ゴーストライター論 (平凡社新書)

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著者 : 神山典士
  • 平凡社 (2015年4月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582857726

ゴーストライター論 (平凡社新書)の感想・レビュー・書評

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  • 「ゴーストライティング」と呼ばれてきたビジネスモデルは、むしろ「チームライティング」と呼ばれるべきものだと私は考える。世の中に対してかけがえのない価値を持っている著者と、それを構成し内容を研ぎ澄ましてわかりやすく文章化することができるライター、そしてこのチームをしっかり支え、著者の主張を「商品化」することができる編集者。この三人のプロフェッショナルが力を出し合っていけば、唯一無二の価値が生まれる可能性がある。p154-155

  • 読了。

  • 著者と同業に近い仕事をしている者としては、自己宣伝的な内容が鼻につくことが多少あった。
    一般読者なら、へぇそうなのか、と素直に読めるかもしれない。
    とはいえ、これから参考にさせてもらいたい記述も多い。

    ただし、ある種の理想論というか、一般現実とはかなり乖離していると思われる内容も散見される。
    著者自身がここに書いてある内容通りに実際に仕事をしているとしたら、それは相当に恵まれた環境といえ、現実にはこの世界とは程遠いといころで活動しているフリーランスが大半なのではないか。
    (自分は決して酷悪な条件の仕事はしていないはずだが、それでもそう思う)
    一般読者に実態を誤解させることにもつながり、その部分は残念。

  •  出版界における「ゴーストライター」の実状を当事者としての実体験を中心に明かしている。現実問題として、ゴーストライティングが完全に定着している以上、名義上の著者、編集者、実際のライターから成る「チームライティング」として社会的に認知させ、法的にも明確な位置付けが必要であることを示唆している。

     本書では創作におけるゴーストライティングを倫理的に否定しているが(たとえば堀江貴文の「小説」でのゴーストライター使用への批判)、これも実際には過去に例があるし(たとえば川端康成「乙女の港」問題)、漫画やライトノベルなどではしばしば散見できる状況にある。本書の著者が暴露した「佐村河内事件」でも問題になったのは芸術音楽であったからで、匿名の代作が横行しているエンターテイメントであったならば問題にはなっていなかったであろう。どこで線引きするのか、どこまでゴーストライティングを許容するのか、そろそろ明文化しなければならないのではないか。私見では「協力」や「構成」などではなく「共著」として実際の執筆者は明記されるべきだと考えている(山口淑子、藤原作弥『李香蘭 私の半生』が好例である)。

  •  
    ── 神山 典士《ゴーストライター論 20150417 平凡社新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4582857728
     
     神山 典士 作家 1960‥‥ 埼玉 /ノンフィクション/大宅壮一賞
     
    (20150226)
     

  • ゴーストライターの存在は感じていたが、本書を読んで実体が見えてきた。
    ゴーストライターという呼び名はネガティブなので、チームライティングの一員として連名で記名されればいいのかな、と思いました(洋書の翻訳者のように)。

  • 佐村河内問題をスクープした神山さんによるゴーストライター論。
    ゴーストライターというと、人を騙すとかトラブルとかスキャンダルとかとにかくイメージが悪い。
    神山さんもゴーストライターの経験があるとのことでどんな本になるか予想がつかなかったのだけど、神山さんのライターとしてのプロ魂が見られて面白かった。作家の後ろにはついてはならないとか、2冊目は自力執筆をすすめるとか。
    神山さんはチームライティングという呼称を提唱しているのだけど、新書ではこういった編成で仕上げることも多いとのことが印象的。

  • 佐村河内問題が大きく出てきたとき、文章のほうのゴーストライターってどうなんだと気になっていた。そしたらなんとその一連の記事を書いた神山さんが副産物としてこの本を書いたとのこと。チームライティングという呼び方には賛成。他人の人生を作品作りを通じて生きられる、という文章を読み、物書きとしてすごくそそられた。と同時に忸怩たる思いを抱いた。

    2012年から翌年にかけて尖閣所有者の一家に肉薄していたことがある。チームライティングのスキルが僕にあり、素早く対処してれば作品化できたのに、と思ったのだ。

    今後、この手の仕事をどんどんと増やしていきたいなあ、と読み終わって、強く思い、ファイトがわいた。

  • すべては「ゴーストライター」というネーミングが悪い。この本で述べられているチームライティングとか、ブックラーターという呼び方を定着させないと、いつまでたってもゴースト=悪のイメージはなくならないだろうなぁ。

  • ゴーストラーターという存在が必要であることが、
    本書では分かる。

    矢沢永吉の名作「成り上がり」はコピーライターの
    糸井重里がゴーストライターで書いた本。
    糸井重里は最初で最後のゴーストライターだったという。

    何故、書いたのか、
    それは、糸井が矢沢のファンであり、生き方に共感できたから。

    そういう関係で書いている本には魂が宿る。
    だから、読んでいる人も本当に本人が書いているように読むし、
    糸井が書いていたと知っていて読んでいるからいいのだ。
    これからも、ゴーストライターからは目が離せない。


    内容(「BOOK」データベースより)
    出版界において、その存在なしには本づくりが成立しないともいわれる「ゴーストライター」。その実態はいかなるものなのか。佐村河内事件をスクープする一方で、多くの「ゴーストライティング」を手掛けてきた大宅賞作家が知られざる職人技の世界を描く。

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