別冊太陽217 明治の細密工芸 (別冊太陽 日本のこころ 217)

  • 平凡社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582922172

感想・レビュー・書評

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  • すごすぎる
    たまげた
    人間てここまでできるんだ!!すごい!!!

  • 三井記念美術館で鑑賞した「超絶技巧!明治工芸の粋」展の復習として。

  • 最近、テレビなどで何度か目にする機会があった明治期の細密工芸の本である。現在、三井記念美術館で特別展『超絶技巧! 明治工芸の粋』開催中(巡回展あり)で、それに合わせての発刊だろう。

    副題の「驚異の超絶技巧!」そのものである。
    伝統の中で受け継がれてきた工芸技術が頂点に達したのが江戸末期から明治期という。
    1つには、外貨獲得を試みて、政府がこうした工芸品の制作・輸出を推奨し、後押ししたこと。
    1つには、明治維新に伴い、大名や富裕層の町人といったこれまでのパトロンを失い、行き場を失った刀剣・鋳金といった分野の職人が美術工芸品制作になだれ込んだこと。
    こうした背景から、「七宝」、「金工」、「自在置物」、「陶磁器」、「漆芸」、「細密彫刻」、「印籠」、「根付」、「染織」、「竹工・木工」といった分野で、鬼気迫るほどの写実的で細密な作品が次々に生み出されていく。

    本書では各分野にわけて主要な作品を大きな写真で紹介し、専門家の解説が付く。巻末では代表的な作家の略伝と作品も紹介される。
    わかりやすく俯瞰でき、興味深い。

    個人的には、高瀬好山の伊勢海老や昆虫の自在置物、鈴木長吉の鷹の金工、駒井の小箪笥、刺繍による瀑布図、濤川惣助の無線七宝による矮鶏、海野勝珉の金工による蘭陵王置物、松本喜三郎の生人形の観音像あたりが「しぇー」と驚いた作品。

    あまりにも技巧が細かすぎ、すごすぎて、見様によってはキワモノ・徒花と見られかねない作品もある。また細密に走りすぎたり、グロテスクになりすぎるきらいもあった。継承者が途絶え、製法がわからなくなったものもある。
    工芸の歴史の中で、いささか袋小路に入った感はあるが、それにしても写真で見ても息を呑むほどの細密さ、精緻さ。やはりこれは実物を見てみたいなぁ・・・。


    *収蔵品が多そうな清水三年坂美術館と並河靖之七宝美術館はいずれ行ってみようと思います~。でも上述の美術展の巡回展がすべて終わるのが来年夏以降のようなので、その後、かな。気長に楽しみにしておこう~。

    *自在置物に触ってみたいけど、美術館ではさすがにムリだろな(^^;)。購入すれば好きにいじれるんだろうけど、いったいいかほどするものなのか・・・(--;)

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