- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582857153
感想・レビュー・書評
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思索
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図書館で偶然見かけ、国際日本文化研究センター設立の経緯(と当時の反応)等が、私の個人的な関心に合っていたので読んだ。
とりわけ、上山春平について詳しいのはギョウコウでした。
【抜き書き】
“「日本学」は日本の統治政策研究ではなく、日本とは何かを知る純粋に哲学の課題だった。”(148頁)
【書誌情報】
著者:柴山哲也
価格:800円+税
出版年月日:2014/01/17
ISBN:9784582857153
新書 240ページ 在庫あり
戦後、京都大学人文科学研究所に集った若き俊英たち。
桑原武夫を筆頭に、今西錦司、貝塚茂樹、上山春平、梅棹忠夫、梅原猛、鶴見俊輔といった面々は、戦前の「京都学派」に対して「新京都学派」と呼ばれ、学際的な共同研究や大衆社会のフィールドワークなど、新たな学問研究のスタイルを築き上げた。彼らの人間像に触れながら、それぞれの仕事の
歴史的意義、多彩に広がる人脈を描く
<http://www.heibonsha.co.jp/smp/book/b165232.html>
【目次】
目次 [003-006]
序章 「夢から出たマコト」──日文研創設をめぐって 007
「日本とは何か」を多面的に発信/京都を世界文化交流の中心に/中曽根首相との懇談会/文部省の屋根裏部屋からのスタート/日文研をとりまく内外の批判/朝日新聞での紙面討論/「羅漢の集い」であれ
第一章 新京都学派を担った知の巨人──桑原武夫と京大人文研 034
党派性を超えた京大人文研/青春時代に体験した「戦争」と格闘/学際的共同研究の元祖/アクチュアルな問題意識/近代を把握するためのルソー研究/西欧、中国、日本を結ぶ三角形/桑原の米国体験/「面白くなければ共同研究は続かない」/消去法という視点/内藤湖南は「豆腐のニガリ」/人生にとって文学はなぜ必要か/「第二芸術」の衝撃/高橋和巳の死
第二章 民衆の中に入っていく姿勢──鶴見俊輔、梅棹忠夫、司馬遼太郎 085
「文学の要件」とは何か/農村における美人の研究/現代風俗研究会/鶴見俊輔の桑原論/大阪万博と民博設立をリードした梅棹忠夫/『文明の生態史観』/記者クラブで桑原に出会った司馬遼太郎/司馬のノモンハン事件への関心/明治維新は革命か復古か
第三章 特攻から生還した哲学者・上山春平の戦後 123
上山の戦争体験/研究の方向を決定づけた「新憲法私案」/日本人の「さもしい気持ち」/九条の存続を支持/大嘗祭と天皇制/日本は凹型文明の地/梅原猛と立ち上げた「日本学」/天皇制の起源を求める旅/「日本の非革命」思想
第四章 記紀神話を脱構築した梅原日本学と“怨霊史観” 161
聖徳太子をめぐる謎/記紀神話のイデオロギーに対する疑念/哲学者としての洞察/歴史の闇に埋もれていた不比等の正体/出雲神話の研究/柿本人麻呂の終焉の地をめぐって
第五章 ダーウィンに挑戦した文化人類学者・今西錦司 189
「パイオニアであり、放浪者」/京大学士山岳会/桑原との友情/「棲み分け理論」はいかに生まれたか/「人はあるとき突然、一斉に立ち上がった」/“覆面の哲学者”/西北研究所での体験/悲痛な決意/今西の感じた不安
おわりに──「文明災」と「幸福に生きる権利」(二〇一三年秋 柴山哲也) 219
引き起こされた「文明災」/桑原武夫の憲法観
主要人名索引 [236-238] -
学問研究は空論と独善に陥ることなく、専門のタコツボに籠ることもなく、広く市井の人々に開かれたものでなければならなに。つ年に現実を反映し、人々の役に立つ研究でなければならない、世界に貢献するものでなければならない。
ルソーという巨大な知識人の全体像を解明するには、文学、経済学、法学、教育学のここの専門家の知識が必要であり、かつ専門性を横断する脱領域の共同研究が必要となる。
果たして哲学の課題である人生いかに生きるべきかを含まい小説を文学と言えるのか。 -
京都学派の面々のキラキラ☆彡がたまらない。
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桑原は「面白くなければ共同研究は続かない」,「メンバーが親密でなければ成功しない」という持論を押し付けて,共同研究の成果を共有するカード式を考案したり,面白い研究方法の開発や旅行しながらの研究会なども積極的に取り入れた。 P62
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これは,関西クラスタでもやっていることで共感する。
その他もまとまっていて,凄く良いノンフィクションだった。 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784582857153