忘れられた俳人 河東碧梧桐 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 31
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582856491

作品紹介・あらすじ

虚子と並び近代俳句を拓いた二大俳人、碧梧桐。子規亡き後、俳句革新を推し進めるべく一念発起、ひとり全国行脚「三千里」の旅に発つ。その歩きっぷりに惚れ込んだ詩人が歴史に埋もれた巨人の足跡を丹念に辿り直し、独自の語り口で現代によみがえらせる。

感想・レビュー・書評

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  • 最初にマイナス点。
    著者が碧梧桐好きすぎて、熱すぎる(笑)その所為か口語体過ぎて読み難い。著者の好みで話が進み過ぎて、置いていかれます。これはこの本には書かないけれど…とか、これだけは書いておくが…のような。
    子規と虚子についてはかなり読み込んできたつもりで、今度は碧梧桐を…と思い、入門書のつもり(新書だし)で手に取ったら、いきなりハードルが高い気がしてしましました。

    良い点。
    著者が碧梧桐好きすぎて、熱すぎます!虚子の保守的ラッキーボーイ的立場はどうも好きになれず、花鳥諷詠と云う解りやすいテーマで社会的に生き残ったような気もしてならない(勿論子規も、万葉は褒めていましたので、間違いでは無いのですが)それに対しての、碧梧桐の奔放さ!歩きまくり、書きまくり、興味のある事を始めては極め、人を残し立てて、気負わず、それでそっと退いても新しい足場で自分らしい生活を築くという…。この本に書かれている様な好人物であるなら、もっと再評価されるべきだと思いました。
    子規がもし、元気で生きながらえていたら、虚子よりも碧梧桐の様な生き方をしたんじゃないかなーなどと妄想も捗ります。
    あと、自然主義傾向がある点もそうですが、若山牧水とも被りますね。

  • 生い立ちからの生涯を追った評伝。
    作者の碧梧桐大好きという思いが文章からあふれていて、語り口調のような文体が楽しい。
    俳句、書、旅、登山と、多方面で自由闊達に活動した河東碧梧桐。読後、もっと彼について知りたくなりました。

  • 碧梧桐の三千里の行脚を駆け足で。子規の弟子ぐらいの認識しかなかったけれど、虚子にくらべて奔放な人だったんだなぁ。

  • 子規の弟子であり、日本全国を歩きながら大量の新傾向俳句、自由律俳句を残した河東碧梧桐。歩く人である彼を偶然知った詩人が、あまりにも忘れられているこの偉大な俳人の足跡を、「三千里」「続三千里」の旅程に沿って描く。のではあるが、うーん、あまりに熱をこめてプレゼンされると、ちょっと引いてしまうなあ。あと「これがだが」とか「それがだが」とか、ちょっと引っかかる言い回しも気になる。でも碧梧桐についてはちゃんと読まないとなあ、と思ってはおります。あと、門人の投句への添削については、もっと詳しく知りたい、と思ったですよ。

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著者プロフィール

1945年福井県生まれ。72年、『惨事』(国文社)でデビュー。代表的な詩集に『正津勉詩集』『死ノ歌』『遊山』(いずれも思潮社)があるほか、小説『笑いかわせみ』『小説尾形亀之助』『河童芋銭』、エッセイ『詩人の愛』『脱力の人』(いずれも河出書房新社)、『詩人の死』(東洋出版)、評伝『乞食路通』(作品社)など幅広い分野で執筆を行う。近年は山をテーマにした詩集『嬉遊曲』『子供の領分︱遊山譜』、小説『風を踏む―小説『日本アルプス縦断記』』、評伝『山水の飄客 前田普羅』、エッセイ『人はなぜ山を詠うのか』『行き暮れて、山。』『ザ・ワンダラー 濡草鞋者 牧水』(いずれもアーツアンドクラフツ)、『山川草木』(白山書房)、『山に遊ぶ 山を想う』(茗溪堂)など、ほかに『忘れられた俳人 河東碧梧桐』『「はみ出し者」たちへの鎮魂歌』(平凡社新書)がある。

「2021年 『奥越奥話 16の詩と断章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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