新書748一遍と時衆の謎 (平凡社新書 748)

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  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582857481

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  • まぁ謎だらけの集団だ

  • 第1部 遊行・一遍上人と時衆―いかなる人々なのか(『大菩薩峠』の「遊行上人」;戦前期における「一遍」と「時宗」―不遇の時代;戦後の「一遍」と「時宗」―再評価の時代;阿弥衆の謎;「世阿弥」と「お国」;網野史学と「時衆」)
    第2部 『一遍聖絵』の世界―遊行・一遍上人の生涯(『一遍聖絵』;出生から再出家まで;旅立ちから熊野まで;遊行の旅へ;時衆の誕生;京都に入る;旅のなかで;入寂の地へ)

    著者:桜井哲夫(1949-、足利市、社会学)

  • <目次>
    第1部  遊行・一遍上人と時衆~いかなる人々なのか
    第2部  『一遍聖絵』の世界~遊行・一遍上人の生涯
    結びに代えて

    <内容>
    思ったような一遍をめぐる歴史書ではなかった。なので当初はやや当惑しながら読んだが、著者の時宗(時宗寺院の僧侶であり社会学の研究者)への気持ちがよくわかるとともに、時宗への興味がわく内容だった。編集の最初が『大菩薩峠』から始まり、なぜか鎌倉期のことがない。それは、あとがきにある、明治期の廃仏毀釈・国家神道への改悪とその反動から鎌倉新仏教が評価される中で、時宗のみが評価されず(それは新仏教の多くが、「神祇不拝」の中、時宗が神社と密接な関係があったから)、単なる「踊念仏」の陶酔的・退廃的教義だったとされたとあり、それが徐々に評価されるようになり、網野善彦の諸研究が決定打だったことを示すためだったからだ。第2部では『一遍聖絵』を読み解くように(絵ではなく、詞書と和歌や和賛などから)一遍の生涯を辿る。こちらは歴史的というよりも宗教的な読み説きだと思う。

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著者プロフィール

本名・長峰利造。1924年7月10日青森県北津軽郡生まれ。尋常高等小学校高等科卒業。1936年発病。1941年10月8日栗生楽泉園入所。1953年失明。詩集に『津軽の子守唄』(1988年 編集工房ノア)、『ぎんよう』(1991年 青磁社)、『無窮花抄』(1994年 土曜美術社出版販売)、『タイの蝶々』(2000年 土曜美術社出版販売)、『鶴の家』(2002年 土曜美術社出版販売)がある。『盲目の王将物語』(1996年 土曜美術社出版販売)。

「2002年 『ハンセン病文学全集 2 小説二』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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