 : 44
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582856484

感想・レビュー・書評

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  •  幅広い知識を持っていることは素晴らしいことであるが、どうしても広く浅くなってしまうことが多い。
     本書は、「人類の誕生から、現代の文明社会にいたる、長い歴史をまとめて俯瞰する解説書」という意欲を語っているが、やはり「広く浅く」としか言い様がないと思った。
     「人類の進化」についての知見は、最新の知識が散りばめられているが、根拠の薄い断定が多いように思える。「発情期と体毛を失った理由」などは、誰しもが興味と疑問を抱く人類学の謎ではあるが、いまだ確定された学説がない中での断定口調は、むしろ「エッセイ」に向いているのではないか。
     本書は「人類の進化」と「文明社会の進化」との構成になっているが、この二つがどのように関連するのか、読んでもよくわからない。
     著者のはば広い知識には驚くが、深さにはちょっと疑問を抱く。本書は残念な本であると思った。

  • 何が書きたかったのか、よくわからなかった。。。タイトルと内容に、非常に乖離がみられるというか、なんというか・・・。

    まず、ダーウィンの悪口に始まり、ラマルクの用不用説こそ進化を説明できる、と豪語するが、ダーウィン憎しのあまり、ラマルクの進化論の優位性の説明が足りないような・・・読者が膝を打つような、ラマルク押しがあれば面白かったのに・・・。ダーウィン進化論のダメさをあげつらなう際の、フリーダムな論調自体は、結構面白かったのだけれど・・・週刊誌みたいで。
    それから、主にヨーロッパ人の悪行の数々をあげつらね、人類の野蛮性に目を向ける。そして、天才たちの偉業のピックアップ・・・だけど、なんだろうな、学術説明から離れると、急に文章が散漫とするというか・・・。
    そして唐突に生物の学術的な話に戻り、最後は「最近の若者は」的小言で終わる。

    他の進化論の本では、大体ダーウィンが神にも等しく、ダーウィンを疑う、などということはあまりないので、そういう意味では新鮮であった。

著者プロフィール

帝京大学名誉教授

「2021年 『筋収縮の謎 研究の歴史とこれからの課題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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